エピソード3『チャイコフスキー』“Tchaikovsky”
あらすじ
いつの間にか警察の捜査の中心人物となったルーシー。彼女は日課となっている悪夢で信じ難い情報を得ると、ディロンと共に恐ろしい発見をすることとなる。
ネタバレ感想
メレディスの一家が、現在ルーシー達の住んでいる7番の家に引っ越してきていたとしたら…というよりも、もしもの話ではなくそういった世界線、パラレルワールド的なビジョンが軽快なBGMと共に流れてきます。
メレディスは前の家にフラワーフィギュアを一つ忘れてきていて、この家に越してきた世界線で、欠けたピースが埋まらず落胆しているメレディスをずっと間近で見てきたアイザックはあのフィギュアに執着していた、と。
ルーシーもそうですが、アイザックにはパラレルワールドの光景が見えているのか。
容疑者の男と取調べ室で話すルーシーを外から見守るディロン。ルーシーが顔に怪我をしているのが気にはなっていましたが、ディロンの傷は気になるレベルのものではなく、一体この男の逮捕直前に何が起こったのか……。
ルーシーを探していたディロンはちょうどアイザックが拐われた直後に家に辿り着き、ここで2人はようやく対面していました。
そのまま現場検証が行われていて、ルーシーはディロンから、刺殺事件と関連する疑惑がある事や、押収した証拠品の中にアイザックの名前が何度となく出ていた事を聞かされます。見せられた書類の中にはアイザックの時計と同じ物が描かれており、壊れていて本人が一度もつけたことのないその腕時計が盗まれている事に気が付きます。
ルーシーの母〈シルビア〉は、電源の入っていないテレビを見ながら、想像の中のクイズ番組に夢中になっていましたが、介護スタッフの〈エレン〉がテレビを付けてやると、今までシルビアが話していた内容が現実のテレビの中の番組と繋がってしまいます。
その上、空席の隣の椅子に座る何者かに話しかけるシルビア。おぉ、こわい。
シルビア、ルーシー、アイザックと不思議な力を持っているのは確かで、謎が多い能力が遺伝しているという事でしょうか?
刺殺事件、過去と今回の誘拐事件と、手口も動機もバラバラで期間は10年以上と一貫性がなくカオスな条件に加えて、長年犯人不明だった渓谷での不法投棄に関する新たな報告が上がり、数週間前に付近で目撃された不審な車の車種は、もちろん赤の日産バネット。
証拠品の絵の中に、投棄現場の配置と一致する地図に見える一枚を発見。
ルーシーは、ディロンから聞かされた“ハロルド・スレイド”の名前を新聞で見て、何故か重要だと感じ覚えていたらしく、それを話してもセラピストは、名前に意味を感じたのはただのデジャブでしかなく、その名を通して捜査に協力しようとする母親の心理が、特別な意味を持たそうとしているのだと結論付けられてしまいます。
ただ、ルーシーはスレイドの自宅の階段にバイオリンが飾ってあるビジョンも見ているのです。
アイザックの居なくなった自宅で、物音や幻影を見るようになったルーシー。
それ自体より、近くのガソリンスタンドでタバコを買うルーシーが12ポンド以上を請求されていたのに驚きです。イギリスではタバコ1箱が2000円近くするのか…ヨーロッパ圏はたばこ税なんかが高いイメージは漠然とありましたが、ここまで高いとは……。高級嗜好品というより、国が非推奨なのでしょうね。
ルーシーはハロルド・スレイドの自宅を訪ねて、事件現場の部屋に忍び込むと、ここ最近度々思い出すようになったビジョンを頼りに本棚に隠されていた金庫を開けます。
中には住宅ローン契約書と古びた鍵が入っており、別のビジョンで見る屋敷のものだと確信してそのまま金庫の中身をこっそり持ち帰ってきました。
偽名を使ったスレイドが買ったペイントムーア通りのターンパイク・ハウスの事をディロンに電話で教え、止められるのも聞かずにそのままターンパイク・ハウスへ向かおうとするルーシー。
しかし、出発直前にエレンから連絡が入り、シルビアが居なくなったと聞かされます。
ルーシーからすればよくある事のようで、心当たりのある行き先に母親を迎えに行くも、息子が誘拐され、母親の痴呆にまで付き合えるほどの心の余裕はありません。
シルビアは、ルーシーの事を「女の子たちのことでテレビに出ていた人」だと言い、アイザックも見つかるはずだと声を掛けました。これは明らかにビジョンなのでしょう。
不法投棄の現場でハエがたかる冷蔵庫を開いたディロンとニックは、中からウジのたかる犬の死体を見つけます。
数日前に消えたドーベルマンの〈マイロ〉だと特定でき、死体の状況と、赤い日産がパンクしてホイールが歪んでいた事から、犯人は車でマイロを轢いてしまい、別の車を入手したという筋書きが立てられました。
ルーシーがシルビアを迎えに行っている間に、一足先に廃屋と化したターンパイク・ハウスへ来ていたディロンとニック。
家の中に麻酔薬のフルランが入った瓶が見つかっただけで人の気配はなかったものの、なんと家の中からアイザックの例の時計が見つかります。
そうこうしているうちに、シルビアを助手席に乗せたルーシーも到着。
腕時計を見て取り乱しながらも、一見棚に隠れて分からないはずの隠された扉に気が付き、持ってきた鍵がそこに合う事も分かっていたルーシーはもはや容疑者として扱われてもおかしくない状況です。
扉を開けて地下へと続く階段を降りた先にあったのは、ドールハウスや女児向けの人形が置かれた不自然な空間で、それを撮影していた形跡も見つかりました。
シルビアは車から降りて森の中へ迷い込んでしまい、その先でアイザックを見つけ出します。まるでそこに居るのが分かっていたかのように。
シルビアはアイザックを連れて戻ってくれており、地下室から出てきて気が動転しているルーシーは、夢にまで見た息子の姿をようやく捉えました。
これまで全く感情を見せなかったアイザックも、表情を歪めてルーシーに抱き付きます。一体何があったのか。連れ去られていたのだとすれば、何故森の中で自由にさせていたのか。
何度も出てきた逮捕された男の名は〈ギデオン・シェパード〉。
アイザックが消えた日、シェパードは裏口に隠された鍵を使って家に侵入し、『確証を得るため』に子供部屋を物色して例の腕時計を見つけ出した、と。
そこでマイクが来てグラスを割った音を聞いたのでそのまま家を出て近くに潜んでいると騒ぎが起こったと話します。
そして、アイザックを攫った者はおらず、「恐らく誰もさらっていない」と主張。
冒頭の違った世界線?の続きで、ルーシーとマイクが言い争った部屋で一服しているメレディスの父親。
あの日、電子タバコの匂いを敏感に嗅ぎ取っていたルーシーが思い出されます。
直後にメレディスの悲鳴が聞こえ、慌てて駆け付けた両親は子供部屋に立つ幼い少年の後ろ姿を見つけました。
少年はアイザックで、窓ガラスに乗せていた手を離すと、ルーシーが見たあの手形が浮き上がります。
これは…やはりパラレルワールドに迷い込んでしまったとかそういうことでしょうか?
それにしても人里離れたあの廃屋付近の森にはどのようにして移動したのか。
同じく不思議な力のあるシルビアが並行世界に居たアイザックを導いたとかそういう話なのか。そもそもギデオンがどのように逮捕されるに至ったのか。
色々と気になる部分ばかりで、全6話の濃厚な前半が終わり、折り返しての後半もめちゃくちゃ楽しみです。
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▼次回、エピソード4