エピソード10『23日目』
あらすじ
孤島のリアは、遭難を仕組んだ人物を暴こうとする。救出後のリアは、何の情報も与えられないことにうんざりし、答えを得るために動き出す。
ネタバレ感想
やはりサバイバルスキルを備えた『安全管理担当』の協力者はドットと見せかけてノラだったようです。怒涛の伏線回収が気持ち良い。
身内が一緒に遭難しているという点で疑いにくかった彼女ですが、確かに本の虫で頭が良く何でも知っていてブラックボックスの中についても詳しく、いつも何かを書いていたのもカメラに向かって状況を伝える以外に、島内での記録を細かにつける目的でもあったのでしょう。
シェルビーが背中に忍ばせたメモをようやく監視カメラの死角で取り出したリアですが、「あなたが正しかった」なんてメッセージくらいならハグしてる間に小声で伝えられたやろ！と少し笑ってしまいました。
ノラへの疑いを抱きながらも、薬のせいで寝る前の記憶が曖昧で覚えていないと話し密かに様子を伺うリアでしたが、ノラの用心深さの方が一枚上で森の中怪しげに走り去るノラを追っていたはずが、いつの間にか大きくて深い穴へ落ちるよう仕向けられていたのです。
夏期講座で出会った年上の変わり者〈クイン〉と急速に距離を縮めながらも、初めて双子の姉であるレイチェルに彼を紹介したノラは、オタク気質でTHEコミュ障なボーイフレンドへの感想を求めます。
明らかに引いているレイチェルの表情は面白かったものの、最初は「良い人なんじゃない」と適当に交わしながらノラから本音を言えと迫られ、「私の目を見て話さないし、私がまだ話してるのに遮って話し始めた、とにかく他の皆とは違うよ」と否定的な意見を貰います。
あれほど楽しげだった毎日を忘れたかのように姉の言葉に引っ張られ、スッと恋心が冷めてしまったノラは、クインからの正式な交際宣言にYESと答えられず、レイチェルを侮辱された事で二人の関係は決定的に終わってしまいました。
しかしその後も何度もクインを思い出し後悔の日々が続くノラは、彼のSNSを覗き大学に入学したクインが寮内でのいじめで死亡した事実を知る事になるのです。
ここまでだと、確かに不幸で特殊な過去ですが、この一連の事件のどこに実の姉を裏切ってまでグレッチェンの実験に加担する要素があったのか？とまだ納得はいきません。
加害者の一人、〈デボン・クライン〉に面会するため刑務所に出向いたノラは、そこでデボンの母親だと話すグレッチェンに出会います。
要は、元恋人を死に追いやった憎むべき仇の母親な訳ですが、何故か誘われるままにパンケーキを食べに行き、元は虐められて泣きながら電話をかけてきていたような息子が、自分の代わりを擦りつける千載一遇のチャンスに飛び付いたのだから悪いのは息子に違いないけれど、「でも男性社会の構造にも問題があるわ」と男性優位の社会に異を唱え始めたおばさんの話を大人しく聞き、共感すら覚えるというのはどこか違和感があります。
姉を救うため、心から信頼できる仲間を見つけるため、自分の強さを試すため…ノラは社会的圧力から解放されて何かと闘い続けなくてもいい自分らしく過ごせる日々を送ってみたいという欲求をグレッチェンに告げて実験への協力要請を受けました。
リアが自力で穴から這い出たのと同時に、海で泳いでいたレイチェルに近付くサメの姿が。
あぁ、もう忙しい。ただ、これでレイチェルの無くした腕とノラの身に起こった悲劇の辻褄が合いました。そして、リアに決定的な裏工作がバレた上に穴から出てこられたノラの処遇もここまでのハプニングがなければさすがに誤魔化しようがなかったのでしょう。
リアもリアで、疑い続けた自分の中の疑念に合点がいったと共に、ノラへの復讐心で溢れていたところにこの悲劇では感情のやり場に困りますわな。
救助後、少女達に同情的な〈ヤング捜査官〉の本音を知ってか知らずか、彼を上手く騙して扉のロックを密かに外しておいたリア。
ヤングの携帯で何かしていたのも気になりますね。
消灯時間を待ち、部屋から抜け出したリアは要塞のような施設内を調べ始めました。そして辿り着いたモニタールーム。同じ頃シェルビーがアナフィラキシーショックを起こした事で鳴り響いた緊急事態警報により注意の目が逸れたのも示し合わせたのでしょうか。
謎が多いままシーズン1は完結で、完全に次シーズンへ持ち越される流れです。
少女達のぬるいサバイバルよりも、むしろここからの方が楽しみかもしれません。
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▼次回、S2エピソード1
