エピソード1『数字が全て』“Pilot”
あらすじ
ロスで卑劣な連続レイプ事件が発生。ついに犯行は被害者を殺害するまでにエスカレートする。捜査に行きづまったFBI特別捜査官のドンは、天才数学者の弟チャーリーの提案で、犯行現場から逆算して犯人の居住区域を割り出す。しかし、その一帯に容疑者は見当たらず…。
ナンバーズ 天才数学者の事件ファイル シーズン1 <トク選BOX> [ ロブ・モロー ]
ネタバレ感想
面白そうと思いながら何年も放置していたこちらのシリーズ。ちょうど色んな海外ドラマが一区切りついたタイミングにプライムビデオで目についたので期待しつつの鑑賞です。
2005年の作品だけあってやや時代遅れ感はありますが、よくあるその道のエキスパートが事件解決に重要な役割を担うという設定は大抵面白いのです。かの有名な『メンタリスト』は完走しておりませんが、『シャーロック 』や『ライトゥミー』なんかは一時期ハマったものです。
とりあえず主要な登場人物だけザッと確認していきます。
〈チャールズ・エドワード・エプス(チャーリー)〉
南カリフォルニア工科大学の数学教授を務める天才数学学者。
〈ドン・エプス〉
チャーリーの兄でFBI特別捜査官。
〈アラン・エプス〉
ドンとチャーリーの父親。
〈ラリー・フラインハート〉
チャーリーの友人で大学の同僚。
〈アミタ・ラマヌジャン〉
チャーリーの教え子の大学院生で、論文のアドバイスを受けている。
〈テリー・レイク〉
ドンの相棒の女性捜査官。心理分析に長けている。
〈デビッド・シンクレア〉
今回の事件で支局長が新たに投入した黒人捜査官。
自宅に帰る暇も無く、実家に帰ってきていたFBI捜査官のドンがシャワーを浴びている間に、弟のチャーリーが捜査状況の載っている地図を見て数学的観点から捜査に協力できるはずだと手伝いを申し出るところからストーリーは展開していきます。
今回の事件
FBIすら手を焼いているロスでの連続レイプ事件で遺体が発見され、ついにレイプから猟奇殺人へと被害が拡大。
一連の被害者には、150℃に熱した金属を3秒間あてられたと思われる犯人の『所有の証』と言える焼き印が。
直近のレイプ被害者でありながら証言に矛盾が生じている〈カレン〉がキーとなるか?
事件解決の方程式
人間が意識して考えた『ランダム』は、不規則にならずパターンに嵌まりがち、という点を逆手にとって、これまでの現場からパターンを割り出して犯人の居場所を特定する方程式を算出。
連続犯の行動パターンなんかを兄から教えられた上でチャーリーは犯人が住んでいる可能性が87%の『重点域“ホットスポット”』を導き出します。それに従って大勢のFBI捜査員が、地域に住む男性50人を対象にDNAが付着したガムやスプーンなんかをせっせとストーカーのように集め、犯人が吸っていたと思われる煙草と照合していきます。
FBIも令状が取れなきゃあんな地味な捜査方法になるのでしょうかね(笑)
鑑定の結果、照合する人物はおらず更に捜査は難航しますが、同時にチャーリーが一件だけ明らかにイレギュラーなはみ出し現場がある事に気が付き、「捜査にミスがあったか証言をしたカレンに嘘があった」と見破ります。
犯人はカレンの監視を続けており、FBIがカレンの自宅に駆け付けた頃にはすでに殺された後でしたが、カレンの同僚に聞き込みに行くと新たな事実が発覚。来月結婚を控えていたカレンですが、元恋人と頻繁に会っていたらしく、それを隠すために元恋人の家の付近をうろついていたところを被害に遭ったとは言えずに犯行現場をでっち上げていたのです。
チャーリーの方程式から何の成果も上げられなかった上に計算し直したホットスポットは既に確認済みの範囲でしかなく、責任を取らされたドンは担当から外されてしまいました。
父親の「本当に数学の問題か?お前に理解できないなんて…問題は数学じゃない」という一言がきっかけとなり、ドンは自分のように滅多にアパートに帰らず職場を拠点とする人間も居る事を踏まえて「住居以外に目を向けろってことだ」と閃きます。
こうして自宅と職場の二点のホットスポットを割り出したところ、性犯罪者のデータベースからそれらしき男〈ホールデーン〉に行き当たりました。兄貴、担当から外されたはずでは…?(笑)
すぐさまテリーとデビッドを連れてホールデーンを訪ねます。
ケータリングも請け負っているという彼の職場のキッチンには「ブリュレ用だ」と話すバーナーが。それはどう見ても焼き印のアレです。なーーにがブリュレだ。
ドンが確信を得たところで、ホールデーンもそれに気が付きデビッドを人質に取る一悶着。
同じ頃テリーは倉庫でビニール袋を被せられ今にも窒息しそうになっている女性を発見し、ガラスを割って救出に入ります。
盛大にガラスが割れた音がして気を取られたホールデーンの隙をついたデビッドがナイフを押さえ付け、すかさず犯人に鉛玉をぶち込んだドン。こういう場合は確保より躊躇いなく殺しにかかるというのがアメリカっぽい。
こうして事件は解決。犯人は3週間前に引っ越しており、チャーリーが確信を持って導き出していたホットスポットもあながち間違いではなかった、と。
意外だったのが、兄から頼まれるだの巻き込まれるだのの形で乗り気でないながら事件を解決するような感じかと勝手に思っていたのが、主人公のチャーリーが自ら捜査に首を突っ込みノリノリなのです。
むしろ同僚で良き相談相手のラリーの方が、チャーリーの数学的才能を認めるあまり、数学者にとってピークになる年齢のチャーリーに対し「FBIの手伝いよりも数学の研究を優先すべきだ」と制するほど。
『変人の天才』でイメージするようなクールで人嫌いなタイプではなく、どこか人懐っこさすらあり直情的で人間味溢れるところに意外性を感じました。アミタとはお互いに好意を持っているようですが、『教授と教え子』という立場から線引きしているらしく、ここの進展も気になります。
アミタがチャーリーの助手としてFBIに出向いた際のドンのやけに親切な様子があって、兄の方なのか?とも思いましたが、しっかりチャーリーとフラグが立っております。ドンはむしろテリーですかね?
父親もどこかホッとするような見守り方で、エプス家を見ているだけでニヤニヤくるものがあるし、FBI捜査官のキャラの立ち方も良さそうだし、クライム系ミステリーでありながら数学の天才が掛け合わさる事によってワクワク感もあるしで、シリアスになり過ぎずポップに楽しめるシーンも多く掴みはバッチリ。
▲主人公のタイプこそ違いますが、【論理的な思考から犯罪を解決していく天才】という設定は『シャーロック』と似通うものがあり、どちらかが好きならどちらかにもハマれそうです。というか主人公はチャーリーではなくドンの方なのか…?
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▼次回、エピソード2