エピソード3『戦争行為』“Senso Koi”
あらすじ
ジュリアナと田上はフィルムの謎を探る。そしてジュリアナは、旧知の人物と再会する。サンフランシスコでの報復行為が収束したため、チルダンはサンフランシスコに帰りたいと思っている。しかし新たな恋の可能性が生まれたエドは、中立地帯を去りがたい。ある情報をつかんだ木戸は、行動を起こし始める。トーマスを描いたドキュメンタリーの上映会で、スミスは自分が大ナチス帝国の上層部に称賛されていることを知る。
ネタバレ感想
スミス大将はヘレンのやらかしを聞き、アリスの死を強盗による仕業に偽装します。
ジョーはというと、日本の私服警官を撃ち殺し、護衛されていたディールスも冷酷な視線で撃ち殺し、もはや別人のようです。
改名式で撮った映像の評判が良かったらしいニコールは、ヒムラー長官らに『イヤー・ゼロ』なる実験的な新計画に取り組むよう指示されました。
宣伝大臣のビリーとタッグを組む事になった『イヤー・ゼロ』計画とは、アメリカ人の国民意識を奪い、歴史を教えることもせず愛国心を薄れさせる、というアメリカの歴史そのものを無かった事にする目的があるそうです。
【太平洋合衆国】ドイツ大使館に滞在中のジョーにベルリンから次なるターゲットを示す写真が届きますが、そのうちの一人はなんと田上大臣。
通商省主催のパーティーにジョーも出席することになりますが、通商省といえば田上大臣。田上大臣といえばジュリアナ。二人の再会も目前という事でしょう。
田上大臣の自宅で数々のフィルムを見て行くジュリアナは、徐々にフィルムの中で体験した出来事の記憶が自分の中にある事に気が付き始めております。
第9ラッカワナ炭坑で撃ち殺される直前の記憶として、ナチスのジョーと密かに手を繋ぐシーンを思い出したジュリアナは、自分がかつてジョーに特別な感情を抱いていた事を田上大臣に話しました。
ジョーが父親に会いに行って以来音信不通になったと聞いた田上大臣は、ジョー・ブレイクの名を聞いて今夜のパーティーの客にジョーが〈ジョセフ・チナデーラ〉という名で出席する事を教えます。新任の通商次官を装ったスパイである事も伝えますが、ジュリアナはお互いの命を助け合ったジョーを信じたい気持ちがあるようで、「初対面で通す」という条件を出して半ば強引にこのパーティーに出席させて貰うようです。
科学に特化した研究を続けるアーネンエルベ研究所を訪問したスミス大将は、そこに運び込まれるヒトラーが所有していた膨大な量のフィルムについて、施設責任者から全てが捏造とは言い切れない点がある事、フィルムを分別して真偽を検証して行く事、その任務にヒムラー長官からスミス大将が選ばれている事を聞かされました。
施設内を進んで行くと目に止まったのは、拘束され何らかの検査を行われている〈ファティマ・ハサン〉という女性の姿。
施設責任者はなんと、彼女をフィルムの運び屋であり、別の世界から来た『旅人』だと話すのです。
にわかには信じられませんが、ついにスミス大将も別の世界が存在し、世界を行き来できる人間がいるという事実を知ることになりました。
さらには別の世界に行くための装置まで開発中らしく、さすがの技術力ですな。
岡村の後釜になったヤクザの〈大神〉を掌握しようと木戸警部は彼と馴染みのバーで密会していますが、代が変わっても微妙な癒着は伝統なんですかね。
ドーマー製薬で催された国家が推す宣伝映画の試写パーティーにて、夫の〈ウェイン・ハリス〉と同伴で来たセルマはニコールと知り合いに。この男が例の…となります。とは言え、偽装結婚しているからにはセルマにもまた同じ事情があるのは想像に難くなく、今やキャリアウーマン一直線美女のニコールをロックオンしたということでしょうか?
セルマはニコールをスミス大将に紹介し、徐々に繋がりの輪が広まってきております。
ロックウェル元帥とスミス大将のバチバチ感はもはや両者隠そうともせず。
フーヴァーはヒムラー長官にスミスが自身の遺伝的欠陥を隠蔽するためにアドラー医師を葬ったこと、妻のヘレンは重要な行事で泥酔しており高級官僚の妻としてあまりに無責任だと密告しました。
ジャックと飲み明かしたらしいエドはまさに乙女な表情で、太平洋合衆国で報復騒動は終わったと情報を仕入れてきたチルダンから帰ろうと言われても「あと2〜3日待ってくれ」とロマンスする気まんまんです(笑)
初めて感じる人目を気にしないで済む自由を謳歌したいらしいエドは、チルダンにも「日本人のご機嫌取りをしないで済むぞ」と話しますが、どうなることやら。
チルダンの情報源も、スクラップ業を隠れ蓑にするあのユダヤ人で、最近亡命してきたとの事ですが、やっぱりまだまだ帰るのは危険そうですし…。
というかこのユダヤ人ってマーク・サンプソンなんですね?妹達を亡くしたフランクに家族ぐるみで良くしてくれたあの親父か。
チルダンがユダヤの骨董品の話をした事に食い付いている様子を見られていたサンプソンは、なんとバーで盗み聞きしていたユダヤ狩りをしているアブナイ男に銃を突きつけられます。
目の前に居るのがユダヤ人だとは思わなかったようですが、ユダヤ人を匿っていると噂のあるカトリックの聖テレジア教会まで車で送って行くよう銃で脅されてしまいました。
パーティーでジュリアナを見かけて驚くも、その場ではロクに話せなかったジョーは後日すぐにジュリアナの家を訪ねて来ます。
父親の話やこれまでの経緯を話すも、なんだか長年連れ添ったカップルのような会話をしているのが違和感で(笑)
「俺を知ってるだろ?」「以前はね」「本当の俺じゃない、君が希望をくれたから俺は諦めなかった…もう一度信じて」とアツく語らっております。
かつては公然とカップルだったかのように話していますが、ニコールとかフランクとかは無かった事になっているのでしょうか?
ジョーにキスされてもジョーから処刑されるフィルムの記憶が蘇ってそれどころではないジュリアナ。
再度フィルムを確認したジュリアナは、ペンシルベニア州ポコノに炭鉱があった事を思い出します。フィルムが全てに通じていることを確信し、ラッカワナ炭鉱を探るためにジョーの助けが必要になると田上大臣に伝えました。
スミス大将は研究所から持ち帰ってきたフィルムの中に、死んだはずの息子トーマスの姿を確認。やはり。
想像以上に爺さんだったレジスタンスのリーダー、ヘーガンを生捕りにした憲兵隊。
木戸警部の容赦無い拷問で吐いた言葉がまさかの「フランク・フリンクは生きてる…」という。えぇぇ(笑)
- 作者:フィリップ・K・ディック
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▼次回、エピソード4