エピソード8『削除しないで』”eps3.7_dont-delete-me.ko”
あらすじ
ドロンしようとするエリオット。役に立つかはともかく今日は特別な日。
ネタバレ感想
腕を骨折した少年エリオットが、父親に連れられぶーたれながら映画館に来るもポップコーンをばら撒きながら倒れてしまった父。
しかしエリオットは無言で父親の上着を手繰り寄せその場から立ち去り、上着を羽織って映画を見るというあまりにも病んだ行動を取ります。誰も居ない隣の空席に話しかける素振りを見るに、あれがエリオットの中に初めてミスター・ロボットが出た瞬間だったのでしょうか。信頼していた父親に落とされたという事実や今にも死んでしまいそうな病に侵され倒れた父親からの逃避と希望が生み出してしまった産物です。
ダーリーンと共に無罪放免になったエリオットですが、かつて仲間だったモーブリーとトレントンが始末されたとの報道を受け『全消去』を行うも、「削除するのは俺自身とミスター・ロボット」と決意すると父親の上着をゴミに出すのでした。
さらにまたクスリ漬けの日々に戻ろうとしているのか、自ら命を断つ手段か、売人から在庫を一掃させるほど大量のモルヒネを買い占めます。
次に訪ねたのはモーブリーの兄の家で、「お別れを言いたいんだ、どこへ行けばいい?」と尋ね、弟がテロリストだと信じ自分自身もとばっちりを受けた兄は当然モーブリーへの怒りが大きく、報道がウソだと伝えても聞き入れてはくれませんでした。
トレントンの自宅にも向かうと、街を出ようとしている最中の家族に出会い「娘さんは無実だ」と話し、トレントンの父親も「娘は犠牲者だ、ハメられたんだ、今は何でもムスリムのせいになる」と返します。
その場を後にしビーチに腰掛けモルヒネの袋を取り出したエリオットですが、なんとトレントンの幼い弟がついてきてしまったようです。
尾行してきたという弟は、一人では帰れないと言いエリオットの横に座るのでしょうがなく家まで送り届ける事に。
しかし親は留守で自宅は施錠されており、行き先を聞くと2時間はかかるコネティカットのダンベリーだと答える弟。
映画館に連れて行ってと頼まれ、一人残して立ち去るわけにもいかずしずしぶ小さなシネマに足を運びます。
そこでは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のリバイバル上映がされており、世代からしてこの名作を知らず『オデッセイ』にしようと言った幼い弟に「見るからに駄作だろ」と言い放つエリオットに笑えました。
かつて父親がやってくれたようにポップコーンにm&m'sのチョコを混ぜてやるエリオット。この食べ方、味はどうあれ今度絶対にやってみたいことのリスト入りしました(笑)
どういう話か聞かれエリオットが説明に困っていると周りの作品ファン達が話しかけてくるのですが、「単純に一つの間違いで世界が変わる話よ」という焦点は大きく見ればエリオットの状況にも重なります。
しかし上映中にトレントンの弟は姿を消し、一人で映画館から出て行ってしまったらしいのです。
モスクに居るのではと考えたエリオットは、通りかかったアイストラックの親父に乗せてもらって近くにあるモスクを目指すのですが、この車内で『宇宙戦争』の音声が流れており「世界の終末の話だ」と言ったエリオットに対し「違うな、確かに混乱は起こるが最終的には人類が生き延びる」と答えたおじさん。この些細な答えもまた、エリオットの行き着く先を変えさせる事に繋がるのかもしれません。
案の定モスクに居た弟は、姉の死を自分のせいかもしれないと悔やんでいます。「お前のせいじゃない お前は悪くない、姉さんもだ 何もかも俺のせいだ 自分や姉さんじゃなく俺を責めろ」と言い聞かせた後、弟を家まで連れ帰りました。
トレントンという通称は弟の生まれ故郷から取ったものだと分かり切ない気持ちが強まります。
弟は実は鍵を持っていたらしく、まんまとしてやられたエリオットですが、名前を聞かれ友達となった二人は「引っ越す前に『オデッセイ』を観に行こう」と約束しました。
この小さく小生意気な少年が知らず知らずのうちにエリオットの自殺を止めてくれたようです。
一度全てを失う決心をした男が思い直してからのなりふり構わない強さが見れそうな展開ですね。
再びモーブリーの兄の元を訪ねたエリオットは、今度こそ引き下がりません。事前にきっちりハッキングを済ませ脱税の弱みをダシに揺すり、キチンとモーブリーの葬式を出させ「手を抜くな、俺を招待しろ」と言います。
オカマのドラッグディーラーはモーブリー兄御用達だったようで、買い占めたモルヒネを丸ごと渡しこれをまたあのオカマに売りつければ葬式代以上になるぞと付け足しました。
次に向かったのはアンジェラの自宅です。
扉越しに幼い頃やっていた願い事ゲームを思い返し、いつもゲームの最後に目を開ける前アンジェラが言っていた「何が起きても私たちは心配ない」の一言に救われていたと話します。
自宅に戻ると捨てたはずのゴミは戻され、親父の上着も捨てる覚悟だったフリッパーも壊してしまったパソコンも取り戻し、ここから仕切り直しです。
パソコンにログインすると、『削除しないで』というタイトルのついたトレントンからのメールが。「自分が戻らなかったら信頼のできる人にメールが自動送信されるようになっている」と話していたトレントンですが、その相手がエリオットだったのもなんだか熱くこみ上げてくるものがあります。
「あの攻撃を帳消しにできるかも」という内容のメールで今後がまた一つ大きく左右されそうです。
Mr. Robot: Season_3.0 [Regions 2,4]
- メディア: DVD
▼Amazonプライム・ビデオでも視聴できます。
月額500円でプライム会員になれば、会員特典対象の映画やドラマ、アニメ、Prime Original 作品が見放題。30日間のトライアル期間でお試しも可能。
▼次回、エピソード9