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海外ドラマ≫≫Philip K. Dick's Electric Dreams フィリップ・K・ディックのエレクトリックドリームズ シーズン1 8話ネタバレ感想

ありえざる星

エピソード8『ありえざる星』”Impossible Planet”

あらすじ

安っぽいツアーばかりを請け負う2人のもとに、もうろくしたと思しき老女が現れ、地球へ戻る旅をリクエストする。だが彼らにとって地球の存在は、伝説に過ぎなかった。良心の呵責にさいなまれながらも、老女を別の場所に案内してごまかそうとする彼らだが、やがて、ほろ苦いサプライズが…

ネタバレ感想

原作:『ありえざる星』 “The Impossible Planet”(1953)

しがない宇宙旅行会社に突如、聴力のない婆さんがお付きのロボットを従え、もはやその存在すらなくなった『地球』へ行くため宇宙船をチャーターしたいと現れました。

この婆さん、婆さんも婆さんで342歳になるキングオブ婆さんなのです。金銭的にはかなり余裕があるのか、老い先が短い分遺す物など要らないのか、適当にあしらおうとした旅行会社の職員二人が手のひらを返すほどの破格の報酬を現金で支払うとのこと。

2000ポジティブの額を聞いた〈アンドリュース〉は、会社には報告せずに地球に似通った適当な惑星へと老婆を連れて行き、1000ポジティブずつ山分けしようと同僚の〈ノートン〉を必死に説得します。

というのも2人居なければ操縦が出来ないらしく、5年分の給料に相当する大金を手に出来るチャンスを逃したくないアンドリュース。

かねてから異動願いを申請していたノートンは下手な事をして異動の可能性を潰したくないと断っておりましたが、口論の途中で恋人〈バーバラ〉からかかってきたビデオ通話で、胡散臭い上司から異動を却下されたビデオメールを見るように言われ、バーバラ本人からもかなり冷たく罵られてしまい、やけくそでアンドリュースの案に乗ることに。

でっち上げた惑星を地球と偽り目的地に設定するも、老婆〈イルマ〉から地球に行きたい理由でもある祖父母の思い出の土地カロライナについて聞かされたり、従者ロボットから心臓を患っているイルマはあと2ヶ月の時間しか残されておらずこれが最後の旅になるのだと聞かされ、さすがに両親の呵責に苛まれる事となったノートン

長旅の間にイルマとプライベートな会話になったノートンは、彼女から恋人のバーバラを愛しているのか問われ言葉に詰まる場面も。そして断片的に出て来る暖かい日常の光景や次第に近付いていくイルマとノートンのただならぬ雰囲気も気にかかります。

 

操縦室に入り込み、この船の目的地が地球ではない別の惑星だとロボットが知ってしまった時はどうなるかと思いましたが、何故かこのロボットはこれを黙っているばかりか彼らの助け舟になるような発言をしたのはロボットなりに主人を気遣ったという事でしょうか。

 

無理な着陸要請に応えたばかりに宇宙船は故障してしまいますが、イルマの願いを叶えようとノートンは緊急用の体験スーツを着込み、危険な惑星へと老婆を連れて降り立ちます。

何度か出てきた〈ビル・ゴードン〉とはイルマの祖父でもあるのですが、彼の記憶であろう光景が何故かノートンにもフラッシュバックしており、写真に遺された容姿もビル・ゴードンそのものなノートンはイルマの祖父の生まれ変わりだったのでしょう。

そして異常なまでにイルマに惹かれるノートンと2人のやり取りを見る限り、イルマにもまた祖母の記憶が根付いているようです。

酸素が尽きた二人は最期を迎えてから思い出の地での再会を果たした、という解釈で良いんですかね?

なんというか…良い感じの話なんですけど、詐欺師を自覚して打ち明けると言いながら結局言わずじまいで終わったり、イルマの出で立ちや言動にちょっとしたホラーを感じるし、二人は確かに運命の絆があるのでしょうけど、いかんせん記憶の回復の見せ方が弱いせいかノートンがマインドコントロールされてバーバラを一方的に切り捨てたようにも見えるし、従者ロボットとアンドリュースはどうなったのかも地味に気になるしで、狙っていただろう時空を超えた感動のラブストーリー!みたいな感想は抱けず…むしろ個人的にはモヤっとするエピソードでもありました。

地図にない町[ フィリップ・K・ディック ]

ありえざる星

ありえざる星

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▼次回、エピソード9

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