第4話 孤独との戦い(Silence the Whisperers)
あらすじ
リディアは囁く者に仲間を殺された若者たちから執拗な嫌がらせを受けていた。その悩みをニーガンに打ち明け癒やされていたが、それを知ったダリルは彼に近づくなと諭す。
ネタバレ感想
とにかく画面が暗過ぎてよーーく目を凝らさなければ誰と誰が何のこっちゃという冒頭ですが、戻ってきた束の間の平穏をそれぞれが複雑な想いを抱えながら享受している様子。
ダリルはいつの間にやらすっかり丸くなってしまって、キャロルだけでなくリックなき今のミショーンと子供達の支えにもなっとります。あとキャロルにばかりスポットが当たっていましたがエゼキエルも同じく王国を失い、息子を亡くし妻にまで距離を置かれている中でそのトラウマは大きなストレスになっているようです。
かかっているBGMが無駄に平和でかと言って悲壮感も混在している雰囲気があり、こりゃ文字通りの『束の間』の日常だろうなーと不穏な気配が同時に感じられましたが、その予感は早々に的中してしまいました。
ヒルトップでは轟音と人々の騒ぎ声がしたかと思いきや、不自然な倒木によって王国出身の人達が多く暮らす家屋の屋根が落ちたらしく、住人を下敷きにしながら半壊滅状態に。
9人の負傷者を出し、すぐに運び出される者もいれば瓦礫のせいで救出に時間のかかる者も。
何やら考え込むミショーンに対してジュディスが声をかけるのですが、「私には新鮮な目と親身に聞く耳がある」と言えるこの年端もいかぬ少女があのリックの子供だなんて感慨深過ぎる…と思いましたが、そういえばジュディスってローリがシェーンとデキちゃって産まれた子でしたね。忘れておりました。いや、たとえローリとシェーンの血を引く娘だとしてもこの台詞が言えてしまうのはなかなかですが。この場合は育ての親の悪い部分を反面教師にしたのかしら?としか言えません。
しかも自分達に反撃させて疲れさせたいのかもと良い線いってそうな敵サイドの思惑まで読み取っているしで、さすが手作り馬車の特等席で踏ん反り返っているだけはあります。
その後一人馬に乗って森へ入って行くエゼキエルを見かけて何事かと後を追ったミショーンですが、なんか色々と吹っ飛ぶほど衝撃の珍事が起こりました!
身投げしようとしていたエゼキエルを静かに止めに入ったミショーン、そして我に返り思い留まるエゼキエル。ここまではまあ良しとしましょうよ。この直後!なんと思い昂ったエゼキエル、元一国の王はミショーンに濃厚なチッスをブチかまします。
ええええぇ…どこにそんなフラグが…!精神状況が極限な人間は何をしでかすか分かりません。キャロルが帰ってきてソワソワしてたあのおっさんは何処へ…。そして何故よりによってミショーン…。何故なんだ。
ミショーン自身もドン引きを隠し切れておりませんでしたが、まさかこの関係が発展だなんて事はさすがにないですよね…?
しかし、場面が変わってもまだ二人でまったり過ごしているところを見ているとやや冷静になってきて?顔の濃さと言い髪型と言いなんだか意外とお似合いなんじゃないかとすら思えてきました。えぇ、そうなろうと受け入れようじゃありませんか。双方に特段の思い入れが無くて本当に良かった!
「あなたのキス悪くなかった」「いつもならもっとうまくできた」なんていうこの二人の会話にはドン引きするしか出来ませんが、気まずくもならずここまで明け透けに話せるという事は逆に発展は無いという事で宜しいのでしょうか。
その頃アレクサンドリアでは…。
敵グループに居た者としての宿命で、更に大ボスの娘ともなるリディアへの風当たりはキツく、真っ向から暴言を吐かれたり嫌がらせを受けております。それに同じくはみ出し者のニーガンが助言したり、それを察知した親代わりのダリルはニーガンを威嚇したりでリディアには居場所がないまま。ついには目の前でウサギを捌くという不気味な抵抗で反撃に出ますが、正直エゼキエルの大暴走で話半分なのに加えて、ワンカット無意味に映るだけでどうやったらそこまで腹立つ表情と仕草が出来るんだと感じさせられるゲイブリエルのせいで感情移入できるような隙が皆無です。
それにしても、報復として深夜袋叩きに遭い襲われているリディアに気付いてあっという間に助けてしまうニーガンのカッコ良さよ…相変わらず手足が長ぇ…。
胸糞シーンに颯爽と救世主が現れたのですが、イキがりの割にはあまりに貧弱だったマーゴがニーガンに振り払われた勢いで壁に頭を強くぶつけ死亡。仲間の死とはみ出し者二人の言い分が天秤にかけられればはからずとも胸糞展開になってくるわけで…。
こんな時にセディクまで限界突破しかけているしで話が四方八方、ついて行くのがやっとです。
家屋が潰され、柵の外ではウォーカーがひしめき出したヒルトップでは、壁の補強をするべくルーク達が外に出てウォーカーを倒しながら時間稼ぎをしております。
壁の補強が済み、ヘロヘロになって彼らが戻ってきたと同時にすぐそばの壁がバターーンと倒れてゾロゾロとウォーカーが侵入してくる光景はさすがに絶望的でした。
ここに来てようやく身投げを留まったエゼキエルとミショーン一行がヒルトップに到着し、なんだかんだ安心感のある戦力が投入されます。
ジュディスの刀捌きがえらくキレッキレで、これからはジュディス先輩と呼んでしまいそうです。
ヒルトップのウォーカー騒ぎが片付いた頃、ニーガンの処遇について揉めるアレクサンドリアの現状を伝えるためダリルからミショーンに無線が入ります。
娘の扱いが芳しくないとアルファに知られた時の報復を避けるためにも必ずリディアを守って、とダリルに念を押すミショーン。守られる理由すら重要な駒扱いでしかないのが不憫ですがこの場合は仕方ないっちゃ仕方ない。
アレクサンドリアで行われる会議では、なんと先日ニーガンに命を助けられたばかりのアーロンがスッカリサッパリ恩を忘れ去り処刑すべきだと声を荒げとります。
結局ミショーンの代理を任されたダリルは反対派に回り同票となりますが、運命を分ける最後の一票を持つゲイブリエルは徐に立ち上がると「一晩熟考したい、君たちもそうしてくれ」と偉そうに告げて終わりました。なーーにをもったいぶっとるか!どうせ何かとニーガンに対して変な依存をしつつあるゲイブの事ですから結果は分かりきっとります。
翌日、無線が入ってきていたオーシャンサイドへ向かうと言うミショーンにジュールズ目当てで付いて行くと志願したルーク、そしてダイアン。ユージーンはヒルトップに残り壁の修繕をする事となりました。
マグナとユミコはヒルトップの壁を守るために戦っていた時のほんの些細な主導権問題で破局を迎えていますが二人ともイマイチ存在が薄い。
神妙な面持ちでニーガンの半地下牢に向かったゲイブの顔芸は完全に笑かしにきているそれでした。
大神父様が一晩熟考していたばっかりに、誰かが檻の鍵を開けてやったらしく、おめおめ逃げられてしまったのです(笑)鍵かけ忘れ事件に引き続きやはりゲイブがニーガントラブルに間接的にでも関わっているというのは個人的に非常に傑作でした。
アレクサンドリアでは町の至る所にリディアを追い詰める“Silence the Whisperers”『囁く者は静かに』という落書きが。それをせっせと消すダリルと物思いに耽るキャロル。ここに来て守る者が増えているダリルの心労がエグそうですがもはやウォーキングデッド界における絶対的正義マンでもあるので彼が崩れる事はないでしょう。
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