エピソード3 “The Hangman's Demise”
あらすじ
絞首刑執行人のヘンリーとエディ夫妻の銀婚式を祝うパーティーに女性が訪れ、絞首刑になった息子は無実だったと言う。彼女はヘンリーに、真犯人を捜すヒントを息子が言い残してないかと問うが、ヘンリーは取り合わなかった。翌朝、ヘンリーはお茶に毒を盛られ倒れる。容疑者はお茶を入れた友人ジョージと、前日ヘンリーに詰め寄った女性アイリスだった。
ネタバレ感想
リー夫妻の結婚25周年を祝う銀婚式パーティーに参加するブラウン神父一行。
夫の〈ヘンリー〉は処刑人、妻の〈エディ〉はフラワー・ショーで1等賞を獲るほどの実力者ですが、金には困っているようでレディ・フェリシアが2人を支援しています。
おかげで1等を取り逃がしたマッカーシー夫人はライバル心剥き出しで、今週末に迫る今年のフラワー・ショーも波乱の予感。
パーティー中にも浮かない表情だったヘンリーのところへ1人の女性が訪ねてきて、ヘンリーが処刑した〈トーマス〉の母親だと言います。
息子と恋人の〈ベラ〉が写った写真を見せて必死に「息子は彼女を殺していません」と訴える〈アイリス・ライトマン〉。
ヘンリーの反応から、しっかりトーマスの事を覚えていると気付いた彼女はそのまま、ベラは裁判所の秘書で同僚に殺されていたにも関わらず、犯人が要職にあたるので事件は隠蔽されていた事が調べて分かった、息子の汚名をそそぎたい、息子は何か言っていなかったか、と捲し立てました。
真犯人“マックス”の名を聞いて、何か心当たりがありそうなヘンリーでしたが、それ以上話を聞こうとせずに怒鳴りつけて話は切り上げに。
元警官で、リー夫妻と出会って園芸の楽しみを共有していた〈ジョージ〉は、パーティーでマッカーシー夫人をデートに誘うも撃沈。
見かねたフェリシアさんがマッカーシー夫人に彼は本気だと伝えにいき、思い直したマッカーシー夫人はこの誘いを今からでも受けられるかと聞きに行きます。
ちょうどリー夫妻にお茶を淹れていたジョージはもちろんOKだと改めてマッカーシー夫人の分のお茶も淹れに行きました。
その間に夫人に話しかけてきたエディは、花の注文を回してくれるのならフラワー・ショーには出ないという取引を持ちかけてくるも、プライドの高いマッカーシー夫人はこれをお断り。
話をしていたすぐそばで、突如ヘンリーが痙攣しながら倒れてしまい、症状と臭いから毒ニンジンを盛られたようで、長くてあと1日の命だとか。ブラウン神父な、ヘンリーが生きている間に必ず犯人を見つけてみせると約束を交わしました。
お茶を淹れたジョージが疑われて自宅からも毒ニンジンが発見されてしまいましたが、ジョージが犯人でない事は明らかです。
しかし、圧倒的に不利な状況のジョージを救うためにもブラウン神父が一肌脱がねば、といったところ。
前日に、“マックス”捜しを拒まれ腹を立てて帰って行ったアイリスの犯行だと確信しているブラウン神父は、一先ず彼女を捜し出そうということに。
かなり金に困って切羽詰まっている感じのエディでしたが、彼女の父親〈バーノン〉は戦時中に闇市でボロ儲けしていたはずだとシドから聞いて、バーノンの弁護士捜しも始まります。
案外簡単にアイリスは見つかり、ヘンリーを殺してしまえば息子の無実を証明できなくなる、という言い訳は確かに納得させられます。
彼女は服役経験もあり、息子が絞首刑になった朝に警官を襲って逮捕されたのだそう。全ては息子に繋がっていて、息子への愛情だとか無念だとかが原動力になっているようですね。
ブラウン神父は、リー家のゴミの中から捨てられた詩集を見つけ、その裏表紙にはこれが“マックス”からヘンリーに送られたものだと確認。
友人のマックスがベラの殺害犯だというのは、アイリスの発言で昨日初めて知ることになり、嫌悪感から彼の本を捨てたのです。
ここまで分かっていると示した上で、真相を知りたいのだと問うブラウン神父に対してヘンリーはようやく語り始めました。
マックスは上級判事で、ベラは裁判所の秘書でしたが、トーマスの処刑後にマックスは自殺していたとか。
ジョージがお茶を淹れていた納屋からはアイリスのカーディガンのボタンが見つかっており、連行された彼女は、確かに納屋に行って無言を貫くヘンリーを罰するために鋤で殴ってやろうとしたけれど、待っている間に無意味だと思い直して帰ったと釈明。
誘導尋問しようとするマロリー警部補に対し、それが息子を追い詰めた手口か!とヒステリックに怒り出すアイリス。しかし、このドラマに出てくる警部補は毎度毎度決めつけが酷いのでこれぐらい立ち向かってくれる方が応援できます(笑)
シドはバーノンの弁護士秘書を言いくるめて顧客の資料を借りてきます。
その遺言状には、結婚を反対していた娘に多額の金を遺すが、ヘンリーが合法的な夫でなくなるまで相続は保留にするという条件が課せられていました。
ヘンリーが死ねば莫大な遺産がエディに入るので動機にはなり得ますが、あの時ヘンリーがお茶を飲んでいる横でエディはマッカーシー夫人に仕事をくれるよう懇願していたんですよね。
マロリー警部補から犯人はアイリスだと告げられたヘンリーは、毒を盛ったのは彼女ではないと断固認めず、釈放されたジョージには帰ってくれと一言。
ジョージにも帰るよう言われ、当初の予定通りマッカーシー夫人を誘いに行くというのは釈放されたての人間の行動としてはかなりサイコに感じます。
花束にカードを添えて誘いに来たジョージに驚きながらも支度を整えてランチに出たマッカーシー夫人。
しかしマッカーシー夫人が出際に生けた花についていたカードを見て、ヘンリーに送られた本に書いてあったマックスの筆跡と同じだと気が付いたブラウン神父は大慌て。
噂好きが災いして、マッカーシー夫人はベラベラと“マックス”についてランチの席でジョージ相手に話しておりました。
お手洗いの隙に盛られた毒を食べてしまうギリギリのところで駆け付けてきたブラウン神父とシドがマッカーシー夫人を引き離します。
“マックス”はジョージのミドルネームで、当時部長刑事だった彼は見初めたベラに拒まれて殺害。警察の名誉を守るために当時の上司が上と相談して、その罪を若きトーマスに擦り付けていたのです。
しかし、ジョージは決してヘンリーに対しても、マッカーシー夫人に対しても、毒を盛ってなどいませんでした。
罪悪感に苛まれていたジョージは、ブラウン神父に諭されて警察署へ行くと、アイリスとマロリー警部補に対して自分がベラを殺害した真犯人で、警察の隠蔽工作があった事を自白。
残る疑問は、誰がヘンリーに毒ニンジンを盛ったのか。
真相は、トーマスの件で司法制度の腐敗を知って無実の人間をこれまで何人処刑してきたのか思い悩んだ末に辞職して教会からも去り、アルコールに逃げたヘンリー自身の行動でした。
死に方を考えながら生きていた時にアイリスが現れ、“マックス”の名を聞いたヘンリーはそれがジョージだとすぐに気付きます。
トーマスは死の間際に、処刑人であるジョージに『ベラを殺したのは警官だ』と耳元で囁いていて、その最期の言葉が“マックス”とジョージを結び付けたのです。
トーマスとベラのために自死をもって悪を裁こうと、ジョージをハメる細工をして毒を入れておいた自分の分のお茶を飲んだ、と。
腐敗し切った警察本部は更なる隠蔽をはかろうとマロリー警部補に圧力をかけてジョージを無罪放免にしようとすると、今度はジョージが「もし私をベラ殺害の罪で起訴しないなら新聞社に渡す汚職警官のリストに君も加えるぞ」とマロリー警部補を脅しカオスな状況に。
こうして半ば強引に拘留を勝ち取った?ジョージ。
ヘンリーは父親の遺産を受け取って花の仕事を続けろ、と涙ながらにエディを説得して息を引き取ります。毒が回って徐々に麻痺して亡くなるというわりに最後までしっかり喋れるものなのか。エディに別れを告げるために毒ニンジンを選んだとありましたが、毒ニンジンは本当に少しずつ、しかし確実に死に至るようなものなのですね。恐ろしい。
気が変わったマッカーシー夫人は、エディの代役を務めるレディ・フェリシアにブラウン神父の目を引く生け花のコツを伝授。
神父の一票のみで優勝が決まる大会なのか(笑)
結果、エディの花が今年もフラワー・ショーの一等を飾り、夫を亡くしたばかりの彼女の仕事は順調なものになりそう。
と言っても、シドの助け舟があってこそブラウン神父が当たりを引けたというのは男2人の秘密なようです。
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