エピソード4 “The Crackpot of the Empire”
あらすじ
ブラウン神父は2年前、友人の腹話術師、通称“マースおじさん”を精神科の病院に入院させた。“裏切り者”とののしられ、今も罪悪感がある。そのマースおじさんの退院祝いのパーティーに招かれた。マースおじさんの弟モーティマーとヘンリー、ラジオ番組のプロデューサーのイブ、伝記作家のジェイコブも招待されていた。
ネタバレ感想
友人で腹話術師の〈ジュリアス〉こと“マースおじさん”には助けが必要だとして、精神科病院へ入院させたブラウン神父は裏切り者と罵られ、この2年間気を揉んでいたようです。
今回ようやくマースおじさんが退院するにあたっての退院祝いへの招待状が届きました。
マースおじさんの弟〈ヘンリー〉も同じ招待状を手にブラウン神父を訪ねており、陽気なヘンリーとの仲は良好なようです。
もう1人の弟〈モーティマー〉にも招待状が届いておりますが、いかにも成功者といった風のこの男は過去にマースおじさんを陥れただか何かで、妻から行くのをやめてくれと頼まれてもほぼ強制的に参加を決めてしまいました。
伝記作家の〈ジェイコブ〉と、ラジオ番組を手がける女性プロデューサーの〈イブ〉も同じパーティーに呼ばれています。
マースおじさん、意外にも富豪だそう。
パーティー会場にへ到着したイブ達は、演芸の記念館を造るために買ったらしい廃屋の前で、怪しげな笑い声を聞き、近くに置かれていた銅像のポケットから仕掛けられていたオルゴールとブラウン神父宛ての手紙を見つけました。
その頃ブラウン神父のところでは、先ほどまで神父の横でワインを飲んで上機嫌だったヘンリーが突如急変して、倒れて亡くなるという騒動が起きています。
訃報を伝えるためにもやはりパーティーに出向かねばと頑なにブラウン神父を見て、マースおじさんへの罪悪感を理解しているマッカーシー夫人も付き添いで参加することに。
到着早々にモーティマーに兄弟の訃報を知らせ終わると、ジェイコブとイブからブラウン神父宛ての封筒を差し出されました。
中には死亡証明書が入っていて、その名前はなんとブラウン神父のもの。かなり悪趣味な悪戯です。
未だケンブルフォードでヘンリーの死亡事故の後始末をしていたマロリー警部補も当日に届いたとみられる郵便を見つけており、その中にはヘンリーの名前が載った死亡証明書が。死因は『毒』と書かれています。
自然死による突発的な事故ではなく、殺人事件に切り替えての捜査が始まりました。
廃屋の方では、イブがまた同じ封筒を外階段の下で見つけており、階段の上に続く扉が開いているのを見てゾロゾロと中へ入る面々。
モーティマーは兄の悪戯だと決めつけてかかっていますが、扉の鍵が閉まってしまい密室に閉じ込められる形になり、ブラウン神父を狙ったであろう腹話術人形の内側に仕込まれた針は悪戯の範疇をとうに超えています。
【フィルムを見ろ】というメッセージに従うと、「私を閉じ込めた連中に復讐する日を夢見て入院を乗り切った、2人の弟と“友人”を騙るブラウン神父。ヘンリーは来てないだろ?情けない酒飲みを殺すのは簡単だ」と話し始めるマースおじさんが映っていて、最終的にはこの建物が崩壊して皆死ぬだとかなんとか。
モーティマーは身勝手さが、ブラウン神父は好奇心が命取りになると予言めいた発言を残しています。
再び徹底的に出口を探す事になり、モーティマーの妻が荷物用のエレベーターを見つけたと報告すると、我先にとエレベーターに乗り込んだモーティマーが、そのまま落下していき死亡。
エレベーターのケーブルは切られており、『身勝手故に死を招く』というマースおじさんの話した通りになってしまいました。
伝記の取材中にマースおじさんは『愛する女性が弟に乗り換えた』と語っていたという話がジェイコブから出ておりましたが、モーティマーの妻は夫の死を受けて取り乱したように泣き出し、「モーティマーの事はいいの、マースおじさんよ。私がフッたからあの人は正気を失ってしまったの」と自責の念に駆られています。
そうこうしているうちに、ブラウン神父に代わって針に触れていたマッカーシー夫人に毒の症状が出始め、『毒殺されたヘンリーの兄がパーティーを開いている』という情報をフェリシアさんから得て廃屋にやって来たマロリー警部補達が運良く到着。
階上の窓は空いていて、外に助けを求めたり状況を説明できる余地があったので何とかなりそう感が凄い。
扉をこじ開けて入ってきたマロリー警部補が病院へ運んでくれたおかげで、マッカーシー夫人の嫌味は健在のまま。他のメンバーも無事に廃屋から出られることに。
廃屋で捜査がてらあのフィルムを見ていた警部補に、映像の中のマースおじさんはカチッというクリック音の後に怯えたような表情が見受けられ、銃で脅されていたのかも、という意見をブラウン神父が言うや否やとんでもない勢いでブチ切れだすマロリー警部補。えぇ……なんでそんな??(笑)どう考えてもブラウン神父はそこまでの事を言っていません。
「私をイラ立たせた罪で逮捕するぞ!」というトンデモ台詞を言ってのけた振り切った感で一気にマロリー警部補が好きになってしまいました。並の人間では吐けない台詞です。正直、わろた。
地下室でついたというマロリー警部補の肩に乗る埃と、皆が撤収した後にコソコソ舞い戻って撮影がされた部屋についていた埃や、その場に残されたアイリッシュ系を指す手掛かりに気がつくブラウン神父。
ハンマー片手に地下室へ行くと、案の定セメントで作られたばかりの新しい壁が存在し、壁を壊すと中には捕まっているマースおじさんが。
マースおじさんを介抱しているところに現れましたよ、真犯人。
伝記作家に成りすましてマースおじさんの情報を集めていたジェイコブは、もう1人の“帝国の道化師”…つまりは親族でした。自殺したとされているマースおじさん達の姉の息子だそう。
ブラウン神父を心から恩人だと感じていたマースおじさんは、相続人の1人に指名していて、だからこそ家族でないブラウン神父が狙われる羽目になっていたのです。
奪われた権利を取り戻すのだと躍起になっているジェイコブはかなり辛い思いをして貧困に喘ぎながら生きてきたのでしょう。
母のためにもやり遂げると聞かないジェイコブは頑なでしたが、マースおじさんも隙をついて隠していた銃で応戦。
マースおじさんの銃を下げさせるためにもと、ジェイコブに銃を渡すよう説得したブラウン神父。ようやくジェイコブの手から武器が離れてホッとしました。
マースおじさんの銃は、花でも咲くのかと思いきや普通の水鉄砲。
レディ・フェリシアとマッカーシー夫人の騒ぎ立てで現場へ戻ってきたマロリー警部補にバトンタッチして事件は終了。
命が助かった事よりも、マースおじさんが自分を恨んではいなかったと分かったことがブラウン神父にとっては一番の安堵に繋がったのかもしれません。
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