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映画感想≫≫The Truman Show トゥルーマン・ショー

トゥルーマン・ショー [DVD]

トゥルーマン・ショー

あらすじ

トゥルーマンは保険会社の平凡なセールスマン。しかし彼は自分の生活が少し変だと思い始めた。もし自分の人生が、実は“演出された作りもの”だったら…? 鬼才ピーター・ウェアー監督のもと、才人ジム・キャリーが絶妙な名演技を見せて絶賛されたヒューマン・コメディの傑作。

 

周りを海で囲まれた平和な離れ小島の町シーヘブン。保険のセールスマン、トゥルーマン・バーバンク(ジム・キャリー)は看護婦でしっかり者の妻メリル(ローラ・リニー)や親友のマーロン(ノア・エメリッヒ)とともに平凡な毎日を送っている。ボート事故で父親を亡くした彼は水恐怖症で島から出たことはなかったが、大学時代に出会った忘れられない女性、ローレン(ナターシャ・マケルホーン)に会うためフィジー島へ行くというささやかな夢があった。ある日、トゥルーマンは、いつもと違う行動を取るとまわりの様子が落ち着かなくなることを発見。不安と疑問がつのり、妻のメリルに怒りをぶつけた末、メリルは家を出て行ってしまう。トゥルーマンは意を決し、地下室で寝ているふりをして海にボートで漕ぎ出して行く。実はトゥルーマンの家族や同僚は俳優で、住む島全体がロケセット、通行人はエキストラという、虚構の世界に生きており、生涯のすべてをテレビ放送されていたのだ。ディレクターの指示で彼の人生はコントロールされてきた。ディレクターのクリストフ(エド・ハリス)と会話を交わし、本当の人生を歩みたいを訴えるトゥルーマン。だが、虚構の世界へ戻るよう説得するクリストフは、装置を使って嵐を起こす。荒れ狂う波をくぐりぬけた果てに、トゥルーマンは虚構の世界=ロケセットの終端部にたどり着く。そこには外への出口があった。クリストフの呼びかけを無視し、トゥルーマンは出口から出て行く。そしてテレビでその一部始終を見ていた観客たちはトゥルーマンの勇気に拍手を送るのだった。

 

ネタバレ感想

誰もが一度は考えた事あるんじゃないでしょうか。自分以外の周りの人間は“全て”を分かっていて演技してるんじゃないか、自分の心の声はもしかして筒抜けなんじゃないか、とかそういった事。

 

トゥルーマンは生まれてからずっと島暮らしでその人生を全てありとあらゆる場所に隠されたカメラで撮影され、生中継されている。

島の全てが作り物で、自分を取り巻く人間達、家族すらも役者という環境。

アイデンティティーとはなんなのか考えさせられます。

 

トゥルーマンの不信が確信に変わった瞬間が結婚式のアルバムでメリルが指をクロスさせているのを発見したあたりからでしょうか。

ヨーロッパやアメリカなど欧米では、人差し指と中指をクロスさせるのは「Good Luck(幸運を祈る)」という意味を持つサインとしてよく使われています。ただ、このサインを相手に隠して見えないように出している場合は嘘をついている時の仕草で、自分の嘘に罪悪感を無くすためだったり嘘がバレないようにという気持ちを込めての意味合いを持つようです。

こんなに周りがトゥルーマン本人にバレないよう何十年もかけてきたにもかかわらず、写真に残る場面で指クロスをしてしまったメリルの詰めの甘さがちょっと不思議ですが。さすがに偽りの結婚となるとお祈りくらいしたい気持ちになったんでしょうかね。

 

ディレクターのクリストフによって人生の全てを操作される。世界中の人間が彼の平凡な人生を垣間見る事を楽しみに待っていて、熱烈なファンすらいるところにも狂気を感じますね。放送を見ている一般人のほとんどがトゥルーマンに対して見守ったり応援したりと良い印象を抱いている様子が伝わってきて、国民的スターのポジションに居ることが分かります。

間違いなく人権侵害ではあるものの、見ず知らずの人間からも愛されている彼と、その彼を取り巻く虚構でありながら良くも悪くも「普通の世界」。

もし介入無しの人生を送っていれば、元々望まれて生まれて来なかった子だったトゥルーマンの人生が今よりも幸せだったとは言いきれない。むしろ作られた人生の方が平凡なりに順風満帆でその実情に気付きさえしなければ「幸福」だと言えたのではないだろうか。そのあたりを考えると多少複雑な気持ちも出てくるのです。

 

最終的には大きな一歩を踏み出したトゥルーマンに全国民が歓喜しハッピーエンドで終わるのですが、真実を知ってしまった彼のその後の苦しみ、みたいな展開が描かれたものも見てみたいです。壮絶な葛藤がありそうですね。

 

この作品、演者によっては物凄くガチガチのシリアスになっててもおかしくないくらい悲しさとか憤りを感じる設定ですが、ジムキャリーが演じることによってコメディタッチに感じさせるバランスがとても良かったです。

評価(平均点高めの設定です。)

  4.4 /5 点!

完全に設定勝ちと思わせる斬新な脚本と、それに引けをとらないジムキャリーの演技が素晴らしかったです。 

概要

監督:ピーター・ウィアー

時間:1時間43分

提供:UIP

公開年:1998年

 

トゥルーマン・ショー(通常版) [DVD]

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