第8話
あらすじ
マシューの管理する倉庫にジョジョら若者が無断で住んでいることが分かる。マシューは彼らに立ち去るよう伝えるが、妊娠中であるクローバーは赤ん坊が生まれるまでは追い出さないでほしいと懇願する。
ネタバレ感想
トリクシーとフィリスが不在で、ただでさえ人手不足のノンナートゥス・ハウスは2人分の穴埋めのために時間に追われながら1人あたり2件の訪問が増えることになったようです。
鳥が家に入ってくると不吉という迷信があるらしく、朝っぱらからハウス内に迷い込んできたカラスを見て大騒ぎのシスターやナース達に幸先が不安になります。
特に誰かの不幸を確信したシスター・モニカは、それが自分へのお迎えなのなら備えておきたい、とスピリチュアリスト教会に通っているヒギンズさんに相談し、千里眼を持つと言われる〈グリーンハル夫人〉を紹介してもらいました。
3ヶ月に1度の地域保健委員会が始まり、はしかワクチンを接種した者に5シリングを支払うという議会の案を聞いたターナー医師は、はしかは組織的に対策をとりさえすれば根絶可能で金目当てではなく医療目的で接種すべきで必要なのは接種意欲だと声を荒げています。
お偉方は住民がワクチンを必要としていないから無駄骨になるのを心配しているらしく、ターナー医師はテスト運用をしてそれが間違いだと証明し次の委員会で発表すると啖呵を切りました。
自分の家の所有物である空き倉庫に不法侵入して暮らしている〈ジョジョ〉というヒッピー風な若者の存在を知ったマシュー。
廃ビルを我が物顔で使っているジョジョ達は外にも内にも絵を描いており、世界の捉え方や考えを表現しているのだとか。
大勢いるお仲間の中には〈クローバー〉という妊婦もおり、話にならなさそうな連中に呆れたマシューがその場を去ろうとするとクローバーが追ってきて、生き方を決めるルールに縛られず自由でいられる場所が必要だからせめて子供が生まれるまではここに居させて欲しいと懇願し、マシューも一応「わかった」と返します。
マシューは倉庫にいる無断居住者の中に臨月の妊婦が居るとだけシスター・ジュリエンヌに伝え、病院に通っていないようだと聞いたジュリエンヌはすぐに住所を控えて明日にでも様子を見に行く、とのこと。
グリーンハル夫人は助けを求めて来たシスター・モニカを拒絶しましまが、モニカはめげずにケーキを手土産に持って再び夫人のところへ。
今度は部屋の中に入れて貰えて、少し話すうちにグリーンハル夫人が今のように人を拒絶し始めた理由が分かってきました。
高教会派の格式ある家に婿入りした息子の妻がグリーンハル夫人の力を嫌ったらしく、詐欺罪で裁判にかけられた結果、唯一の肉親である息子とは離れ離れになってしまったのだそう。
そして、グリーンハル夫人は頬に酷い爛れがあるのを必死に隠していたようで、シスター・モニカに顔を見られたと分かると激昂して締め出してしまいます。
めげることを知らないシスター・モニカは、ナースとしての授けられた力こそが自分の生きる道なのだと救急セットを片手にまたまたグリーンハル夫人を訪ねて頬を診察。蚕食性潰瘍の疑いがあるとターナー医師を呼びに行きそのまま往診に連れ出します。
何年も症状を放置していて時々激しく掻いてしまうのだそうで、ターナー医師の見立てもやはりモニカと同じく蚕食性潰瘍。これは皮膚がんの一種だけれど命に関わるような深刻な病気ではないというので救われました。ただ、当然のようにこういうタイプにありがちな病院断固拒否のパターンです。
ルシルとシリルはまだまだ苦しみの渦中に取り残されております。
それにしても、流産したばかりのルシルに助産婦の仕事は精神的にキツいのではないかとシスター・ジュリエンヌが全く気が付かなかったというのは少々無理がありませんか。
いくら既婚の助産婦が少なく子供を亡くした助産婦は初めてのケースだとしても、長年助産婦としてやってきたベテランのジュリエンヌはその分流産した母親にも数多く寄り添ってきたはずで、だからこそ身近な存在のルシルの傷みを汲み取れなかった、なんてことが本当にあるのだろうかと少し違和感を覚えてしまいました。
それは置いといて、しばらくは地域保健業務のみを任されることになったようで、ルシルも休暇となると気が紛れずこの提案がベストだったようです。
紳士なマシューは寒くなる夜に備えてクローバーのためにオイルヒーターを設置しにきてやりますが、一階ではドラッグパーティーに溺れる若者達がドンチャン騒ぎをしており、二階で一人、孤独と痛みに耐えながら陣痛が来たことに取り乱しているクローバーを発見。
マシューに呼ばれたシーラがお産を手伝い、出産自体は救急車の必要もなく済みそうだったのですが、いざ生まれてきた赤ん坊は腸が外に出てしまっているショッキングな状態で、胃壁破裂症という症状だそう。
あの状態で生まれても産声を上げているところに人類の神秘を感じますし、動揺を隠して自分の持っている知識と経験を最大限に活かして対処するシーラには脱帽です。
母子を乗せてマシューの車で病院へと送ってもらい、その後なんとか赤ん坊は生き延びてくれました。
シリルとの夫婦関係さえぎくしゃくしたものになっていたルシルも、はしかのワクチン接種運動を通じてようやく自分自身の気持ちに向き合い、夫婦で話し合うことが出来たみたいです。
自分には生きる希望がないから病院には行かないと投げやりなグリーンハル夫人を訪ねたシスター・モニカは、どうやって見つけてきたのか、彼女の希望になるにはこれ以上ないほどの適役な息子の〈アーノルド〉を連れていました。これできちんとした治療を受ける気になってくれることでしょう。
前向きな気持ちになってまた霊の声を聞いているらしいグリーンハル夫人に自分のことを聞いてもらうことにしたモニカですが、なんとノンナートゥス・ハウスで不幸が起こるという不吉なメッセージ。恩を仇で返すつもりかよ、この婆さん。
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▼次回、エピソード9