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映画チラシ『恋人はアンバー』5枚+おまけ最新映画チラシ3枚  

恋人はアンバー

あらすじ

アイルランドで同性愛が違法でなくなってから2年後の1995年。同性愛者に対する差別や偏見が根強く残る田舎町で暮らす高校生エディは、自身がゲイであることを受け入れられずにいた。一方、エディのクラスメイトであるアンバーはレズビアンであることを隠して暮らしている。2人は卒業までの期間を平穏無事に過ごすため、周囲にセクシュアリティを悟られないようカップルを装うことに。性格も趣味も正反対の2人だったが、時にぶつかり合いながらも悩みや夢を語り合ううちに、互いにかけがえのない存在となっていく。

予告動画


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監督・脚本は「CURED キュアード」のデビッド・フレイン。

ネタバレ感想

1990年代アイルランドの保守的な田舎町を舞台に、期間限定で恋人のふりをすることになったゲイとレズビアンの高校生を描いた青春映画。

 

期待していたほどではなかったものの、それなりに面白かったというのが正直なところ。

マイノリティがテーマになっていて、時代背景が古い田舎町が舞台という事でかなり差別的な重さがあるのかな…と思ってていましたが、そのあたりはテーマの割にコミカルな部分も多いので重過ぎず、かと言って主人公達の苦悩は現代以上に相当なものだったのだろうという事がよく分かります。

 

レズビアン〈アンバー〉とホモの〈エディ〉が利害一致の偽装カップルとしてクラスメイト達から揶揄される日常から脱出するのですが、この2人の関係が本当にお互いにしか分かり合えない部分を持つ特別なものなのです。

2人がどんどん絆を深めていく様子は青春してるなーと楽しく見れるし、しかし性格が男前なアンバーに対してかなり女々しいエディが、最終的には明らかにアンバーに依存している傾向も。これだけ疑似恋愛を続けてきて親にも話せない本音を言い合える存在というのはそれほど大きいというのも分かります。

 

軍隊の司令官という男らしさ200%な父親からの期待に応えようと無理するエディは頑なに自分の性について認めようせず、自分自身を抑えっぱなしな癖に、周りからの目を気にして適当な女子を言わば利用してしまうような一面も。

自分自身が認めてしまったが最後という感情もあるのだろうなぁ。

 

意外だったのは、思春期特有の下品で差別的なクラスメイト達が、確かに意地は悪いものの根っからの嫌なヤツらではなかったというところでしょうか。

どこか嫌いになりきれないんですよね。よほどあの数学教師のパニクッた時に垣間見えた本性の方が、人間の嫌な部分を感じました。

 

最後には軍隊の採用試験に受かって実家を出て行ってしまうエディに、これまでせっせと貯めてきたブリキ缶いっぱいの現金を強引に渡してエディを解放してやるアンバー。

最後の最後にようやく自分がゲイだと認めてくれたのは成長以外のなにものでもなく、認められたからといってすぐに周りから受け入れられるものではないとしても、本当の欲求を抑え込んだまま偽りの人生を送るよりは良い人生になったと信じたいです。

エディの母親だけはうっかり自分の息子の性癖を知ってしまった後でも、かなり理解を示してくれていたように感じたので、あのままエディが家族と何も話す事なく列車に乗って旅立ったのだけは少し心残りもありましたが。

 

同じ母親でも娘からのカムアウトを受けて教会に相談に行ってしまったり、結果的にそこから全校生徒にレズビアンだと決定的にバレてしまうアンバーが不憫なんですよね。エディには父親に受け入れられなかったとしても母親が居るというのに、父を自殺で亡くしたアンバーは母親の方もデリカシーに欠けるのか、と。

ただ、ガールフレンドの〈サラ〉を自宅に招いてどぎまぎしつつも歓迎している様子もあったので、最終的に受け入れてくれたのは救いでしょう。

どこか達観していて、いつでも自分の気持ちに真っ直ぐなアンバーはとにかくカッコ良かったです。

評価(平均点高めの設定です。)

4.1 /5 点!

 

概要

監督:デビッド・フレイン

時間:1時間32分

配給:アスミック・エース

公開日: 2022年11月3日

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