エピソード1『拉致』“The Lady Vanishes”
あらすじ
マディが行方不明になり、総出の捜索が始まる。ボッシュはチャンドラー、モー、そして旧友と協力し、娘の命を救うために時間との戦いに挑む。
ネタバレ感想
冒頭で追悼メッセージがありましたが、本家のシーズン1でハリー・ボッシュの恋人で新米警官のジュリア・ブレイシャー役を演じたアニー・ワーシングが45歳という若さで亡くなられたのですね。
癌だそうで、本家の最終シーズンにゲスト出演していた時は体調的に大丈夫だったのでしょうか。
マディ・ボッシュの自宅に侵入していた連続レイプ犯カート・ドックワイラー。
新米ではさすがは警官なだけあって、マディもかなり奮闘したもののやはり男の力には抗えず意識を飛ばされてしまいました。
時間がなかったようでその場ではレイプされるという事態は避けられましたが、その代わりマディをトランクに詰め込んでどこかへと運び出す様子が。
いやいや……今やただでさえ刑事も辞めて無敵の人となったハリーの最愛の愛娘にこの仕打ち。この男過剰防衛でなぶり殺しにされる未来しか見えません。
鍵も携帯も残された無人の部屋に侵入の形跡を見て警察を呼んだハリーは現場検証に同席しています。担当は強盗殺人課のベネット刑事。
元相棒でマディとも親しいジェリー・エドガーの姿もあり、総動員で捜索に当たってくれているとのこと。
しかし、マディのこととなると暴走がちなハリーは悠長な捜査に憤慨して自分も加わるとまで言い始めています。さすがにそれは無理でしょう。
まぁ、身内最優先の警察なので新米とは言え巡査でしかも伝説の刑事の娘ですから最大限の動きは見せてくれると思いたい。
エドガーに捜査から締め出すなと頼み、その場を去ったハリーはすぐモーに連絡してワケを話し、手段は問わないからマディの口座の利用履歴を調べて映像を集めることと、携帯の履歴を調べるよう緊急の依頼を出します。
家族なだけに、口座番号や携帯番号、契約の状況など分かっているので話が早い。通話相手の特定や、SNS上でのやり取りも洗ってくれるようです。
手がかりを見つけるためマディのロッカーをチェックするエドガーとマンク。こういう時はせめてどちらか1人は女性が担当するものじゃないのか。二人にとっては家族同然で娘のような存在ではありますが。
「ボッシュ家の呪いか、全員が不幸を引き寄せる」という不謹慎な会話もマンクだと悪意を感じないのが不思議です。というか、確かにその通り過ぎるんですよね(笑)
ロッカーから見つけたマディのメモを見たエドガーは、マディの相棒レイナ・ヴァスケス巡査に話を聞きながらメモされていた聞き込みリストを一つずつ確認。
その中に、市の検査官であるカート・ドックワイラーの名前があるも、マディからその後の報告を受けていなかったヴァスケスは「マディが電話しましたが情報はなし」と答えてしまいます。しかしここでダブルチェックをかかさないのが生真面目で有能なエドガー刑事。聞き込みの情報をもらって1人ずつ当たってくれるそう。
ハリーはエドガーの邪魔にならないようにしながら、昔のツテを辿ってなんとか捜査状況を得ようと方々に連絡しており、ここでもハリウッド署の良心的存在のマンクがこれに応えて情報が入り次第連絡すると約束してくれました。
検視局の〈アーニー〉から強盗殺人課より先に情報を伝えると言って、白人女性の死体が届いたと連絡してきます。
観ている方からするとマディは絶対に死なないという安心感があるのでハラハラはしませんが、死体の確認をしに行くハリーの気持ちを思うと込み上げてくるものがあります。
やはりマディとは別人で、ホッとすると気持ちと、未だ娘は見つかっていないという現実との間で凄まじい感情の起伏があることでしょう。泣き崩れるハリー・ボッシュなんて最初で最後のことではないでしょうか。
モーの調べでは通話相手に一件だけ持ち主不明の使い捨て携帯が見つかり、犯人で間違いないと確信したハリーは相手を特定するよう指示。
他の通話履歴に何件かハニー・チャンドラーの番号もあり、ハリーは検視局からチャンドラー宅へ。
マディが連れ去られる前日にマディ宅へ行ったというチャンドラーに何か異変はなかったかと聞くと、中庭に男が居たのを玄関で見たそうです。他の住人がタバコを吸いに出ているのかと思って気にしなかったというチャンドラーの言葉に食い付くハリー。吸い殻でも見つかれば大きな手がかりとなります。
しかもチャンドラーいわく、顔を見れば多分分かるとのこと。さすが?弁護士。すぐにエドガーに連絡して似顔絵師の手配を頼みます。何故その男が犯人だと分かるのかという問いに「俺の直感だ」とハリーが答えるのを聞いて即納得するエドガーはやはり元相棒。
ボッシュレガシー シーズン2、めちゃくちゃ面白いです。
その頃マディは車の積み荷のスーツケースの中で、一瞬目が覚めて抵抗を見せるも、ドックワイラーに何らかの薬物を注射されて再び気を失ってしまいました。
エドガーとベネットはマディが連絡していた相手として名前が出ていたドックワイラーに話を聞くため自宅へ。家主は不在でそのまま帰ろうとするも、軒先で大量のタバコの吸い殻を見つけたエドガーは、『犯人はタバコ臭かった』というマディがメモしていた証言を思い出して吸い殻を一本持ち帰る有能ぶり。エドガーは有能であればあるほど盛り上がりますな。
二人の車とニアミスする形でドックワイラーは帰宅するも、分かりやすく刑事の乗るセダンを見て自宅には入らず二人が帰るのを見届けるドックワイラーの姿が。
市警が常に身に付けているボディカメラには、マディがランチの途中でドックワイラーに話しかけている映像を残されており、チャンドラーが描かせた似顔絵と見比べているエドガー。やはり有能……!!
チャンドラーに確認に行くと、この男で間違いないと断言し、すぐに自宅の捜索令状を手配することに。
マディが見つかるまで何日でも不眠不休で捜し続けそうなハリーは、これを聞いて令状を待てないから住所を教えろとエドガーに頼み込みます。
「違法捜査は犯人を逃す」とエドガーが説得しようとするも、「頼む、マディだぞ?」のひと言で住所を教え、「捜査班に見つかるな」と送り出してくれるエドガー。もうエドガーを主役にしてスピンオフを作ってもらいたいぐらいです(笑)いや、この立ち位置だからこそ輝くキャラか?
現場に着いたハリーは大慌てでガラスを割って侵入したもんですから、ドックワイラーに銃を持たせて隠れ、その場から逃げる隙を与えてしまっております。やはり応援と一緒に突入を待つ方が良かったのでは?ドックワイラーがその場から逃げてくれたからまだ良かったものの、危うく背後からズドンでしたよ。
家主不在となった家の中を探し回り、浴室の入り口に落ちていた謎の植物片を拾うハリー。
令状を取ったベネット達が向かったと連絡を貰って慌てて外に出ましたが、エドガーとの電話でドックワイラー本人が出頭したと聞かされます。
マディの居場所を教えるのは、自分が呼んでいる弁護士の到着を待って、交換条件が成立してからだと主導権を握ろうとするドックワイラー。
マスクから出た指紋やこれから一致するであろうDNA情報というレイプ犯としての動かぬ証拠があっても、生かしているマディの居場所をだしに取引しようと目論んでいるのです。なんという下衆な男か。
署に駆けつけて来たハリーは入り口でマンクに本気で止められ、出てきたエドガーから居場所は弁護士待ちだと聞かされます。
“今はまだ”生きているというドックワイラーの言葉は希望というより絶望へのカウントダウンのよう。
その頃マディはトラウマ必至な箱の中で手錠をかけられた状態で目を覚ましてパニック状態。
確実に閉所恐怖症になりそうで、見ているだけで息苦しくなってくるほど。早く、早くみつけてくれ……!
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▼次回、エピソード2