第4話
あらすじ
妊婦レアの母親は戦争の時に奇跡的に助かったユダヤ人。だが大切な人は皆死んでしまった。今もそのトラウマで12年間外に出ることができない。新任シスターのウィニフレッドは何とかその状況を打開しようと協力する。
ネタバレ感想
赴任してきてから影の薄い扱いだったウィニフレッドにようやくスポットが当たるようです。
どうやら出産に不安感があり、分娩の補佐に駆り出されると目を背けるような仕草が目立っています。
しきりに時間を気にして、診察の途中で帰ってしまうほどだった〈レア・モス〉は、自宅にいる母親を一人にする事が心配だったよう。
目眩の発作があるらしく、危険とは言え12年も外出していないというのはやはり病的で不健全な感じがします。
が、これには同情せざるを得ない訳があり、ユダヤ人の彼女達は戦争中にナチス支配下のゲットーに入れられ、そこから奇跡的に逃げ延び地下室に身を隠したのだとか。
家に戻ると家族や友達は皆消えていただけでなく、ロンドンへ移ると今度は空襲に怯える日々。
壮絶な人生を歩まされたこの母娘が、依存に近いと言っても過言ではない固い絆で結ばれている事にも納得です。
トラウマに心当たりがあり過ぎて、正気を失った事がめまいや吐き気、外出を拒む原因だと思い込んでいたレアですが、話を聞いたターナー医師はメニエール病の疑いを持ち、精神疾患ではなく内耳に原因があるのではないかと希望を持たせました。
それでも12年も家から出ていないとなれば、めまいがどうにかなったからといってすぐにウキウキ外出できるわけでもないみたいです。
アレックから週末旅行の誘いを受けたジェニーは新しいドレスを買い、楽しみにしていましたが、この時代の慎ましい恋人同士には部屋数の問題があるわけです。
アレックの下世話な同僚と会ったジェニーは、彼が旅行のことを知っていてしかも一部屋で共に過ごすという前提で話をされ露骨な不快感を見せます。
キチンと確認もしないままにアレックを罵りその場を去ったジェニー。
しかしその直後、作業場内で仕事をしていたアレックの乗っていた足場が崩れ落ち、中々の高所から落ち意識不明の重体に。
同僚が近くに居たピーターを呼んできて、ピーターの指示で近所にいたターナー医師と救急車が呼ばれます。
ターナー医師の応急処置の甲斐あって、足の切断は免れたものの、足首の粉砕骨折で二度と歩けない重症を負ってしまったアレックにジェニーは言葉が見つかりません。
それでも前向きに、時に笑い合い「命がなくなるより良い」と現状を受け入れる努力を始めた二人。
そんな矢先にレアの陣痛が始まり、担当だったウィニフレッドを気遣ってジェニーも助産に名乗り出ます。
いざ出産というタイミングでジェニーに連絡が入り、アレックの急変を知らせられるとそのままウィニフレッドに全てを託して病院へ向かうジェニー。
ウィニフレッドが怯えた様子だった理由はよく分からずじまいでしたが、彼女は自分の仕事をしっかりこなして、出産に対する恐怖心も克服出来たようですね。
しかし新しい命が誕生した傍らで、合併症を起こし急変したアレックは、塞栓症で亡くなってしまいました。そのあまりに呆気ない死に対するジェニーの整理のつかなさは想像に難くありません。
外出を克服したレアの母親がジェニーに贈った「生き続けるのよ、生きようと思えるまで」という言葉はずっしりとしていて、なおかつスッと心に入ってくるようでした。
親さえ駆け付けて来られなかったアレックの葬儀ですが、仲間達に弔われ、湿っぽくはあるもののどこか明るささえ感じる立派なものだったのは救いです。
喪服姿のジェニーに醸し出される儚さと美しさの絵力が凄まじかった…。
心を閉ざし、打ちのめされたジェニーはノンナートゥス・ハウスを離れ、ナースとシスターに見送られながら修道院本部へ静養へ向かいます。
Call the Midwife [ Jennifer Worth
▼Amazonプライム・ビデオでも視聴できます。
月額500円でプライム会員になれば、会員特典対象の映画やドラマ、アニメ、Prime Original 作品が見放題。30日間のトライアル期間でお試しも可能。
▼次回、エピソード5