エピソード11『パイソン 前編』”eps2.9_pyth0n-pt1.p7z”
あらすじ
アンジェラが意外な人物と知り合いに。エリオットも右に同じ。ドムは興味深い一問一答に参加する。
ネタバレ感想
度重なる乱射騒動にはダーク・アーミーが絡んでおり、ただのテロ事件に留まらず戦争に発展しかねないと事態を危惧する返り血まみれのディピエッロさんは、長官に報告の上、軍を動かすべきだと上司に訴えます。その血は誰のものなんですかね…。
プライスの要求が叶ったようで、中国がE・コープ救済のため無金利で2兆ドルを融資される事が発表され、このタイミングでの政府同士の和解には間違いなく裏があると読むも、どんな罠だろうと今の世界規模の危機的経済状況を鑑みれば政府が2兆ドルもの融資をみすみす逃すはずがなく、一介のFBI職員では色々と止められそうにありません。
実際にこの陰謀に一枚噛んでいるプライスは、通貨を作るのは政府であり、Eコインでドルで出来ない額の融資を行うなんて違憲行為にあたると猛反発を受けながら、実際に歯止めの効かない現金の存在価値低下というイレギュラーな事態に陥っていればこっちのもの、といった感じで金融界再建を盾にごり押し出来そうな感じです。こうして金融から世界を牛耳っていく算段だったわけですか。
地下鉄でアンジェラの前に立ちはだかった男女二人組は警官やFBIではなさそうですが、彼らに携帯を没収されたアンジェラは大型バンで拉致され小綺麗で整然とした屋敷の一室へと静かに連れ込まれ軟禁状態です。
鯉が泳ぐ巨大な水槽の他には、旧型のパソコンや電話、アンジェラのデスク周りを思い出させるような自己啓発系のポスターなどが飾ってあり不思議過ぎる空間に見えます。
そして現れたのはアンジェラと同じく長いブロンドを高い位置でポニーテールに結びキビキビとした話し方をする謎の少女。
「始めましょ、あの水槽の水が減ってくから時間がないの」と言ってキーボードを操り旧型パソコンを起動させると、画面には『ランド・オブ・エコデリア』の文字と宇宙?月?の画像が浮かび上がりました。
「セックス中に泣いたことは?」と訳の分からない突飛な質問をされ、アンジェラが答えるはずもありませんが、少女は「答えてもらえないとお仕置きされる、叩かれるの」と言って洋服をまくり上げ背中に残る生々しい無数の傷痕を見せます。
そこへ電話がかかってきて少女はまた同じ質問を繰り返しました。アンジェラが「ない」と答えると次には「父親殺しを妄想したことは?」の問い。再び「ない」の答えで次へ。
「キリンとカモメなら?」「赤と紫なら?」とよく分からない質問が続く間に水槽の水位は半分ほどに。
「鍵は部屋にある?」と問われ何のことか分からず聞き返すアンジェラ。そしてまた電話が鳴り、今度はアンジェラに代わるよう指示が出ると電話の相手は「暗くて何も見えない部屋でたいまつとマッチがあればどうする?ーたいまつの火で目の前にドアが見えた、どうする?ーどう開ける?ーノブが回らない、どうする?…」と繰り返し、アンジェラがヤケクソになりながら「鍵よ、鍵でドアを開けるわ」と返すと「ありがとう」と一言残して電話は終わってしまいました。
そしてまた再び「鍵は部屋にある?」の質問。
机の上にあったウラジミール・ナボコフ著『ロリータ』に気付いたアンジェラは、「あるわ“鍵は手の中に、手はポケットの中”」と答えます。
少女は回答を入力し終えるとフロッピーディスクを抜き取り「結果を持ってくる」と部屋から出て行ってしまいました。
水槽の水が空になり鯉も息絶えてしまった頃、部屋に入ってきたのはなんとなんとホワイトローズ姐さんです。おもむろにタバコに火をつけ「あなたとの会話に使えるのは28分間よ」と話し始めます。これまでのホワイトローズを見ていると28分ってそこそこ長く時間割いてくれるやん、と基準が麻痺しつつある感想を抱いている自分に気が付きます(笑)実際に『特別待遇』らしいですし。
「4時間もいたのに外に出なかった」と言われていましたが実際に鍵なんてかかっていなかったって事でしょうか。扉には鍵が掛かっているだろうと思い込み試す事さえしなかったアンジェラを怠惰だと遠回しに言ったように聞こえました。
さらに子供に暴力を振るうなんて最低だと非難されれば「メイクよ、感情移入度やダマされやすさを測った」とアンジェラを実験対象にしていた事を明かします。
情報を公開されては困るし普通なら殺しているところらしいのですが、ホワイトローズの計算では90日前に死んでいて当然だったアンジェラが期限を超えて生き延びた上にどこにでも顔を出すものだから「フィリップ・プライスが特別視する理由を知るため」にも会ってみる事にしたらしいです。
唐突に出てきたエリオットの名前に食い付くアンジェラですが、エリオットの父親と自分の母親の死は人類が進化するという大義のための生贄であり、すべての交差点にいるアンジェラを殺しはせずとも、アンジェラがこだわっている使命を必ず諦めさせてみせる、と言われて意外にも恐怖で涙を零してしまいました。
「データは渡すから解放して」と頼んでも「バカな正義感のために動き回れば工場のデータは今後も手に入るわ、復讐心を動力源としていつか私の計画を潰すかもしれない、証拠などいらない、欲しいのはあなたの信念」と返す自称時間に忠実な女。この人にとっていとも簡単な事でしょうに何故アンジェラを生かしておくのか、その動機がいまいちよくわかりませんでした。
突然姿を現わさなくなったミスター・ロボットを、逆に俯瞰視点に立つ事で先回りして見てやろうと考えたエリオットは『脳は覚醒、体は睡眠』と繰り返し意識しながら眠る事でその状況を手に入れます。
こうしてもう一人の自分に意識させる事なく観察する事に成功したエリオットは、ミスター・ロボットが『赤い手押し車バーベキュー』という店のデリバリーメニューチラシに書き込まれた暗号のような数字の羅列を食い入るように見ている姿を確認しました。
文字を数字で表しているという単純な暗号の中には更に仕掛けが施されており、最終的に解読できた電話番号にミスター・ロボットが発信すると、電話の向こうから「8番街の25丁目でタクシーが待っている」とボイスチェンジャーの声が聞こえてきます。
すぐさま家を出たミスター・ロボットを追いかけるも見失ってしまったエリオットでしたが、「違う、思い出せ、追いかけてない俺がヤツなんだ“俺はどこへ?”が正しい」と思い直すと、待っていたタクシーに乗り込み、運転手から行き先を問われるも分からず困惑する事に。
と、そこへ乗り込んできた男が「チャーチ通りへ」と行き先を告げます。
その男はもちろん…タイレル・ウェリックです。ようやくか!
自分が殺したと思い込んでいる相手が目の前に現れ、自身のおかしさを理解しているエリオットは見えているものは信用できないと考えながら呆然。
タイレルの方は至って普通に「今僕らが会うのはとても危険なことだ、でも僕らは影響力の高い協力者のおかげで守られてる」と声をかけ、運転手に「彼が見えてる?俺の隣に居る男だ」と確認を取るエリオットに苦笑するも、現実か妄想か分からず混乱し暴走したエリオットとの運転手を巻き込んだ問答で二人ともタクシーを降ろされてしまいました。
「すべて忘れたのか?第二段階の準備が整った、君も見たら喜ぶさ」と不敵な笑みを見せるタイレルは、エリオットをどこかへ案内するのでした。
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▼次回、エピソード12