エピソード4『エコースフィア』“Echo Sphere”
あらすじ
少年がエコーと呼ばれる謎の球体に遭遇、生命の本質に直面する。
ネタバレ感想
蛍のように光りながらフワフワと舞う丸っこい何かを瓶詰めにして持ち帰ったコールですが、次の日起きてみると瓶の中に光はなく、コインが数枚入ってあるだけになっていました。
空気穴を忘れていた事にコールが気づく前に祖父が入れ替えてくれていたのですね。
ある日コールは「不可能だと言われていることを可能にする」事をしているという地下施設ループの創設者である祖父ラスに、巨大な朽ちた球体の前へと連れて行かれます。
「呼びかけろ」と言われて声をかけてみると、こだまのように帰ってくる低い声。
祖父曰く「年老いたお前の声だ」だそうで、なんとこだまの数で自分がどのくらい生きるかも分かるのだとか。
じいさんが呼び掛けても何の反応も返ってこず、それだけでえも言われぬ哀しさがあります。
既に自分が長くない事を知っていたラスは、息子一家に話すより先に可愛がっていた孫に伝えようとしていたんですね。
本人も、妻の〈クララ〉も、ラスの末期の病状を受け入れ納得している風ですが、突然の報告をそんな簡単に受け止め切れるはずもありません。
特におじいちゃんっ子のコールのショックはかなりのもので、ラスも何より気掛かりなのがコールの存在なのでしょう。
とうとうラスが倒れ病院に運び込まれたと聞いて、「地下なら何だってできる、助けなきゃ！」とループへ急ぐコール。
いくらお偉方のぼっちゃんでも正面突破は無理そうで、草原から地下へ通じるルートを使って忍び込むのですが、そんなコールを不安げに見ているロボットは、時系列が変わっておらず世界線も同じなら本当の兄ジェイコブですよね。これは良い演出だ…。
地下に侵入したコールが辿り着いたのは、あのエクリプスのある部屋。
手を伸ばそうとした時に、ループでラスの後任に決まった母ロレッタに発見されてしまいます。
病院に連れて行ってもらっても、認知症の症状が出始めた祖父は既に知らない老人のようになってしまっていて自身の無力さに絶望するコール。
とうとうラスは亡くなり、クララはラスが「ここに何かを飾ろう」と言っていた場所に骨壷を飾ります。
祖父の死後、今度は一人でエコースフィアを訪れたコールが中に声を掛けると、こだまする複数回の返事と一面に舞う小さな光が。
不思議な部分は少ないけれど、少しの哀しさの中に心温まるものがあるエピソードでした。
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