エピソード3『静止』“Stasis”
あらすじ
恋に落ちた十代の少女が、時間を永遠に止めようと試みる。
ネタバレ感想
ジェイコブとの関係がマンネリ化してきたメイは、恋の始まりの頃にあるときめきがあった瞬間で留まりたいと願います。
ジェイコブが出てくるとどうしても中身のダニーではなく、本物のジェイコブの魂の方の事を考えてしまう。
ある日湖で釣りをしていたメイは、スタンレーの水筒っぽい何かを拾い持ち帰ります。
オンオフのスイッチがついている筒状の機械は何なのか分かりませんが、そこから外れた金属をブレスレットのようにして腕につけるメイ。
湖で遠目に見かけた若い男〈イーサン〉が、その後家族で出席した結婚式にも来ていて散歩に誘われると、どんどん惹かれていきます。
生まれつき足が悪く学校では無口なイーサンですが、実はロマンチストでジョークでメイを笑わせる一面も。
お互いに惹かれながらも、森でも、メイの部屋でも家族の邪魔が入ります。
町で公共の機械を修理していたエンジニアから盗んだ部品を使って、拾った機械を修理したメイは、スイッチを入れてみてブレスレットをはめた自分以外の時間が止まっている事に気が付きます。
翌日すぐにイーサンの元へ行き、「これで一緒にいられる」とブレスレットを渡してはめさせるとスイッチをオンにしました。
ジェイコブを含めた学校中の人間が、更には町に出てみれば人も車も動物も、ブレスレットをはめた二人以外の全てが止まっています。
イーサンとメイは二人だけの甘い時間を、誰にも邪魔される事なく長らく過ごしますが、ようやくスイッチを一旦切ろうとした時には機械は何の反応も示しません。
慌てて分解すると、盗んだ部品がダメになっていて代わりを探して町を彷徨う二人。
二度と戻れないかもしれないという恐怖が襲い、さらには厳格だったはずの母親が浮気をしており、行為の真っ最中で時が止まっているところを発見してしまったメイは酷く動揺します。
この頃にはあまりに長い月日を二人きりで過ごしただけにお互い慣れが出てきていた二人は、言い合いになり、売り言葉に買い言葉で「障害者のくせに!」と越えてはならない一線を越えてしまうメイ。
姿を消したイーサンを探し回りようやく見つけるも、イーサンは既にブレスレットを外しておりメイだけがこの世界に一人きりになってしまいます。
新しい部品は見つかっていたので、イーサンの時が止まっていたのは時間にして30分にも満たない程度でしょうが、一人になるのを何より恐れていた自分を知りながら決定的な選択をしたイーサンを目の当たりにしては、それまでと同じような感情を抱けるはずもなく…。7:3くらいでメイが悪い気もするんですけどね。
父親が言った「永遠じゃないから尊いことも」というセリフはまさにその通りで、儚さが同居さてこその特別な時間だという事を身に染みて感じるようなエピソードでした。
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