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海外ドラマ≫≫Philip K. Dick's Electric Dreams フィリップ・K・ディックのエレクトリックドリームズ シーズン1 9話ネタバレ感想

地図にない町

エピソード9『地図にない町』”The Commuter”

あらすじ

交通局の平凡な駅員が、ある日、一部の乗客たちが存在しないはずの町に向かっていることを知る。あとをつけてみると、そこには別の現実世界が… 彼自身も、妻と厄介者の息子をめぐる困難な状況に直面する。

ネタバレ感想

原作:『地図にない町』 “The Commuter”(1953)

良い感じの『どういうこと?』感が味わえる不思議回でした。異世界物やパラレルワールドなんかが好きな方にはハマるのではないでしょうか。

しがない駅員の〈エド〉は毎日毎日鬱憤の溜まりそうな仕事を労られたり感謝されたりするでもなくこなし、家に帰れば精神障害持ちの息子〈サム〉の暴力性に恐れすら抱いております。

ある日仕事中に、存在しない『メイコン・ハイツ』駅行きの切符を買いたいと話す女性と出会いますが、そんな駅はないのだと説明している最中に彼女はまるで消えるように姿を消してしまいました。

不可解に思いながらも同僚にその話をし、また翌日現れた彼女はありもしない駅の話をしながら、同僚とエドの目の前から消え去ります。

引き寄せられるように彼女が話していた時刻の電車に乗り込み、他の乗客に倣って電車から飛び降りたエドが見たのは、全てが上等で幸福に溢れ返った町でした。

何が起こったのか果たして現実だったのか、曖昧なままに帰りの電車に乗って家へ戻ると悩みの種だった息子の姿がないどころかその存在すら無かったことになっております。

メイコン・ハイツに行って以来、周囲の人々は親切で、仲睦まじい妻と二人きりの人生という以前とは180度変わった充実感のある日常に変化しています。

メイコン・ハイツを調べてみたエドは、この町について書かれた記事に辿り着き、ジャーナリストと連絡を取ります。

そこでこの記事を書いたメイコン・ハイツ建設を目指すも失敗に終わり自殺したとある夢想家の娘が例の女性〈リンダ〉だと知る事に。

メイコン・ハイツに足を運びながらも、息子の存在がチラつくエドは、これは現実ではなくサムを返して欲しいとリンダに迫ります。

メイコン・ハイツにいる人々は、皆何かしら現実世界で負の感情を募らせ理想郷に逃げ込み留まり続けている存在でもあるらしく、ここでしか生きていけないと話した男性の表情には哀しみが滲み出ていたのが印象的です。

この先息子の症状が更に悪化し、今よりも酷い事になるかもしれない、それを理解してなお息子の存在そのものが大切なのだという愛情に気付けたエドは自らの意思で元の世界に戻る事ができましたが、考え方一つの差でその人生にはこれまでとは違った輝きが見えてくるのでしょう。

そしてリンダもまた、父親を亡くした現実から目を逸らしメイコン・ハイツの亡霊のような存在となっているのかもしれません。

人間以前  [ フィリップ・K・ディック ]

地図にない町[ フィリップ・K・ディック ]

地図にない町

地図にない町

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