何かとサバイバル。

洋画と海外ドラマ B級グルメがすき。

海外ドラマ≫≫Philip K. Dick's Electric Dreams フィリップ・K・ディックのエレクトリックドリームズ シーズン1 1話ネタバレ感想

真生活

エピソード1『真生活』”Real Life”

あらすじ

未来の女性警察官が、聡明なゲームデザイナーと頭脳を共有し、恐ろしい計画を立てた暴力的な殺人鬼たちを追跡する。時間と闘う2人の間に誰も知らない絆が生まれるが、彼女たちを結ぶ装置は、命の危険をもたらすものでもあった。

ネタバレ感想

SFモノは苦手ながら、『トータル・リコール』や『ブレード・ランナー』といった超有名大作の原作者フィリップ・K・ディックのシリーズ作品でなおかつ日本ではアマゾンプライムビデオでしか見られない非常に高評価なドラマとあれば興味をそそられます。

全10話から成る、短編作品を基にした1話完結形式の物語とのこと。シーズン1でしかも10話きっかりで完結しているというお手軽さも魅力です。

それぞれの短編には原作があるので該当作品が収録されている書籍のリンクを貼っておきます。

原作:『展示品』 “Exhibit Piece”(1954)

不思議とSFを凝縮させたようなオープニング映像が印象的です。

舞台は近未来、何気なく映る街並みや、自動で走る空飛ぶ車といった『斬新な未来像』ではないものの、それを凌駕する芸術的な美しさには圧倒的なクオリティを感じます。

女性警官〈サラ〉は、ある殺人事件の捜査中で〈コリン〉という男を追っているのですが、ストレスフルな状況を心配したレズビアンの妻〈ケイティ〉から『人生の休暇』として、ある装置の使用を勧められます。

それは夢の中で体感するかのごとく、「全く別の人間の人生を現実として受け入れられる」仮想世界に入ることができるというもの。

いざ装置で『人生の休暇』を体験してみれば、そこは楽園のようなパラダイスではなく、黒人男性〈ジョージ・ミラー〉視点で、相棒の〈クリス・ギンズバーグ〉と〈コリン〉を殺しに行こうとアジトに乗り込む最中というバイオレンスな状況でした。

自身が設立したアヴァコム・データシステム社で働くジョージは、妻を殺された過去を持ち、そのトラウマに悩まされております。

次第に妻の記憶が蘇ってくれば、妻の名や姿は現実のサラの妻でもあるケイティそのもので、仇のコリンについても二つの世界で少しずつ形を変えながらも人物が共通しているのです。

次第にサラは、絵に描いたような近未来で美しい妻とセレブ暮らしをする自分は恵まれ過ぎて「自分にはもったいない」と考えるように。そしてその考えが、多大なストレスに晒されてトラウマを背負った一人の男の方こそ現実味があって自然だと思い込み始めます。

最終的にジョージの世界で不倫相手の女性にどちらの世界が現実なのか考えれば分かるはずだ、残りの人生をレズビアン妻と逃避して過ごすか、ここに残って現実と罪を受け入れ自分と過ごすかの選択を迫られると、サラである自分こそが虚構の存在だと確信しVR装置を破壊するのでした。

合間合間にはどちらが本物なんだと不安になりますが、ここまでくればご想像通り現実だったのはサラの方で、回路の遮断により肉体は寝たきりとなり、永久的に仮想世界を彷徨い続ける事になったサラを必死に起こそうとするケイティの姿が。

自分を自分たらしめているのは一体何なのか、これは考えさせられる…たしかにこの状況なら、というより人間誰しも不幸度が高い方が現実だと思いがちなのではないでしょうか。

罪の意識を感じたいだとか何かに縛られている方が安心感を得やすいだとか、人間の根底にある心理を上手くついたシナリオです。

映画『インセプション』好きには見てもらいたい作品でした。

あと、ジョージのどこか女性っぽさを感じさせる演技が意図しているのか定かではありませんが凄いな…と思いながら見入ってしまいます。

▲もっと気軽に、笑える仮想世界を楽しみたい方には同じくアマゾンオリジナルで視聴できる『アップロード』がオススメです。

人間狩り (ダーク・ファンタジー・コレクション) [ フィリップ・キンドレッド・ディック ]

真生活

真生活

  • メディア: Prime Video

Amazonプライム・ビデオでも視聴できます。

月額500円でプライム会員になれば、会員特典対象の映画やドラマ、アニメ、Prime Original 作品が見放題。30日間のトライアル期間でお試しも可能。

▼次回、エピソード2

axxi.hatenablog.com

プライバシーポリシー