エピソード1『チェンバーズ警部補』“DI Chambers”
あらすじ
チェンバーズ警部補と、相棒のディロン巡査部長は、ギデオン・シェパードという名の謎めいた連続殺人犯を捜査する。
ネタバレ感想
シーズン1はなかなか面白かった記憶がある『デビルズ・アワー』ですが、シーズン2もいつの間にか配信されていたのですね。シーズン1の内容を思い出すところから始めなければ。
主人公であるルーシー・チェンバーズ警部補は紆余曲折ありながらギデオン・シェパードという男を逮捕するのですが、この男は何度も死にながら記憶をそのままに人生をリセットし続けていたという超展開でした。
そして、ギデオンによればどの人生でも最後には必ず同じ刑事、つまりルーシーに捕まるのだそう。ルーシーはシーズン1では福祉職員でしたが、実は本来の人生は敏腕刑事の道を歩む女性で、このシーズン2からがルーシーの本番といってもいいのでしょうか?そんな彼女もまた、特殊な能力を持っていて、度々フラッシュバックのように起こってルーシーだけに見えていたビジョンは、ギデオンのように同じパターンを繰り返していく人々の残像のようなものだった可能性が。
冒頭に登場する白いネグリジェの女性は曰くの3時33分にショトガン自殺を成功させた世界線に居るルーシーの実母シルビアで、こちらの世界でルーシーが毎夜3時33分に目覚めてしまう第六感と関係があります。
幼い頃に自殺した母親を見つけたルーシーは年頃になると分かりやすく問題を抱えたティーンとなっていて、自分を遺して死んでしまった母親をいっそ憎めたら楽だと考えながら苦しんでいる様子。
ずっと読まずに隠していた自分宛の遺書を勢いに任せて開き、その内容に大荒れのルーシー。
18歳になる3ヶ月前、ルーシーはコンビニでビールを万引きしようとしたところを見つかり通報され、若かりし日のニック・ホルネス巡査が担当に。ニックはかなり理解のあるタイプで、ルーシーの観察力を買って「俺より刑事向きだ」と言ったその何気ないひと言が後のルーシーに影響を与えたのですね。
まだギデオンを逮捕する前のルーシーはというと、高価な品物が多数ある家庭に入った空き巣が何故か電子レンジだけ持ち去ったり、別の家ではこどものおもちゃであるライアンのぬいぐるみが盗まれ、数ヶ月後にそのぬいぐるみが窒息の恐れがあるとして販売中止になるという不審な2件の事件に頭を巡らせておりました。刑事になっているルーシーは母親を失った世界線のルーシーということでいいんですよね?少し頭がこんがらがってきます。
〈アマンダ・ミルトン〉と〈マーゴ・ジャクソン〉がタンフォードで下校中に失踪した事件をハックリッジ警察と連携して捜査することになったルーシー。
既にルーシーは、他の事件と共通する赤い日産バネットの存在に気がついております。
相棒のラビ・ディロン巡査部長にその気付きを教えている最中、連絡が入り、二人が向かった現場は保釈中のシェーン・フィッシャーが殺傷事件を起こした元妻クロエの自宅で、現場検証中に浴室のクローゼットに隠れていたフィッシャーを見つけてルーシーは顔面が血塗れになりながら酷い揉み合いに。
その後、迷子が家の中に居たという通報を受けてコンビが向かったのが別の世界線から迷い込んでしまったアイザックのところでした。
初対面のはずのアイザックは母親の名前を聞かれてルーシー・チェンバーズと答え、目の前のルーシーを指差します。
アイザックからしてみれば正真正銘の母親から自分はママじゃないと突き放されていながら、二度とはぐれまいとルーシーの手を握り続けている姿が健気に映ります。
別の現場に出向き、ルーシーが手を振り払って車を降りてしまった後はディロンと二人鍵をかけた車の中に居たはずが、アイザックは一瞬の隙に忽然と姿を消してしまいました。
警察署に来て失踪した二人を飼っていたと証言するハロルド・スレイドの姿も。警視庁から異動してきた〈サム・ボイド〉とニックが聴取を担当します。
長身の白人男性に遺体を捨てる場面を見られてナイフで脅されたから自首したと話しており、ハロルドは男を『悪魔』と表現し、遺体の発見場所と日時を言い当てたとのこと。
非科学的ながらやけに具体的な証言の中には悪魔が乗っていた車にルーシーが追っていた赤いバネットが挙げられていて、関係がないとは言い切れなくなってきています。
間もなくエイダン・ステナーの遺体も発見され、そこでも『悪魔』と共通する特徴の男の目撃証言が。やはり、12年前のジョナ誘拐事件を含む全てが繋がっていると確信を強めるルーシー。
ナンバー認識システムと防犯カメラ映像、赤外線画像を駆使して、農業地域の中にある元貸別荘地で所有者が死亡し空っぽのはずの場所に熱反応を確認したルーシーは、武装しているであろう『悪魔』に部隊と連携した不意打ちをしかけます。
しかし、やり直しで当然のように不意打ち突入を知っているギデオンはその場におらずただ一人離れた場所で待機していたディロンが応戦するも、ディロンの動きすら経験しているのであっさり返り討ちに。
その後、ギデオンのループ経験を持ってしても敵わないルーシーの鋭さと洞察力のおかげで取り囲まれたギデオンは逮捕されました。
取調べでいつものやり取りがあり、ギデオンは「17人が死ぬ。11人は子供だ。私は無理だが君なら止められる」とルーシーに告げます。
そして、「君には勝てないから仲間になってくれ」と持ちかけました。
ギデオンの聴取を終えたルーシーには、アイザックを迎えに行った家が火事になったという報告を受けて現場へ向かっており、この瞬間こそがシーズン1の最終話のあのシーンというわけです。時間軸も繋がってきました。
一緒に火事に巻き込まれたかと思われたアイザックも上半身裸のまま生きて火事を逃れている姿も確認できましたが、ルーシーがアイザックを見つけるとまたすぐに今度はおもちゃの家のドアを一枚隔てた目の前で姿を消してしまいます。
遥か未来の年老いたルーシーはここでも年老いたギデオンから使命を果たして大勢を守るよう頼まれており、どんどんSFチックさが増し増しです。
それにしても壮大な話で、アイザックの母親としてのルーシーと刑事のルーシーで演じ分けも全く別人のようで凄い。
シーズン1の世界線のルーシーも生きながらえていた……というよりはこのタイミングでリセットがなされたという方が正しいのか。
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▼次回、エピソード2