第6話
あらすじ
ターナー医院でアイヴィが双子の男の子を出産する。アイヴィ自身も双子で、双子の妹イヴォンヌも娘のメラニーを少し前に出産したばかりだ。そんな中トリクシーは、産後8週間以内の子を持つ母親向けに、情報交換と支援のための産後婦人会を発足させた。
ネタバレ感想
赤ん坊を抱えた〈イヴォンヌ・コーダー〉は、今まさに双子を分娩中の姉〈アイヴィ〉が合併症を起こさないか心配して産院を訪ねてきています。
待合室にいる間、生後8週以内の子を持つ母親向けの産後婦人会の案内をヒギンズさんから貰って参加したイヴォンヌ。
彼女は自分よりも双子を産んだ姉の方が心配だと強がっており、明らかに娘〈メラニー〉の世話で大変そうなのにトリクシーの声かけにも助けは不要と一刀両断。イヴォンヌとアイヴィは双子でアイヴィも双子を出産したのに自分の子は1人というのも何か彼女のコンプレックスを刺激しているのでしょうか。
自宅出産を希望している〈オーリー・ローゼン〉の診察でシスター・ヒルダはオーリーの祖父から代々受け継がれている“ゴールドマン毛皮製造所”を訪ねるのですが、毛皮製造は嫌悪産業の位置付けだそうで、保健局がここでの出産に懸念を示すかもしれないと伝えます。
オーリーも祖父も、昔からこの土地に住む者としてやはり自宅での出産を希望しており、生活空間と商売を完全に区別することを条件に自宅出産を認めることに。
現役で毛皮を扱う夫の〈サミー〉は具合が悪そうで、オーリーによれば発作が出ても医者を嫌がるらしく、そこに関しては新生児に悪影響を及ぼすおそれがあるから診察を受けるようにと忠告したシスター・ヒルダ。
ターナー医師に診察してもらい、胸に異音があるから聖カスバートでX線検査を受けるよう言われるも、やはり病院を嫌がるサミーはなんと記録にない結核の罹患歴があることが発覚。
ポーランドにいた頃の話で若かったからどんな治療をしたのかも分からないというサミーに、再発の可能性があるからやはり検査するようにと紹介状を渡すターナー医師。この手のタイプがすんなり病院へ足を運んでくれるかどうか……と思いきや、検査は受けたらしく良好な結果がターナー医師のもとへ届きました。それはそれで怪しいな?
サミーはお産で泣き叫ぶ妻の声や医療器具を見て取り乱したサミーにはナチスの強制収容所に居た過去があったそうです。
お産は難航するも、サミーを宥めるターナー医師抜きでなんとか息子が生まれて来てその産声のおかげでサミーも正気を取り戻せました。
ようやく土木技師としての仕事を得られるチャンスが来たと喜んでいたシリルでしたが、建設会社からの手紙では面接の結果不採用の通知が。
用意周到で堅実な性格のルシルは、シリルにまともな職が決まったら子供を持ちたいからピルを飲んでいるし2人で家を買うために倹約もしているのだと話した上で、ピルが効いているか不安な体調だとフィリスに打ち明けます。
ルシルとしては今妊娠することは避けたいのは確実なので不穏な気配ではあるのですが、フィリスの頼もしさと笑顔の対応を見るとどこか安心できるんですよね。
限界を迎えたイヴォンヌはノンナートゥス・ハウスに助けを呼び、駆け付けたトリクシーにどうしても授乳が痛くてできないのだと打ち明けます。
彼女は乳腺炎になっており、抗生剤での治療が必要で相当痛かったはずですが、母親なら母乳が自然に出るものなのだという思い込みであったりプレッシャーで余計に追い込まれていた様子。
あれからサミーは食べないし寝ないし、暑い中ずっとコートを着たままだとターナー医師にこっそり話すオーリー。
収容所での左右の分岐で父親と右に行かされた自分と、左のガス室に送られた他の家族の話を聞かせてくれました。家族が焼かれる臭いを嗅いだ悪魔のような1日目の体験です。
コートは脱げてもやはり全てに怯えがあるサミーには心配が残ります。
フレッドは大量のアイスを仕入れるも冷凍庫が壊れ、暑さ厳しい中町の人々にタダでアイスを配り歩いて捌ききり、ヴァイオレットとの賭けにズルして勝っていますが、この商売っ気の無さこそフレッドだよなぁ(笑)
無料アイスのおかわりを求めて店に来たシスター・モニカに応対したヴァイオレットはフレッドの嘘に気が付き、賭けのステーキは嫌味を言いながら目の前で一人で食べてしまうまでがセットでバックル夫妻です。
マシューとデートを始める仲になっても、既婚者だった彼には既に最愛の人がいると考えてイマイチ燃え上がれない様子のトリクシー。
そんなトリクシーから話を聞いたナース・コリガンは町で偶然会ったマシューの背中を押して喝を入れるようなアドバイスを送ってくれました。素直に即実践してみせるマシューもさすが(笑)
シスター・ジュリエンヌからのお達しで、母親の精神面のケアのためにもしばらくイヴォンヌの授乳時に付き添うことになったトリクシーは彼女を訪ねるも、タイミングが良いのか悪いのか双子を連れてデリカシーのない発言が否めないアイヴィに遭遇。
きっとアイヴィはイヴォンヌが授乳のことで苦しんでいることを知らないので仕方ない話なのでしょうが、その場はトリクシーがもう帰った方がいいとだけ言って帰らせました。
その後も精神的に落ち込んでしまっているイヴォンヌは赤ん坊を乳母車ごと外に出して置きっぱなしにして自分だけ一人家の中へ。トリクシーが見に来て気付かなければどうなっていたことか。
ハウスに戻ってジュリエンヌに相談し、24時間体制で母子を世話する職員がついてくれる産後ケア施設での支援を勧め、姉の理解も得られたイヴォンヌはこの先回復してくれそうです。
尿検査の結果、妊娠が確実なものとなったと分かるとルシルには笑顔が溢れていて、なんだかんだで計画外の妊娠に喜んでいる姿にこちらまで嬉しくなります。
もちろん妊娠を打ち明けられたシリルも笑顔を弾けさせながら父親になるという事実を喜んでくれており、後は1日でも早く理想の仕事に就ければ言う事なし。シリルには喜びと同じくらいプレッシャーもかかっているでしょうが、この二人なら大丈夫でしょう。
聖カスバートの呼吸器専門医によればサミーは外因性アレルギー性肺胞炎の兆候があるそうで、ホコリや動物の毛を長期間吸い込むことが原因となれば職業柄間違いなさそう。
早期発見できたし適切な治療を行えば完治も可能ですが、二度と毛皮に触れないことが必要です。妻と子供が居るのに仕事を辞められないと狼狽えるサミーに対し、オーリーは「おじいさんはあなたを管理者にすると約束してた、きっとそうしてくれるわ」と夫な治療を後押しします。
サミーのことをずっと気にかけていたシスター・ヒルダは、ユダヤ教のラビに頼みサミーにバル・ミツバの祝いの儀式を手配し、サミーもやってみたいとのこと。
サミーもシスター・ヒルダが母親のことを思い出すと言って何度も見ていたコートの生地を使ったマフラーを贈っていたりと、めちゃくちゃ良い人なだけに平穏に過ごしてくれることを祈ります。
それぞれの信仰は違えど、それぞれが信じる形で多少なりとも心の中のつかえが取れるならやはり神は偉大なのでしょうね。
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▼次回、エピソード7