エピソード14 “The Deadly Seal”
あらすじ
教会で、ある人物の告解を聞いていたブラウン神父。告解の最後にその人物は、「明朝11時までにトールボット司教は射殺される」と言い残し、教会を出ていってしまう。トールボット司教が翌日、狩猟に行くと知ったブラウン神父は、いてもたってもいられず狩猟に参加する。11時直前、森に銃声が鳴り響く。しかし撃たれたのは、トールボット司教でなく、トールボット司教の従者であるデイビスだった。
ネタバレ感想
ある告解の最後に、「明朝11時までにトールボット司教は射殺される」と言い残した謎の人物。逃げ出すように出て行った人物の正体は分からぬまま。
マッカーシー夫人はトールボット司教が明日の説教を休むという連絡を受けていて、その理由が鳥の狩猟だと聞いては偶然とは思えません。
この犯行予告めいた告解が気に掛かったブラウン神父はすぐにトールボット司教に狩猟の詳細を聞きに向かいます。
聖ジョージ教会の塔の修理費を出すと言ってきた演劇興行主の〈ベントリー・デューク〉に誘われての、寄付金を成立させるためのいわばビジネス的な会だそうで、演劇界の人間やレディ・フェリシアも招かれていると聞いたブラウン神父。
告解の内容を漏らせない上にまさか本人に殺人予告があると言えるわけもなく、レディ・フェリシアに手を回してもらって当日飛び入り参加に(笑)
フェリシアさんが名付け親にもなっている、女優の〈ナターシャ〉に甘々なデューク。
俳優で演出家の〈ピーター・レッドヒル〉は、妻が王室の親族だということもあって、ナターシャとの不倫が記事になったとか。そんな関係性でまだ一緒に狩りをするものなのか……。
狩りが始まってしばらくすると、昼間だから酒を煽っていたピーターはトールボット司教に新聞記事で自分の不倫を非難した事に関して食ってかかります。
司教の用心棒〈デイビス〉に顔面グーパンをかまされたピーターは今にも復讐心で司教を殺しかねない表情です。
11時が近づくにつれ、気が気でないブラウン神父でしたが、ちょうど11時になるという瞬間、森の中で銃声が鳴り響き、トールボット司教ではなくデイビスが撃たれて亡くなってしまいました。
辺りに人影はなく、この狩猟メンバーのうちの誰かが犯人なのでしょうが、容疑者不明のままその場は解散に。
後日デュークを訪ねたブラウン司教は、トールボット司教を誘ったのは冗談で教会への金を出すつもりはないし、堕落したレッドヒルをからかうためだったと発言。
司教については「偽善とウソを広めてる」と堂々批判するような人物です。
それでもなんとかゴリ押しで、芝居の稽古を見学させてもらえるようになったブラウン神父。
どこでも出入り自由なフェリシアさんはここでも神父と見学したり、稽古が休憩中の舞台に上がったり(笑)
ナターシャと昔は休暇のたびに会っていたそうですが、それまで遊びに来ていた先の叔父〈ウィンストン・グレイター〉から性的虐待を受けて以降、こちらへは来なくなっていて久しぶりの再会なのだそう。
トールボット司教は、射殺事件とブラウン神父の不可解な行動から、告解での殺人予告があったのだろうとあたりをつけて相手が誰だったか聞き出そうと必死です。
それはそうと、公演禁止になった舞台の脚本を多く所持しているトールボット司教。
いかがわしいといった理由から公演を差し止めてデュークに大きな損失を出させているという〈チェンバレン卿〉と旧友で、彼が意見をくれと言って脚本を送ってくるのだそう。
森でトールボット司教を狙ったという電話が司教宛にかかってきており、警察に警護を要請する司教。
原点に戻って考えたブラウン神父は、そもそもの標的はデイビスなのであって、あの告解は真実から目を逸らさせるために仕込まれたウソだったのでは?と気が付きます。
結婚するまで禁酒家だったというデイビスがよく行っていたパブで情報収集すると、彼を酒に追いやったのは結婚ではなく賭けの借金だったと判明。
秘密競馬組織の熱心な一員だった彼は、事件の1週間前、本命に大金を賭けていたのに一番に落馬していた、と。金欠で有名だったデイビスの賭け金の出どころが殺人事件に大きく関係していそうです。
デイビスの妻が〈エセル〉が貯めていた貯金に手をつけていたのかとそれとなく話を聞きに行った神父ですが、収穫はあまりなく。
その代わり、滅多にない先回りで活き活きと皮肉を連発する珍しいサリバン警部補が見られます(笑)
サリバン警部補は、司教の助言のせいでチケットも完売していた公演が中止になり大損した事が動機だとリュークを疑っているようです。
しかし、舞台の本番を楽しんだブラウン神父は、舞台上でナターシャが男の声真似をしているのを見て、告解に来たのも彼女だった事に気が付きました。
ナターシャはかつて、プランテーション所有者に変装した修道女役を演じており、その時の臨時衣装係を担当したのがエセルだったのです。
エセルと親密になり、彼女に感情移入するあまり、エセルもまた男性による被害者だと分かるとその夫を殺害までしてしまったナターシャ。
叔父に対する憎悪や怒りを抱えた中で、夫に金を盗まれた婦人の話が他人事と割り切れなかったのだそう。
告解をしたナターシャは自白するはずが、告解の内容を漏らせないという点を逆手に取って、最初の告解の犯人はデュークだったと神父が言ったと警察に話しました。
告解の守秘義務があるのでナターシャが真犯人だとも言えない神父。
警察で詰められているうちに、ナターシャが一方的にエセルに感情移入したのではなく、2人の女性は協定を結んでいたのだ、と気が付き、またしても警察の目を盗んでフェリシアさんとシドと車を飛ばします。いい加減本当に公務執行妨害で捕まりかねない行動です。
すんでのところでエセルを見つけたブラウン神父。彼女は今にもナターシャの叔父のウィンストンを殺そうとピストルを持っていました。
ブラウン神父がウィンストンの前に立ちはだかる事でなんとか思いとどまるよう諭し、エセルは警察に自首します。
ナターシャは、ウィンストンがブラウン神父に自分の悪事を告解して赦しを受けていた事が許せず、ブラウン神父をハメようとして殺人予告の告解をしていました。
しかしそれさえも叔父の嘘で、彼は告解などしておりませんでした。
ナターシャからブラウン神父に対する誤解は晴れ、叔父の件も含めて何もかもを警察に話すよう後押しされたナターシャは今度こそ全てを供述する気になれたようです。
ナターシャの代役として初舞台に上ろうとするも、やはりフェリシアさんに女優は向いていなかったようで、公演はやむを得ず中止になりましたとさ。
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▼次回、エピソード15