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海外ドラマ≫≫The Man in the High Castle 高い城の男 シーズン1 10話ネタバレ感想

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エピソード10『運命を握る者』“A Way Out”

あらすじ

事態は様々な展開を見せ、ジュリアナは命を懸けた決断をする。ウェゲナーは決死の任務を負ってドイツ本国に戻った。一方スミスは死を覚悟で、自分の命を狙う人物と狩猟に出かける。そして木戸は、残された時間内に事件を解決しようと必死に捜査するのだった。

運命を握る者

運命を握る者

  • メディア: Prime Video

ネタバレ感想

早いものでもうシーズン1最終話です。

1話目からそれなりに面白かったですが、シーズン1の9話ラストで更にググググっと面白くなって参りました。

さて、衝撃のフィルムを見たジュリアナとフランク。何故自分が創作作品のはずの映画に出ているのか、これは映画ではなかったのか、と訳も分からず動揺を引きずったままですが、映像の中で自身を撃ち抜いたジョーがこのタイミングで二人の元に現れます。

この状態でフィルムを渡せと言われてホイホイ渡せる心境でもなく、「ダメだ」とフランクが断ればそのまま揉み合いに。

「ナチ野郎!」と罵られて否定することもなくフィルムを手にしてその場を去って行くジョーは、確かにナチスのスパイではあるものの微妙にグレーな面もあるのでもう少し弁解だの説明だのした方が良かったですよね、聞いてくれるかどうかはさておきこれではジョーがただの裏切り者扱いです。

きっとジョー自身もフランクと同じように自分が映っているフィルムの内容に身に覚えがなさそうなので、手っ取り早くワンモア上映しろよ、と。

とにかく憲兵隊に追われてゆっくり考える暇もないフランクはジュリアナと共にレジスタンスのレミュエル達に会い、逃してくれるように協力を要請します。

ジュリアナが頼み込むわけですが、他にあてがないとは言え、見返り無しに危険な逃亡の手引きをしろってこれまた図々しい(笑)

フランクとジュリアナは自分達が見たフィルムの内容をレミュエルとカレンに説明するも「見たものは全て忘れて」と全く取り合ってくれない感じ。下っ端レジスタンスならフィルムの真相など知らないはずで、フランクがジョーに撃たれているというにわかには信じ難い内容ならもうちょっと食い付いても良さそうなものですが。

レジスタンスも慈善事業ではないので、二人を逃がす見返りに「ジョー・ブレイクからフィルムを奪って殺す」ことを要求。

さっきまでジョーに敵意をぶちまけ殴り合っていたはずのフランクが「数時間前に命懸けで助けた男だぞ!?」とギョッとしたところにこっちもギョッとしてしまいます。どっちやねん。

「ナチと言われて否定しなかったんだろう?」と言われ、まさに恐れていた誤解?が生まれつつあり、ジョーに信用されているジュリアナに殺害が任されるも、「そんなの出来ない」という分かり切った答えでレミュエルが手を下すことに。

ジュリアナには狙撃のしやすい場所にジョーを誘き出す、という任務が与えられましたが果たして出来るかどうか。賭けても良いです土壇場でジュリアナの中の正義マンが暴走します。

 

岡村から名前を聞き出したのか、木戸警部は部下を連れてミュラー少佐の部屋へ捜査に押し入り、中で大層な狙撃銃が見つかると自供も聞かぬまま問答無用でミュラーを射殺

ミュラー死の隠蔽に取り掛かり、部下から疑問を呈されますが、とにかく皇太子暗殺の真犯人への報復と、これが公になれば日本に勝ち目のない戦争問題へと発展しナチスの思う壺であること、東京を納得させるには何かしらの犠牲が必要になる、との木戸警部。

てっきりその『犠牲』はフランクに対する冤罪逮捕かと思いきや、部下に介錯を頼むあたり木戸警部自身が責任を取って切腹する心づもりらしいのです。てっきり何としても身代わりを仕立て上げて罪を着せる政府の闇みたいな感じで片付けると思っていたので、これには意外でした。木戸警部の男気を見た気がしますが、少し記憶を遡ると罪もないフランクの妹達をガス室送りにしてるんだよなー…。

 

ハイドリヒの誘いに応じてまだ薄暗いうちから狩りに出掛けようとするスミス大将は、妻ヘレンに「もし私が戻らなかったら奴らから子供たちを守れ」と一丁の銃を手渡しました。

ヘレンもハイドリヒに怯えながらも「人を虐げて楽しんでる」と否定的で、ナチスの上層部に居ながら、その界隈では神の如く崇められている独裁者に批判的な勢力も少なからず居るのだというのが現実の親衛隊においても有り得たはずだよなぁーと考えさせられます。

ニューヨーク州キャッツキル山地に出向いたスミス大将とハイドリヒ上級大将とのやり取りはハラハラするものがありながら、意外とハイドリヒは話が通じるパターンもあるのか…?と思いましたが、まあそんな事はなく、普通に銃で脅されライフルも取り上げられギリギリな感じです。

さっさと殺してしまわないのは、何らかの情報が欲しいのか、ハイドリヒもフィルムを狙っているのかなんなのか。とにかく総統が何故そこまでフィルムに執心しているのか知りたいようですね。

 

【大ナチス帝国】ベルリンに到着したウェゲナー大佐は家族との最後の別れの時間を過ごしています。

仕様なのか不具合なのか謎ですが、ドイツ語シーンに字幕がつかないので、ウェゲナー大佐周辺が何を言っているのか全く不明で雰囲気で察するくらいしか出来ません(笑)

 

スミス大将に指示された通り、密かに大使館へ助けを求めたジョーは〈ライス大使〉〈ディールス上級大佐にニューヨーク行きの便を工面してもらい、「時間が来るまでくつろいでくれ」との事。

部屋でのんびりフィルムを透かし見ていると電話が鳴り、出ると相手はクレム少佐です。スミス大将からの「ディールスはハイドリヒの部下だ、絶対に近づくな」という伝言と同時に再入室してきたディールス上級大佐

これを察知したクレム少佐の動きの速いこと。「大使館に部隊を送れ」という素早すぎる判断に惚れそうです。

もしジョーが本当にナチスの手先の者なら大使館へ行くはずだと先を読んだいたレジスタンスがどうにか正面から潜入しジョーに接触できるようにジュリアナのIDを偽造しました。

ビザの申請を装って偽IDで大使館に入り込んだジュリアナは、ディールスに地下へ行けと言われるも寸前の警告を聞いていたおかげで警戒心マックスで難を逃れたジョーに出会します。

当然なぜジュリアナがここへ入り込めたのかと焦るジョーですが、自分も命を狙われているしで慌ててジュリアナを連れて裏路地に出ます。

フィルムが目的で自分を追ってきたと思っているジョーに迷うそぶりもなく「あなたを誘き出して殺す!」と言ってしまうジュリアナ。まあ言うでしょうね。ジュリアナですもの。

ついでに「映画で正体を見たの!」とぶちまけ、ようやく少しずつ誤解が解けそうな展開に。

少し答え合わせも進み、ジュリアナが見たナチスの処刑人となっているジョーの映像が自分では無い根拠として、ジョー自身が前に見たフィルムの内容を話します。

ジョーが見たのは1954年のスターリン礼賛の映画だったそうですが、スターリンは1949年に処刑されているはず。つまりフィルムの内容は現実ではないのだ、と。

ジョーとてフィルムを持ち帰らなければ消される運命なので必死です。「見逃してくれたら君らの名前は言わないと誓うよ」と言われて道を開けたジュリアナ。待ちぼうけのレミュエル。

 

HARAKIRIはやはり海外勢からするとcool!な感じなのでしょうか?

ついに切腹の覚悟を決めて色々と用意していたところに、介錯をするはずだった部下がフランクに繋がる銃を持って入ってきます。

銃の後処理を買って出たエドが工場の溶炉で溶かしてしまおうとしていたところを上司に見つかり通報されてしまったのです。

これつまり、木戸警部の切腹男気とかではなくて濡れ衣を着せるはずだったフランクが行方を晦まし期日までに逮捕できそうにないから、みたいな話って事になりますよね?なんだよ、なんだよ。結局フランクかよ。いや、フランクじゃなくたって誰でもいいのかよ…。

大正義エドが複数の目撃証言にあった銃を自分のものだと認めた事で、皇太子暗殺未遂の大罪まで背負わされようとしています。百歩譲って、一度は本気で暗殺を考え実行に移そうとしていたフランクならまだしも、善良オブ・ザ・イヤーのエドが処刑待った無しの罪を被るだなんてあまりにも酷過ぎる…!

 

ハイドリヒから自分の下につくようにスミス大将が寝返りを求められている頃、ウェゲナー大佐は【オーストリアアルプス山脈の小高い丘の上にある立派な洋城、総統大本営に向かっております。

ヒトラーが所持していた数ある総統大本営の中のどれがモデルになっているのでしょう。有名なのはヴォルフスシャンツェ“Wolfsschanze”や、大規模なエレベーターで知られる山荘、ケールシュタインハウス“Kehlsteinhaus”と隣接のベルクホーフ“Berghof”あたりかと思いますが。

しっかしナチスの建造物というのはどうしてこうもロマンがあるのか。

ウェゲナー大佐が城の奥で目にしたのは、巨大なスクリーンで『高い城の男』のフィルムを見るヒトラーの姿。

ここでも字幕で出ないものの、さすがに超重要シーンだろ、と思いここだけ吹き替えで視聴する事に。

スクリーンを目にし驚愕したウェゲナーに対し、「現実になったかもしれない世界だ」と総統。どうやらさまざまなフィルムを収集して毎日のようにこれを見て学んでいるのだとか。

ハイドリヒの差し金でウェゲナーが自分を暗殺しに来た事も、それが達成されれば日本への攻撃が始まり戦争になる事も見越していたヒトラー

スミス大将に仲間になるよう脅しをかけているところにウェゲナー大佐からの任務完了連絡が来るはずだったわけですが、鳴り響いた電話の相手はなんとヒトラー本人

それを合図にするかのようにスミス大将に銃を向けていた兵士が外からの狙撃で倒れ、その隙を逃さずスミス大将がハイドリヒに弾丸を喰らわせます。

ウェゲナー大佐は『戦争回避』という信念と、家族の安全の保証を対価に総統を撃つことが出来ず、そのまま自害。惜しい男をなくしました。

 

ジョーを逃すために漁港へ案内したジュリアナですが、ここがレミュエルが狙撃を待ち伏せる場所だったのですね。

狙撃という割にスナイパーライフルじゃないんかーーいと思ったり。

寸前のところで「ごめんなさい」というジュリアナに全てを悟ったジョーは、自分を騙したジュリアナに裏切りを謝り、自分はジュリアナのおかげで変わったんだ、とお涙頂戴な最期の言葉を贈ります。

ここでジュリアナが暴走しないはずもなく、「そんなフィルム信じない、あなたを信じる」とどうやったのかカレンとレミュエルの目をかい潜り、逃亡手段の漁船『ボニタコーブ丸』にジョーを乗せて送り出したのです(笑)

出し抜かれたレジスタンス二人からの反応など気にする素振りも見せずにただただ遠ざかっていくジョーに熱視線を浴びせるジュリアナ。おいおい。

フランクはエドが逮捕されたと知って逃げる事もせず警察署まで駆け付けて必死にエドに声を掛けようとしたのにジュリアナときたら。

やはり相思相愛同士ジュリアナにはジョー、フランクにはエドで良いのではないでしょうか。

 

ベンチに座り静かにジュリアナのネックレスを手に静かに目を瞑った田上大臣が次に目を開けた時には、街の風景は変貌しております。

ベンチにあった新聞には、キューバ危機に直面するアメリカ大統領の記事が。

ほ、ほう…。アメリカが勝っていた現実パターンも出てくる、と。パラレルワールドを行き来する感じになるのですか?

 

最終話にしてようやく生身の老いたヒトラーが出てきましたが、もはや概念と化している『高い城の男』は人物かどうかすらもあやふやとなるほど姿を見せる気配がありません。

むしろあんな高い城に篭っているヒトラーこそ『高い城の男』と言えそうですけど…さすがにそれは安直過ぎるか。

高い城の男 [ フィリップ・キンドレッド・ディック ]

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高い城の男

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▼次回、S2エピソード1

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