エピソード1『3世代の17歳』“3 SEVENTEEN YEAR OLDS”
あらすじ
LAにコロナウイルスの脅威とBLM運動が吹き荒れる中、死んだエル・ディアブロの甥ゴメスが麻薬カルテルを乗っ取ったとの情報が入る。ホンドーたちは、ゴメスが潜伏しているという自動車修理工場に向かうことに。
ネタバレ感想
シーズン4で仕切り直しというより、そのまま話は繋がっています。
前回エル・ディアブロについてかなりのフラグを立てながら終わったわけなので、そりゃそうか、という感じですかね。
とは言え、本国では2020年から2021年にかけて公開されたS.W.A.T.シーズン4にも『コロナ禍』という社会情勢が取り入れられた、現実とリンクする部分が出てきています。
91年に市警から暴行を受けた黒人の〈ロドニー・キング〉は、黒人差別の象徴とも言えるような差別的事件の被害者として有名ですが、暴行の一年後の92年に、加害者の警官全員に無罪判決が出た事で勃発した暴動以来、毎年行われている集会は現在でも続いていて、ホンドーの父親も当たり前のように参加するようです。
しかしよく考えるとたった30年ほどしか経っていないのか……。
若かりし頃のホンドーはどこか気の抜けた音楽好きの青年で、今はどの頑固さは無さそう、というよりほとんど面影がないレベルでした。
せっかく復帰したと思ったルカは、研修でベルリンに滞在しており、テレビ電話での登場はあったものの、シーズン4ももしかすると活躍が少ないのかもしれません。
ネタバレが嫌なのでシーズン4を見終わるまで調べるつもりはありませんが、ここまで極端に出てこないとなると、ルカ役の俳優に事情があるのでしょう。視聴者に存在を忘れさせないよう頻繁に名前だけでも出てきたり、全く顔を見せてくれない訳ではないので、不仲や不祥事系ではなく体調面の問題でしょうか?なんにせよ、突然の降板、なんて事にはならないでくれと願うばかりです。
リンチ警部補は〈サイモンズ捜査官〉と“エル・セプティモ”を追っており、残党の一斉検挙を狙っています。
用心深いディアブロが、わざわざアメリカに来ていたかという理由を探った結果、甥で“レンガ職人”の異名を持つ〈ゴメス〉の乗っ取りを阻止するためだったと判明。
叔父が死亡した今、ゴメスにとって組織の乗っ取りは容易いものとなってしまっております。
既に6件の殺人で逮捕状の出ているゴメスは、整備工場にいることも分かっていて、SWATに突入が任されました。
お手製の鋼鉄製戦闘車“ナルコタンク”をぶっ放して派手に暴れるゴメス一派。エピソード1からかなり飛ばしております。
何にせよ隙がないわけでもなく、車輌は武装できても生身の体に対して的確な無力化を謀ればいいだけの話。ゴメスと手下達は抵抗虚しく、燻り出し作戦で逮捕されました。
終身刑は確実だと分かっているからこそ、取引で自分の選んだ刑務所に入りたいと考えるゴメスは、それに見合うだけの情報を売れると仄めかします。
仲介した不法入国者の中に、LAを攻撃しに来た男3人と女1人のグループがいて、決行日は今日のはずだ、と。
街の主要な血液バンクが大爆発を起こし、男3人が乗る日本車から降りてきた自爆犯は、中東系の女性だったと証言が。
ゴメスに情報を吐かせると、密入国後に爆弾を作っていたであろう犯人グループは、サウスLAの何箇所かを下見していた事が分かりました。
至る所に火炎瓶が投げ込まれ、白人の店は容赦ない略奪に遭い、車に乗っている白人を引き摺り下ろしての暴行など、たかが28年前とは思えないような暴動が起こったLAの様子は無法地帯そのものです。その27年前にはワッツ暴動も起こっており、周期的に今回の事件が犯人グループの目論見通り、新たな暴動に繋がりかねないと考えるホンドー達。
容疑者グループらが住んでいたと思われる家からは、とあるYouTuberグループ“ビッグ・ブランドン”のグッズが発見されます。
FBI捜査官の〈バシール〉が「あのふざけたYouTuber?」と顔を歪めますが、グッズの帽子がファンクラブ特典だと知っていたタンは、ボニーの名前を出しているものの自分もファンなのでしょう(笑)
今日もファンが参加できるイベントがペムデイホテルで開催される予定で、ファンなら出入り自由な上に大勢の人が集まるイベントは格好の標的になり得ます。
惨事が起きる前にファン達を避難させていきますが、容疑者の1人は警備員に気付かれた事を悟って、ホテル内に仕込んだ爆弾を爆破。
その混乱に乗じて逃げ出そうと出口に集まる人々が本来の狙いだったようで、銃を持って待ち構えていた仲間の2人が出てきましたが、外を見張っていたクリスが1人を撃ち抜き、応戦してきたもう1人は真横から攻めるホンドーに制圧されました。
爆弾を爆破させた男はタンが生捕りで身柄を確保。
この男達は国際指名手配犯で、ゲーム内のチャットで知り合ったグループだったと分かります。
イベントでの爆発の規模と、押収した材料の量が合わないと気付いたディーコン。
チャットのログを調べてみると、古い記録の中で2011年に複数の場所で続けざまに起こったノルウェーのテロについて言及していた事や、“アメリカ人”と名乗る5人目の存在が明らかに。
白の日本車を追跡した結果浮上した、救急車の運転手〈フランク・タメル〉の自宅に爆弾が仕掛けてあるのも発見されます。
アメリカ国籍で10年もの間救急の仕事をしてきたタメルには一見テロリストの要素は見えませんが、子供の頃中東に滞在していたという経歴からするに、貧困や不公平を目の当たりにしてきた根深い歪みが動機でしょう。
一連のテロ事件での負傷者が1箇所に集められているトリアージセンターが次の標的だと気付いたホンドーは、イベントでのテロに巻き込まれて怪我をした友人に付き添いに行くと話していたダリルを避難させようとするも、連絡は取れず。
爆弾を載せているであろうタメルの救急車輌が、トリアージセンターに突っ込む前に何としても阻止せねばなりません。
空、陸からの追跡で、先回りしてルートを読み、通行止めした橋の上にてタメルの救急車と対峙するSWAT。
警告にも耳を貸さず走り出した車のフロントガラスは防弾仕様で、巻き添えになる危険にヒックスからの退却命令が出ても、それを無視してギリギリまで弾を貫通させようと粘ったホンドー。
思惑通りにいったは良かったものの、ハンドル操作を誤って道路に激突の末、停車した救急車は炎上を始めており、まだ息のあるタミルを急いで下ろして待避した次の瞬間、爆弾に引火して大爆発。
ここでなんとホンドーは爆発の勢いで飛んできた金属片により負傷。死に至るようなものではないのですが、打撲やら骨折やらと違って、こういった生々しいタイプの傷を負う事自体が珍しい事のように感じます。
筋肉やら靭帯やらを損傷すれば、いくら命があってもSWAT生命は終わってしまいかねないというシビアさがあるんだよな、と再認識すると、やはり凄い職業だ。
幸いにもホンドーは普通に歩けていて問題無さそうです。
一件落着したはずが、街がロックダウンされる可能性があるという連絡がリンチ警部補に届いています。
これを視聴している2022年の段階で、もはやロックダウンというのもやや過去の話に感じつつある分冷静に見られます。
ただ、世界中が大混乱に陥ったのは紛れもない事実で、日本のような自粛止まりではなく海外で行われたロックダウンは本当に世紀末感があったのでしょうね。
このコロナ禍がSWATにどんな影響を与えたのか、シーズン4は新たな視点からの新鮮さがありそうです。
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▼次回、エピソード2