エピソード16『危険なカルト集団』“Atomic No. 33”
あらすじ
あるカルト教団の施設で集団中毒が発生するが、メンバーは治療を拒否。ドンたちFBIチームの捜査で、長年にわたる遺恨と、複雑な殺人計画が浮かび上がる。
ナンバーズ 天才数学者の事件ファイル シーズン4 <トク選BOX> [ ロブ・モロー ]
ネタバレ感想
今回の事件
危険なカルトで知られるパトモス教会で、コーヒーを飲んだ人間に集団中毒が起こり内部から通報が。
しかし、『神だけが治癒できる』という教えのせいで責任者によって教会の門は閉ざされ、大混乱の中門をこじ開けて中へ入るドンや市警によってようやく被害者の救助活動が始まりました。
1978年の創設後、93年に新宗教運動“NRM”リスト入りしているパトモス教会。
黙示録の封印が第二次大戦時に解かれ、ヒトラーが放した悪魔が彼らを滅ぼそうとしていると信じており、選ばれし14万4千人のユダヤ人だけが神の国に受け入れられるも、信者たちは地上にとどまり天国の座を悪魔と争っているのだとか。ほー…。
コーヒーからはヒ素が検出され、死者も2名出るという大惨事はやはり信仰に疑いを持った内部の者の犯行なのでしょうか。
事件解決の方程式
社会ネットワーク分析を使って、表向きの組織構造とカルト教団の隠れた構造を調べる事で集団毒殺の動機を探ります。
冒頭でも中でバタバタ信者が倒れていながら門に鎖を巻いて救助を閉め出していた〈スーザン・ドーラン〉は捜査に非協力的であくまでも渋々、と言った感じ。
パトモス教を創設した〈ドーラン牧師〉の娘〈オードリー〉と、創設者が昨年心臓発作で亡くなってから後任になった〈エズラ牧師〉の息子〈クレイグ〉は両想いの関係ですが、牧師やスーザンは2人の仲に否定的。
エズラ牧師とクレイグは3年前に入信しており、やや信仰への考え方も違っている様子。
発掘した遺体の毛髪検査では致死量を遥かに超えたヒ素が検出され、スーザンの夫で創設者のドーラン牧師が内部抗争の末毒殺された事は明らかです。
以前はスーザンが組織の中核で、教団の資料を始めとするあらゆる階層の情報を管理していたのに対し、エズラが亡き夫の側近になってからのここ数年は、その影響力が薄れていた背景が見えてきました。
毒殺目的というよりも、治療を求めさせる事でエズラを背教者にしたかったという思惑があったのかもしれません。
洗濯室からヒ素が検出され、スーザンを逮捕しかけたところで敷地内で爆発が起こります。中に居たスーザンとクレイグはデビッドとコルビーに救出され無事でしたが、エズラ牧師だけは帰らぬ人に。
オードリーに毒を盛った疑惑が浮上し、拘束中のスーザンにそれを話すと途端に娘を守ろうと「全て私がやったのよ」と嘘の自白を始めます。
スーザン母娘の関与は考えにくく、クレイグ単独の可能性も低いという分析結果が出て悩んでいるところにラリーの閃きが。
亡くなってしまった事で容疑者から外されていましたが、エズラとクレイグの共犯の可能性が見落とされていたのです。
〈ジョセフ〉と〈エミリー〉のエズラ夫妻には1998〜2005年の存在記録が全くなく、本物のエズラ夫妻は98年に交通事故で身元判明不明な状態で死亡しており、彼らの里子がクレイグだったのです。
エズラ牧師を騙っていたのは詐欺行為て何度も服役していた〈ウィリアム・ブーン〉で、ウィリアムとクレイグは親子になりすまして教団での詐欺を計画。
集団毒殺の目的は信者に治療を受けさせ、批判されている信仰治療の教義を廃止すると共に非課税法人化を実現させ莫大な利益を得る事でした。
欲をかいて多めに毒を盛ったブーンに殺されかけたクレイグは報復としてブーンを爆死させた上に疑惑の目をスーザンに向けさせていたのです。
死刑に相当する罪を被せられかけ、火の海に置き去りにされる仕打ちを受けながら盲目的に恋人を守りたい気持ちの強かったオードリーですが、母親が自分のために迷いなく罪を被ろうとした自白映像を見せられ心が変わったよう。
逃亡したクレイグは3年がかりの詐欺が頓挫した今、教団の金庫にある大金を狙うはずと踏んだFBIは、内部に戻る事なく金を持ち出す手段にオードリーが使われる事を想定して囮捜査を計画します。
案の定クレイグからオードリーに、甘い言葉を囁きながら金を持ってくるよう連絡があり、FBIが待ち伏せる約束場所にまんまと現れたクレイグは逮捕。最後までオードリーに罪をなすり付けようと嫌な若造でした。
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▼次回、エピソード17