エピソード8『ミラクル』“MIRACLE”
あらすじ
クリスマス・シーズン、ロス市警では小児医療センターの寄付金集めパーティーが開かれ、警察委員長プランクも出席していたが、その最中、違法なバーで銃撃戦発生の知らせが入る。チームが休暇中のホンドーはマムフォードのチームに加わり、SWATの仕事を生で見たいと希望するプランク委員長も防犯ベストを着用して現場へ向かう。
ネタバレ感想
SWATのような公的機関も実際にクリスマスパーティーなんてするのでしょうか?
そもそも海外のクリスマスパーティーは日本人がイメージするそれとは別物で歴史と文化の上に成り立つもので、なおかつ企業としては慈善パーティーで寄付を集めるチャンスという立ち位置なのでしょうが、やはりSWAT本部でドレスアップした人々がシャンパングラス片手に談笑している光景は違和感があります(笑)
お祭りムードとは言え、事件は時と場所を選ばずに起こるもの。
ギャングが仕切る違法バー“カシータ”で銃撃があり、地元警察の応援のため緊急出動命令が出たSWAT隊員はパーティーから退散して現場へと向かいます。
今回はシフトの関係なのか、ホンドーがマムフォードのチームに入る形となっているようで新鮮です。
SWATの装甲車の無敵感は凄まじく、まさにヒーローが遅れて登場するような現れ方が痺れます。
現場を制圧し、撃ち合いになっていた片割れの荷物の中身を確認したところ、金塊を盗み出して追われていた事が分かりました。
どうやら、カシータを経営しているのは麻薬カルテルで、金塊に替える事で資金洗浄した利益をカシータを経由させてメキシコへ送っているようです。
カルテルは必ず報復に出るはずという緊迫ムードに突入し、休暇中だったホンドーのチームメンバーも呼び戻されて、マムフォードの部隊と連携を取りながら各チーム総動員で解決しろとのお達しが出ました。
それもこれも、パーティーに参加していた警察委員会の委員長〈マイケル・プランク〉に対するヒックスのアピールのための命令なのは解せませんが。
まだパーティーの飾り付けが僅かに残った本部で、ドレス姿のジェシカと招集がかけられ私服のまま駆け付けてきたいつもの面子が事件の概要について情報共有する光景は何ともアンバランスです。
強盗犯は、現場で既に射殺した〈ホアキン〉と〈ディエゴ〉の2人組で、ディエゴは金塊を持って逃走中。
バーにあった遺体はディアブロスの一員で、銃撃前に強盗犯と話していた女性従業員の〈レイヤ・モントーヤ〉がディエゴの共犯者かもしれないという所まで捜査は進んでいるそう。
報復対象になるであろうディエゴとレイヤの2人をカルテルより先に見つけるのが今回の任務です。
レイヤは腕に大怪我を負ったまま雲隠れしているそうで、闇医者の〈トミー〉を訪ねてみれば、まさにレイヤが傷の処置を受けている最中でした。
連行してきたレイヤは根から裏社会に生きる女性ではなく、道を踏み外してしまっただけの学位ある若者だったというのは意外です。同じカトリック教徒のディーコンの説得により、ディエゴの素性を情報提供してもらう事に成功しました。
すぐさまディエゴの自宅に乗り込み内部を確認して回るチーム。ホンドーが偽物の壁に気が付き、一瞬時が止まりましたが、隙をついて壁の向こうから発砲され、ディーコンが被弾しながらの銃撃戦に。
壁越しに射撃が命中したディエゴは射殺され、残りの金塊も現場から押収されました。
防弾チョッキのお陰で負傷はしなかったものの、いざ被弾したとなればその衝撃は物理的にも精神的にも大きいでしょう。改めて死と隣り合わせの職業である事を思い出させられた時に少なからず動揺し、思わず妻のアニーに電話して経緯を話すでもなくただ声を聞いて安心しようとする家族想いのディーコンは純粋に応援したくなります。
マムフォードはカシータで警備担当として働いていた、ディアブロスの“リトルE”と呼ばれる〈エンリケ〉を連行してきております。
エンリケの口からも出たように、カルテルのボスは〈エル・マロ〉という男でSWATにも名が知られている雰囲気です。
保護しているレイヤの携帯に動画が送られてきて、カシータでレイヤと同僚だった女性が捕らわれ人質にされており、金塊を返さなければ殺されるから助けて欲しいと訴える内容でした。
エル・マロ逮捕と人質を見殺しにしないために出来る事は、レイヤをおとりに使って上手く相手を出し抜く手段しかなく、民間人のレイヤ本人の意思が重要になってきます。
ここでもディーコンの人柄のお陰でレイヤの信用を勝ち取り、危険な捜査に協力してくれる運びに。ディーコンの誠実さと包容力がとにかく凄まじい。
ぶっつけ本番のおとり作戦では、誰よりも先に敵の攻撃姿勢に反応したディーコンが狙撃を成功させてレイヤと人質の命を守り抜きました。
墓地の地下通路から逃げ出そうとしていたエル・マロもしっかり逮捕し、一件落着。
緊迫した状況下でも、グラミー賞の警備担当にあたれる金のカード争奪戦でお互いの規律違反を指摘しあったメンバーの中から見事カード死守に成功したのはルカとクリス。
これだけでもほっこりするやり取りなのに加えて、ホンドーから新入りのジムもまとめてチームが結束したと認める発言と、メンバーそれぞれにクリスマスの贈り物が用意されているとは…。ホンドーは一体どれだけ良い上司になれば気が済むのか…もはや反則です。
それにしても今回のディーコンが光り輝くエピソードのラストに相応しく、死線をくぐり抜けて息子へのプレゼントを片手に我が家へ帰り着いたディーコンがアニーと抱き合う光景はクリスマスにピッタリなロマンチックさがありました。
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