海外ドラマ≫≫THIS IS US THIS IS US　36歳、これからシーズン3　2話ネタバレ感想

エピソード2『フィラデルフィア物語』“A Philadelphia Story”

あらすじ

体外受精のことを母親に知られたくないケイトは、何とか隠そうと試みる。ランダルはデジャを娯楽センターに連れて行くが、設備の不具合が気になり、市会議員を訪ねる。

ネタバレ感想

ゾーイをプレミアに誘うも、今のカジュアルな関係が好きでシリアスにはなりたくないと直球の牽制をくらったケヴィン。

プレミアの様子を職場から中継で見ていたゾーイは同伴無しで出席しているケヴィンを見て、自分達の関係性を一歩進める気持ちに切り替えたようではありますが、前話でのベスの言葉が気になるんですよね…。

6年も常用していた抗鬱剤を独自の判断で急にやめてしまったトビーは離脱症状が出始めているようで、これが深刻な問題にならないかと見ていて気が気ではありません。

リスクが大きい体外受精に関してまだレベッカには知られたくないと思っていたケイトの意思を汲んで夫婦の秘密にしておいたものの、プレミアに行くため一旦ケイトの家で準備をしていたミゲルとレベッカ。冷蔵庫に入っていたプリンを食べようと手に取ったミゲルに対し、トビーがあわてて止めたのも遅く、隠れ蓑にしておいたプリンの箱から排卵誘発剤と注射器がレベッカを目の前にして滑り落ちてしまいます。気まず過ぎる雰囲気の中で「俺のヘロインです」と絞り出したトビーのユーモアには完敗ですが、とにかく長く秘密を持つよりは早い段階でバレてしまった方が良かったように思えました。

案の定レベッカは心配から来る過保護でリスクの大きな決断に猛反対。これに対して母親への反発があるのはもちろんですが、兄弟に養子が居るという選択肢が自ずと増えそうな家庭で育ちながらどうしても自分自身で子供を産みたいと願うには理由があったようです。ジャックの血を残せるのは自分だけだと考えており、父の面影を未だに追い続けている根深さはここでも影響しています。正確に言えばケヴィンでも血統の要素は満たしているものの、軽薄な兄には期待していないというケイト。

親子喧嘩と兄弟喧嘩が同時に勃発してしまいましたが、「リスクも可能性の低さも承知で夫婦の問題なんだ、外野がゴチャゴチャ言うな」と黙らせたのは、珍しく怒りを爆発させたトビーでした。

外の空気を吸ってくるからプレミア会場で会おうと言い残し出て行ったトビーは時間になっても姿が見えず、注射を打つ役目のトビーが居なければホルモンバランスが崩れて全てが台無しになると軽いパニックに陥るケイトに手を差し伸べるのはやはりレベッカです。

反対しながらもレベッカが自ら注射を打ってやります。この二人の微妙な関係性は、元々薄らとあった溝がジャックの死後より深まってしまう結果に繋がったからだったというエピソードが明らかになりました。夫を亡くし憔悴し切って子供の問題まで手が回らず、過食を続けるケイトを止めるよりも容認してしまうという楽な方へ逃げた当時の自分自身をレベッカは未だに責める気持ちがある事と、ジャックを亡くした恐怖を繰り返すまいと必要以上に過保護で強制しがちになる節があり、誰が悪い訳でもないのに折り合いが悪いのもしょうがない、と思わせるあたりがもどかしい。

デジャを連れて娯楽センターに出向いたランダルは、設備の不具合の多くが放置されている状況でも行政が対応していないのを見かねて〈ブラウン議員〉に会いに行きます。

直談判に行き交渉は見事成功し、修理係の派遣を約束されましたが、待てど暮らせど修理係は来ず、痺れを切らしたランダルは自ら脚立を持ち出し街灯の電球を交換し始めました。

オーナーを務めるアパートの住人で顔見知りの〈チーチー〉からは「あなたって謎ね、あなたを見てるとお父さんの面影がはっきり見えるから友達が帰ってきたようで幸せ、でもあなたはここに属してない娘さんを連れて来たけどあなたは皆を知ろうともせず問題点を見つけて直そうとした」と彼にとっては突き刺さるような指摘を受けるランダル。

娘〈スカイ〉がまだ生まれたての赤ん坊だった頃、孤独を抱えてアパートに越してきたチーチーを気遣っていたのはウィリアムで、その頃抱っこした赤ん坊が今デジャと同じ歳の頃になり交わっています。そしてウィリアムを知るチーチーから見てもランダルは父親に似ている部分があり、なおかつ決定的に違う部分もあるという現実。

ランダルの人生において、いつも自分の『居場所』がない事が最大のコンプレックスなのでしょう。生い立ちが複雑で、黒人でありながら白人一家の養子として育ち、自分で友人を見つけて来てもどこへ行っても馴染み切れず、大人になった今は黒人のグループの中ですら貧富の格差を目の当たりにしたりと付き纏う嫌な疎外感に悩まされています。

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