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12モンキーズ [DVD]

12モンキーズ

あらすじ

いつも同じ夢だった―空港を駆け抜ける男。膝から崩れ落ちる男。とり乱す女。それを見つめる少年…。 21世紀初頭、全世界に蔓延したウイルスによって、人類は絶滅の危機に瀕していた。生き残った人々は地上を追われ、地下での生活を余儀なくされた。 2035 年、科学者グループは原因を探るために調査を重ね、その謎に“12モンキーズ”が関わっていることをつきとめる。囚人ジェームズ・コール(ブルース・ウィリス)は、特赦を条件に“12モンキーズ”の調査を命じられ、ウイルスが蔓延しはじめた1996年に送りこまれるのだが…。ウイルス発生の鍵を握る“12 モンキーズ”とは一体何か?知られざる化学兵器か?秘密の軍隊か?それとも…?そして、人類の行く末は…。

人類絶滅の危機を救うべく、22世紀から現代にやって来た男の姿をスペンスフルに描いた、時間旅行テーマのSF映画。仏の映像作家、クリス・マルケル監督の名作短編「ラ・ジュテ」(62)にヒントを得て、「ブレードランナー」「許されざる者」のデイヴィッド・ピープルズと妻のジャネットが脚本を執筆、監督には「未来世紀ブラジル」「フィッシャー・キング」のテリー・ギリアムがあたった。製作は「どんな時も」のチャールズ・ロヴェン、エグゼクティヴ・プロデューサーはゲイリー・レヴィンソン、ロバート・コスバーグ、ロバート・キャヴァロ。撮影は「バットマン(1989)」「永遠の愛に生きて」のロジャー・プラット、美術は「ダンス・ウィズ・ウルブズ」のジェフリー・ビークロフト、編集は「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のミック・オーズレイ、衣裳は「テキーラ・サンライズ」のジェリー・ウェイス、視覚効果監修はケント・ハウストンがそれぞれ担当。音楽は「フレンズ」のポール・バックマスターで、バンドネオンの印象的なテーマ曲はタンゴ界の第一人者アストル・ピアソラ、エンドテーマ曲はサッチモことルイ・アームストロングの歌う『ワンダフル・ワールド』。主演は「ダイ・ハード3」のブルース・ウィリス、「バッド・ガールズ」のマデリーン・ストウ「セブン」ブラッド・ピット。共演は「女神たちの季節」のクリストファー・プラマー、「インディアン・ランナー」のデイヴィッド・モース、「バットマン」のフランク・ゴーシン、「カリートの道」のジョン・セダほか。

ネタバレ感想

全世界に蔓延したウイルスの影響で地下での生活を余儀なくされた人類の生き残りがその原因を探るために過去へとタイムトラベルで派遣されるサスペンス仕立てのSFムービーです。

これが95年に作られた映画なのかとひたすら感心します。

もちろん未来っぽさの演出なんかは多少古臭さはあります。が、それを差し引いても革新的な何かがありました。時系列が進行形で入れ替わったり、伏線が張り巡らされていて緻密で複雑な構成でありながら意外と分かりやすく観せてくれているのです。

本当に時を遡っているのか、12モンキーズとは一体何を目的としているのか、人類滅亡という分かりやすく信じ難い予言、いかにも怪しげな未来の科学者達、これは夢か現実か…様々な面で憶測を立てられて飽きさせない展開が素晴らしい。

そしてやはり目立つのがジェフリー役ブラッド・ピットのキレッキレな怪演。こんなのも出来るのか…とこれまた感心してしまう。ブラピの体当たりムーニングが見られるのはここだけではないでしょうか(笑)

 

カサンドラ症候群を想起させる「カサンドラ」というワードが数回出てきていたので、自分が精神的におかしいと認め始めたジェームズと反するようにどんどんジェームズを信じ込んでいくキャサリンの方こそが精神異常に陥ってしまっていたというような展開かとも思いました。これが狙ったミスリードなのか深読みのし過ぎなのかは定かではありませんが。

カサンドラ症候群カサンドラしょうこうぐん、: Cassandra affective disorder)、カサンドラ情動剥奪障害カサンドラじょうどうはくだつしょうがい、: Cassandra affective deprivation disorder)」とは、アスペルガー症候群の夫または妻(あるいはパートナー)と情緒的な相互関係が築けないために配偶者やパートナーに生じる、身体的・精神的症状を表す言葉である

アスペルガー症候群の配偶者や家族がアスペルガー症候群の行動の影響を受ける状態は、もともとは「鏡症候群」と言われていた。非アスペルガー症候群の家族は、常に一緒に生活するアスペルガー症候群が表すペルソナ(外的人格)を、少しずつ長い時間をかけて映し出すようになる。孤立し、誰からも正当性を認められない

劇中で「カサンドラ異常心理」は「未来の災害を予言する」とされていましたが、これはそのままギリシャ神話に登場するカサンドラというトロイの女王が太陽神アポロンに愛され予知能力を授けられるもその能力で将来アポロンに捨てられるという未来を予知したことからその愛を拒絶、怒ったアポロンから「カサンドラの予言を誰も信じない」という呪いをかけられ、真実を知って伝えても、人々から決して信じてもらえなかった。という神話をモチーフとしたものでダイレクトにジェームズの事を指しているようなものでした。

別のシーンでジェームズが納屋に隠れて騒ぎを起こした少年のニュースを聞き「オオカミ少年」の話を持ち出しますがこれもまた「カサンドラ異常心理」と似通う部分があります。

 

どんどんと過去と未来が繋がっていく部分にゾクゾクしたり、これはバッドエンディングなのかグッドエンディングなのか…という考察の余地を残したジェームズの運命も見どころです。

ラストではジェームズから逃げ切りウイルスを持ち込んだまま飛行機に乗り込み座席につこうとする助手の隣に未来の科学者のおばさまの姿が。親しげに話しかけるのを見て一瞬「グルだったのか…?」と混乱しましたが「救済保険業をしているの」との自己紹介があり、ジェームズが任務に失敗した時の「保険」という意味なのでしょうか。

そしてエンドロールで流れるのはお馴染みルイ・アームストロングの「ワンダフル・ワールド」。邦題「この素晴らしき世界」ですよ。敢えてのこの曲をチョイスするという皮肉っぽさがこれまた好きでした。

評価(平均点高めの設定です。)

  4.5 /5 点!

緻密に作られており、一度見ただけではきっと全ての伏線を回収し切れていないなと感じさせられます。ラストシーンを観た上でもう一度別の視点から見てみたいと思える作品です。

概要

監督:テリー・ギリアム

時間:2時間10分

配給:松竹

公開年:1996年

12モンキーズ(字幕版)

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  • 発売日: 2016/03/16
  • メディア: Prime Video
12モンキーズ [DVD]

12モンキーズ [DVD]

  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
  • 発売日: 2002/02/21
  • メディア: DVD
12モンキーズ [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: 松竹
  • 発売日: 2011/01/26
  • メディア: Blu-ray

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