エピソード6『歴史の終わり』“History Ends”
あらすじ
ワイアットの協力で、ジュリアナは大ナチス帝国の極秘資料を持ってサンフランシスコを脱出する。チルダンはついに故郷へ戻るが、エドは中立地帯に残ることを決心する。田上は木戸の視点を変えるようなことを伝える。ジョン・スミスは、そのキャリアにおける転換点を迎える。
ネタバレ感想
どんどんと高まっていくサンタフェことジュリアナのアウトロー具合。しかし、何か起きればすぐに他人を頼る癖は健在です。なんせハリケーン型で全てを巻き込んでいく女なので。こりゃ美女じゃなきゃ成り立たんってもんです。
急遽呼び出されたワイアットも、あからさまにヤバめなトラブルに巻き込まれていると分かりながら助けてやるのはやはりジュリアナが美女でこそかもしれません。男としては助けたくなるよなぁ…。
ジョーの遺体はすぐに見つかり、憲兵隊が現場検証しておりますが本当に木戸警部はどこにでも現れます。サンフランシスコも広いだろうに、管轄とかそういう概念無いのでしょうか。全地区担当なのか…?
チナデーラがスパイ活動をしていた事は明白で、何のために大使館から離れた宿に滞在し何をしていたのか探るために目撃者の尋問が始まりました。
特徴と写真の確認ですぐにジュリアナが現場に居たことが割れてしまい、木戸警部も「またこの女か…」とでも言いたげな表情。もうここまで来ると周りにとっての疫病神にも見えてきます。
田上大臣も木戸警部から呼び出され、一連の捜査状況を聞かされました。
スミス大将…もとい元帥は研究所でファティマ・ハサンが意識を取り戻したと報告を受けて、フィルムの出どころを自ら尋問するのですが、その最中にハサンの容態が急変、辺り一帯が地震のように揺れ、蛍光灯は割れたり異常な事態に。
医師が薬剤を投与するも、そのままハサンはスミスの目の前で忽然とその姿を消したのでした。
動揺するスミス元帥の元に木戸警部から連絡が入り、ナチス側もジョーの死を把握。日本に渡った重要機密書類の対処とジョーが暗殺し損ねた田上大臣の抹殺が急がれるようです。
ジョーが持っていたニーベンベルト計画の機密書類一式はジュリアナからワイアットへ、ワイアットから中国人配達員へと渡り、無事に田上大臣の元へと届けられました。
中を開けて自分も暗殺の標的である事を知った田上大臣。今にもジョーの尻拭いをさせられる刺客が襲ってきそうな状況なので、これを先に知れたのはかなりのリードになります。
木戸警部にこの書類を見せると、憲兵隊の機密文書をジョーが持っていたという事はつまり憲兵隊側にも裏切り者が紛れている訳です。ほほぅ…?
逃亡中に閉鎖された給油所からガソリンを頂こうとしているところを運悪く通りかかった憲兵隊に見つかってしまったジュリアナとワイアット。
ジュリアナのバッグから銃が見つかってしまい、流れるように二人の憲兵隊を撃ち殺してしまいました。
人を殺した後とは思えないほど冷静に憲兵隊のトラックからガソリンを移し替え、ジュリアナはその傍らでタバコ休憩を取ります。殺しなんて手慣れたもんです。
無事に中立地帯まで逃げ延び、生活感が無さすぎるワイアットの住処に匿って貰う事に。
しかし、憲兵隊に探りを入れたフーヴァーの調べでジュリアナがまた事件に関与している事が発覚し、憲兵隊からもナチスからも追われる身となったものですから、中立地帯でもそこかしこで派手にジュリアナ捜索がされているようです。
ヒッチハイクでまたあのバーに戻りジャックと再会できて嬉しそうなエド。
チルダンも唯一エドがパンツの中に隠し持っていたムービースターのバックルを売るため日本人との交渉が成立し、地元へ帰れると祝杯を上げます。
そこにやって来たサンプソンが、見知ったエドの顔に気が付き声を掛けてきて、フランクの生存を伝えました。あぁ…ついにエドも幸せになれそうだったのに。
エドからフランクが生きていたらしいと聞いて驚くチルダンですが、“よろしく”と伝言を託すだけで一緒に会いに行くまではしないところがチルダンらしい(笑)
「心の準備が出来ていない」とイラつくフランクは今にも逃げ出しそうでしたが、フランクの声が聞こえたエドが顔を出して二人は再会しました。命があった事をただただ泣いて喜びガッツリ抱擁を交わします。
フランクの見た目がかなり変わっていようが火傷痕なんてエドの器の大きさの前ではホクロのようなものかもしれません。
至る所で見かける太陽の絵がフランクの手掛けたデザインだと知り純粋に褒めるエド。
あれはフランクが幸せを感じた朝日からインスピレーションを得たらしく、確かに最大の敵である日本の旭日旗とモチーフが似ているというのは皮肉なもんです。
ワイアットにレミュエルを探してきてもらい、レミュエルの案内で、身を隠したアベンゼン達が営む【中立地帯】ワイオミング州シャイアンのレコード店へ向かったジュリアナ。
盛大なパレードまで開催され、正式に北アメリカ国家元帥に任命されたスミスを従えたヒムラー長官は、大勢の国民の前で『イヤー・ゼロ』を宣言。権力を持ちながら実は操り人形ポジションのスミス元帥の苦難はこれからも続きそうです。
- 作者:フィリップ・K・ディック
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▼次回、エピソード7