エピソード6 “The Eagle and the Daw”
あらすじ
夫殺しの死刑囚キャサリンから、告解する代わりに愛人のレイモンドを殺すつもりだと告げられたブラウン神父。レイモンドは銃と家の鍵をブラウン神父に預けた直後、何者かに殺された。現場は密室で凶器の銃も鍵も見つからない。だが、その両方を持っていたブラウン神父は殺人容疑で逮捕された。
ネタバレ感想
死刑囚〈キャサリン・コーヴン〉が、告解をしたいとブラウン神父を指名したらしく、呼ばれた神父は本当に罪を悔い改める気があるのか半信半疑状態で刑務所を訪れています。
看守からは「1秒でも彼女に背を向けないで」という穏やかではない忠告も。
キャサリンは、相変わらず夫殺しについて否定し、その代わり愛人〈レイモンド・ウォラル〉を殺すつもりだと打ち明けてきました。
マッカーシー夫人は『あなたの秘密を知っている、覚悟しろ じきに真実が暴かれる』という“R”を名乗る差出人からの脅迫めいた手紙を読んでいて、夫人の異変を察知したバンティは強引にその手紙を読みブラウン神父にも相談しようとしますが、ブラウン神父はキャサリンからの告解の件で頭がいっぱいでタイミングが合いません。
レイモンドを訪ねたブラウン神父は、引っ越す予定の彼から銃と家のスペアキーを託されました。
ブラウン神父がレイモンド宅に着いた時に銃声が響いていて、彼は鶏を狙うワシに向けて発砲したと話していましたが、預かり物を持ち帰るブラウン神父と、銃声の通報により駆けつけてきたマロリー警部補達は珍しく行き先が真逆に。
ワシへの発砲だと聞いたものの、念のためレイモンドを訪ねたところ、こめかみを撃ち抜かれて倒れている彼を発見。
直前にすれ違っているブラウン神父のところへ大慌てでやって来たマロリー警部補は、密室で近距離から撃たれていて凶器も見つからないのだから「犯人は銃と鍵を持ち去ったはずだ」と言っており、間の悪い事にその2つを自転車の荷台に載せて持ち帰っているところを見られているんですよね。
告解の秘匿義務があるので何のためにレイモンドを訪ねたか話せないブラウン神父。
そして、マッカーシー夫人が捨てた“R”からの脅迫状をゴミ箱から目ざとく見つけるマロリー警部補。こんな時には無駄に有能なのです。
とうとうブラウン神父は殺人容疑で逮捕されてしまいました。
硝煙反応のある銃と家の鍵をもっていたこと、“R”つまりレイモンドからの脅迫に対し口を封じようとした、レイモンドの死の直前に現場にいた、いつも言っている犯行の手口・動機・機会の3点が揃ってしまっている状況で、本格的に犯人扱いです。
手紙を見せていなかった自分のせいだと嘆くマッカーシー夫人と、夫人を慰めながら真相究明に積極的なバンティ。
そもそも何故レイモンドの家を訪ねていたのか、直前までブラウン神父はキャサリンのところへ行って気分が沈んだ様子だったこと、レイモンドはキャサリンの愛人だということ、全てをまとめて考えてみれば、とにかくキャサリンに会って話をしたいと結論が出ます。
ただ、刑務所内には入れないのだからそれは叶わないと諦めているマッカーシー夫人に、何のこっちゃないと言わんばかりのバンティ。
名付け親は理事会議長だというバンティのガンガンコネを利用していくスタイル、嫌いじゃないです。
そしてコネだけじゃなく、頭の回転が早く応用力が効くところもブラウン神父が不在の現状で非常に頼もしい。
霊的指導者、つまりはブラウン神父の代理人だと名乗る事でゴリ押ししてキャサリンに面会した2人は、彼女の攻撃的な態度からブラウン神父を殺人犯に仕立て上げたのだと確信し、真犯人探しをする事に。
死刑囚で刑務所から出られない彼女が直接手を下すことは不可能で、誰かしらを使っているはず、ならば報酬は何なのだろうと考えたバンティ。
咄嗟に女性看守にカマをかけて全てを正直に話させる事に成功しました。
キャサリンに職場内での不倫がバレた女性看守は、黙っている代わりに食事などの便宜を図ったり手紙を出したりという『特別な配慮』を要求されていたと話します。
本来所長が目を通すはずの手紙を内緒で出し、最初は愛人のレイモンド宛てだけだったはずが次第に減っていき別の人間とのやり取りが増えていったそう。その別の人間というのが、刑務所前でキャサリンの無罪を訴えて抗議活動をしている女性です。
収監中のブラウン神父が殺人などするはずがないと全面的に協力してくれている巡査部長は、レイモンド宅付近で銃声がしたと通報したのは誰だったか聞かれて、匿名の若い女性だったと教えてくれました。
同じ頃、抗議活動中の女性をとっ捕まえて話を聞いていたマッカーシー夫人とバンティ。
彼女はキャサリンからレイモンドを守りたいと聞かされていて、彼の見張りを頼まれて何かあれば通報しろと指示されていたようです。そして銃声を聞いた彼女は警察へ通報。
その時町の方へ向かう廃品回収の男は見たけれどレイモンドとは無関係だと話します。キャサリンに洗脳されている彼女は腐った悪党のブラウン神父こそが犯人で間違いないと思い込んでいるようでした。
廃品回収の〈ハリー〉の物置を探ってキャサリンの写真を見つけてきたマッカーシー夫人とバンティは、なんとか彼を事情聴取するようマロリー警部補に掛け合います。
渋々ながらハリーを連れてこさせると、昨日の早朝穴を掘る男が彫刻を施した木箱を埋めるのを見つけて、男が立ち去るのを待って掘り起こし、“レッド・ライオン”の主人に売ったと聞き出しました。
その木箱の中には手紙とキャサリンの写真が入っていて、字が読めないハリーは美しい彼女の写真だけを自分の手元に置いていたのだそう。
売られた木箱を回収して来た巡査部長は、マロリー警部補に見せる前にわざわざブラウン神父のところへ持って来ます。
RWと刻印がされた木箱は頭文字からしてレイモンドのもので、埋めていたのも本人だと考えられそう。もしくは殺人犯がレイモンドの家から盗んできたものか。
中にはキャサリンからの手紙が入っていて、手紙の内容からして彼らは別れていなかった事も分かり、キャサリンがレイモンドを殺す理由もイマイチ分からなくなってきます。
しかし、この手紙を見て外に出れさえすれば無実を証明できると言うブラウン神父を助けるべく巡査部長がはからってくれて、レイモンド宅の鍵を持ってこっそり脱獄してきたブラウン神父(笑)
小競り合いしながら留守を守っていたマッカーシー夫人とバンティも合流して殺人現場のレイモンド宅へ急ぎます。
若者代表のバンティが老齢で巨体のブラウン神父に代わって屋根に登り、煙突の中に隠された証拠の銃と鍵を見つけてくれました。
こういう時シドが居れば頼りになるのですが、やはりシーズン5に入ってから彼の姿が見えません。
銃と鍵が結びつけられたロープの先には重しの石が括り付けられていて、自ら引き金を引いて銃が彼の手を離れると、重りに持ち上げられた証拠の銃が煙突を伝って屋根付近まで引っ張られる細工がしてあったのです。
全てはブラウン神父を陥れるための巧妙な罠で、愛する人を処刑台に送った復讐でレイモンドは自ら命を絶ち、「死んで結ばれよう」と唆してその背中を押していたキャサリン。
ブラウン神父はレイモンド宅へ到着した際に、コクマルガラスの卵が家のそばに落ちているのを見つけていて、彼が何故か夏に煙突掃除をしていた事に気が付いていたので、これが大きな謎解きのヒントになったようです。
ハリーのふりをして脱獄したブラウン神父は、またハリーのふりをして留置所へ戻り、巡査部長の協力がマロリー警部補にバレる前になんとかなりました。もはや本物の犯罪ですが(笑)
全てを託された巡査部長は、“直感”だと言って、証拠品の銃と鍵をマロリー警部補の前に提出。
晴れてブラウン神父は正式な釈放になり、お手柄だった巡査部長にはマッカーシー夫人特製のストロベリー・スコーンという賄賂が贈られました。
全てを画策したであろうキャサリンにお咎めなしというのは微妙な感覚ですが、元々死刑囚なのでこれ以上やりようがないのも事実。刑務所内での特別扱いは打ち切りになったのが彼女への罰ということです。
これに関してはバンティが視聴者の納得しきれない気持ちを代弁してくれて、キャサリンへ仕返しをしてはどうかと意気込んでいましたが、ブラウン神父は何やら高尚なお説教で終わらせておりました。
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