エピソード6『誤認逮捕』“Broken Order”
あらすじ
選挙から1ヵ月後、地方検事に就任したチャンドラーの初仕事は、警官殺しの被疑者を起訴することだった。ボッシュは犯行を立証するために協力する。尾行強盗事件の捜査が進展し、ヴァスケスは衝撃的な事実を知る。
ネタバレ感想
チャンドラーの当選、そしてロバートソン殺害から1ヶ月後。
ホームレスがたむろする廃屋に潜伏していた〈ディエゴ・ペラ〉が、相当な人員が動員されたSWATの突入によって逮捕されました。
もちろんロバートソン殺害事件の被疑者としてです。警官殺しに対する執念というか、捜査の力の入れようは凄まじいイメージがありますが、それでも捜索に1ヶ月かかったのか。
しかし、大勢の目撃者が居たこの事件であの殺され方となるとペラはハメられた可能性が大きいですね。
目出し帽を被っていた強盗犯はペラと同じ背格好で、ペラが起こした過去のタコス強盗6件と手口も同じで線条痕が一致する銃はバッグに入れられ恋人の家に隠されていた。しかし、銃撃戦になったのは今回が初めてのことでパターンが違います。
地方検事となったチャンドラーは慎重で、ペラが相手が警官だと知っていた証拠固めが整うまで早まった起訴はしない方針で、その分早く証拠が固まるようにと潜入捜査の許可を出しました。
潜入といっても、敵のアジトに入るようなイメージではなく、勾留中を装った潜入捜査官が犯罪者仲間のフリで証言を引き出そうというもの。
タトゥーがゴリゴリ入ったコワモテの潜入捜査官の誘導に対し、ペラは「タコストラックは何台か襲ったが誰も殺してねぇし現場にすらいなかった。家で寝てたんだ、あの夜はベロベロに酔ってた」と主張したところでペラが弁護士を呼ぶ権利を行使してタイムアップに。
ペラが雇った弁護士は、10年来の仲間だったはずが警官殺しの被疑者側へと寝返ってしまった〈L・ローマン・ストールワース〉という実力者。
ストールワースから面談を申し込まれ「ディエゴ・ペラは無実だ、ロバートソンを殺してない」と聞かされたチャンドラー。それと一緒に見せられたのは、酔っ払ったペラがバーから帰宅する様子が映った隣人宅のカメラ映像で、その12分後にシラフの男が家から出てくる様子が映っていました。
さすがに誤認逮捕の可能性が出てきて、チャンドラーはこの映像をボッシュに見せて相談。
ロバートソン事件の捜査資料のコピーも内密に渡し、並行して市議のカーリーの件もモーに調査を依頼しています。
警察本部長からは早く起訴しろと圧をかけられるだけでなく、身内からもあまりの慎重さにウンザリされているチャンドラーですが、映像に反論できるだけの証拠がなければ安易に起訴には踏み込まないところが、伊達に敏腕弁護士として公権力相手に賠償金を踏んだくってただけあるな、という感じ。
証言をした目撃者を1人ずつ当たり直していたボッシュとモーは、〈シェリル・ブラッドリー〉の恋人で事件当時一緒にいた〈ジェイソン・スウィフト〉の証言がまともに取られていないことに目を付けてジェイソンに話を聞きに行きました。
ジェイソンはロバートソンの死の直前の行動を見ていて再現までしてくれて、「左の後ろポケットに手をのばして財布を出そうとし、ただ“落ち着け”と。そしたら撃たれた」と話します。
過去の強盗で一度も撃ってないヤツが警官を撃ったという点に疑問を感じるボッシュ。事件現場周辺の監視カメラは1箇所からのみしか撮影ができておらず、録画さえできていれば現場を見渡せたであろう他のカメラは“BO”つまり故障中だったという記録も。
相当計画的な犯罪の匂いがしてまいりました。
質屋で盗品を換金しようと現れた〈ネスター・ゴメス〉の身元が割れ、以前ネスター名義の車を運転していたところをヴァスケスとマディが一時停止違反で車を止めて違反切符を切った〈ヴィクトリア・ヘルナンデス〉との繋がりも芋づる式に浮上。
ヴィクトリアも働く親の店に警官として出向いてネスターが尾行強盗の被疑者になっていることや、仲間だと疑っていること、フォーチュンという通り名も把握していることを話して揺さぶりをかけ、彼女の携帯を監視します。
ヴァスケスとマディが店から出てすぐにヴィクトリアは使い捨て携帯宛に『LGに8時』というメッセージを送っており、レモン・グローヴ公園での張り込みも任された2人。
ヴィクトリアが現れ、張り込み前から居たネスターではない別の男と合流して会話している所を近付いて監視していたヴァスケスは、フードを取ったヴィクトリアの恋人であろう男が自分の甥っ子だと気付きました。
ネスターと会っていたわけではないので、現行犯逮捕とはならず、マディから相手を聞かれて「暗くて顔が見えなかった」と誤魔化すヴァスケスは報告書も自分が書くと言い張っております。まさかの身内がホシだったとは。
これまで身内との板挟みで苦労していたのはいつもマディの方でしたが、ヴァスケスはこれを知ってどう出るのか……。
チャンドラーに捜査状況を報告したボッシュ。ロバートソンは銃ではなく財布を出そうとしていたところを撃たれたこと、カメラがあったけれど殺人の前夜に壊されていたこと、犯人は恐らく警官だと知っていて撃ったことを話します。
直感的にどう思うか聞かれ、「ロバートソンは暗殺された」と答えました。
ロバートソンが暗殺された……恨みがあるとすればアーチャーの差し金なのか??
捜査の目を遠ざけようと別件で警察が全力を注ぐであろう警官殺しを起こして、その罪は周到にペラに被せるよう仕組んでいた尾行強盗界隈の関与があるものかと思っていましたが、ボッシュの嫌疑を晴らす捜査資料を間接的に世間に公表されたせいで自分の失脚に繋がった原因であるロバートソンをアーチャーは憎んでおりましたっけ。
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▼次回、エピソード7