第6章:エヴリデイ “Chapter 6: Every Day”
あらすじ
クロウリーはハチのように天国に入り込み、ハルマゲドン第2弾に関する真実を知る。アジラフェルはシャックスの軍団から書店を守り、光輪を放つ。マギーとニーナは軍団と戦い、書店の助手ジムはココアを手に入れている。クロウリーとアジラフェルはマッチ箱の謎の真相を突き止める。オーツミルクラテを持って現れたメタトロンは、決定的なオファーを持ちかける。
ネタバレ感想
よく分からないままに悪魔と書店の敷居越しに対峙して、虚勢を張って「中へ入って来て目の前で言ってごらんなさい」と挑発してしまったマギー。
内側に居る人間が入るよう許可すれば家主でなくても誰でも良いらしく、この言葉をきっかけに悪魔を退ける結界が機能を失ってしまいました。
ムリエルを唆して天国へ入り込んでお目当ての議事録を見つけ出したクロウリー。
天界の下級書記官より堕天した悪魔の方が遥かに権限があるというのが階級社会の皮肉を感じさせます(笑)
議事録を見返したところ、ガブリエルは第二のハルマゲドン計画を却下しており、元のガブリエルの性格を考えるこれは不可解な判断。
計画を拒否した件で裁判にかけられたガブリエルはあっさり解職処分になっていて、地獄行きではなく天使のまま、そして温情として『ガブリエルとしての記憶は消去される』と言い渡されておりました。
こうして究極の大天使からムリエルより下の階級の書記官に位を下げられて記憶も失っていたのです。
しかし、何故地球に降り立っていたのかという問題ですが、処分を受ける前に自らの記憶をあのマッチ箱の中に入れて、それをまた段ボール箱に入れて慌てて天国から下界へ降りたわけですが、慌て過ぎて肝心のマッチ箱をエレベーター前に落として来てしまっていたのです。
席を外したガブリエルが戻らず、本人不在のまま記憶消去に着手してしまおうとしたミカエル達は、どこを探しても記憶がないどころか天国内に彼の姿が見つからないことにようやく気が付きます。
書店では奮闘中の3人も追い込まれ、とうとう奥の手『天使の光輪』を使って悪魔どもを蹴散らしたアジラフェル。
これは地獄への宣戦布告とも言える行為で、天国と地獄間の戦争待った無しなヤバい展開だそう。
そこへ、上からクロウリーと天国の上層部がやってきて、光輪が使われたことで地獄からの死者もやってきてえらく揉めるかと思いきや、クロウリーがかなり適当な感じで戦争なんて起こらないと話を遮りました。
天国の監視カメラ映像を見て来たクロウリーは、ガブリエルが持ってきた段ボールの底に『私はハエの中!』と自分宛のメッセージが書いてあるのを示し、地獄から来ていたハエの王ベルゼブブを促します。
そういえば、シーズン1からキャストが変わったベルゼブブ役。
「前の顔は6000年も使って飽きたから変えた」という何でもありな設定なだけに、前キャストに寄せる気が微塵もない潔さが好きです(笑)
『ミストレス』でジェシカ役だったシェリー・コンは10年以上前のあの頃と全く顔が変わっていないようで凄いな。
書店に居た1匹のハエの中に隠されたガブリエルの記憶が本人の元へと帰っていきます。
天国と地獄でそれぞれ部下を纏める立場にあった2人は度々密会していて、お互いの利害一致のために共謀していたのです。
秘密裏にハルマゲドンの第二弾を回避しようとする協定を結び、その後も飲み仲間として信仰を深める2人は、さながらアジラフェルとクロウリーのような関係性。
エディンバラのパブで目撃されたガブリエルの同行者がまさか地獄のベルゼブブ様だったとは(笑)
ジュークボックスの謎も、小さな奇跡を起こしてベルゼブブが好きだと言っていた曲をかけた意外とロマンチックなガブリエルの仕業だったというオチです。
そのお礼にガブリエルは中に物を入れられるハエをプレゼントされ、手近にあったパブのマッチ箱にハエを入れていた、と。マッチ箱そのものではなく、その中で飼っていたハエが重要だったのか。
それぞれの持ち場の裏切り者なのにちゃっかり要求を通して2人きりの世界へ消えて行くガブリエルとベルゼブブ。
ベルゼブブの後任としてシャックスは地獄の大公爵に指名されて満足そう。
しかし地獄ほど生ぬるくない天国勢は、今回のガブリエルの協力者を『命の書』から消す権限をもってアジラフェルの存在を消そうとするミカエル。
そこへ人間の爺さんの姿になった大天使〈メタトロン〉がやって来て、問答無用でムリエル以外の上層部を天国へ帰らせました。
良い雰囲気になりつつあるニーナとマギーは書店にいるクロウリーのところへ押しかけ、アジラフェルとちゃんと本気で話し合うよう言います。
メタトロンとの散歩を終えて帰ってきたアジラフェルに、ようやくクロウリーが核心に迫ろうとしたところで話を遮り、メタトロンからガブリエルが正式に大天使を解職された今、その後継者候補に自分が選ばれ、進行中の巨大プロジェクトを天国のリーダーとして率いて欲しいと頼まれた話で切り込んでしまいました。
事実上のパートナーであるクロウリーを天使の地位に完全修復する権限すらあると聞いて浮かれて喜ぶアジラフェルでしたが、クロウリーからすれば御免な話なのです。
そもそもクロウリーはアジラフェルさえ居ればいいという信念のもと動いている節があって、自分が地獄へ戻るチャンスも蹴っています。
天国と地獄では訳が違うだろうと信じ込んでこの話を受ける気でいる鈍感なアジラフェルでも分かるよう、「長い付き合いの中いつでも頼れる2人のチームとしてやってきたけれどそうじゃないフリをして過ごしてきた。俺の望みは……ガブリエルとベルゼブブみたいに俺たちだけになることで、天国からも地獄からも離れて2人だけになろう!」と決死のプロポーズじみたセリフを吐いてみせたクロウリー。
しかし、アジラフェルの気持ちは変わらず、自分が天国を率いるから一緒に来て補佐役をしてくれ、と譲りません。あぁ、これは嫌な予感。
ダメ押しと言わんばかりにこのタイミングで「永遠には続かない」と言ってしまえば、クロウリーからしてみれば自分達の関係の事ですら終わりが来るものだと言われているように感じることでしょう。
全てを諦めて、“天使として”一緒に居る事に固執するアジラフェルの元から去って行く……のではなく、唐突におもむろに勢いよく長めの接吻をかますクロウリー。ええぇ……!?タイミング今か?合ってるか?
クロウリーの覚悟がイマイチ理解できていないアジラフェルは「君を許そう」ときたもんです。そりゃあ見捨てられるでしょう。
書店はムリエルに任され、アジラフェルは1人天界へ向かうことに。なんだかんだでアジラフェルを見送るクロウリーが泣かせます。
メタトロンに連れられて天国へ戻ろうとするアジラフェルは、自分が率いる計画が『キリストの再臨』だと聞いて一瞬躊躇するも、そのまま天国行きのエレベーターに乗り込んでしまいました。
シーズン2も変わらず面白かったのに、まさかのバッドエンド的な流れ。
そして2人の関係がここまで大々的に友情以上のものとして描かれるとは。
シーズン3もある流れなのは嬉しいのですが、ここで終わりですか……。
ファンの多い作品で、えらい論争が巻き起こりそうな展開です。
とにかく、シーズン1に比べても遜色なく、むしろ話は分かりやすくなったように思える新作も非常に楽しめました。
Amazonはそこそこの人気作品で話が明らかに途中であろうとシビアに打ち切りが決まってしまうので、次作の製作もこのシーズン2の反響次第なのでしょうが、原作者で企画・脚本・製作総指揮も兼任するゲイマン氏によればシーズン3も計画自体は練られているとの事なので是非とも続投して欲しい作品です。
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