エピソード10 “The Judgement of Man”
あらすじ
ビンキー・カドウォラー氏が館長を務める、ベルヴェディア美術館で、“最後の審判”を描いた名作が展示されることになる。内覧会前日に美術館を訪れたブラウン神父は、美術館の外で因縁の相手、大泥棒フランボウの姿を見かける。絵が狙われていると確信したブラウン神父は、サリバン警部補のもとへ。半信半疑のサリバン警部補だったが、更にそこに、爆発物づくりが得意の仮釈放中の男が逃走したという知らせが届く。
ネタバレ感想
ゲシュタポに回収された、『最後の審判』を描いた1452年の宗教画。
現在所有権を持つバチカン市国から借りてきたこの絵を目玉にした夏の内覧会が開かれるらしく、ひと足先に“ベルヴェディア美術館”内を館長の〈ビンキー・カドウォラー〉に案内してもらっているブラウン神父。
警察が警備を担っており、サリバン警部補とこんな場所でもバッタリ出くわしております。
警備システムは万全だそうですが、念のため〈ナイランド巡査〉が警備にあたることに。
『ピクチャー・マガジン』の取材で来た記者の〈レベッカ・ヒメルバウム〉は何か思惑がありそうですが、それとは別に美術館前でフランボウを見かけたブラウン神父。
内覧会の最中にあの絵を盗み出そうとしているに違いない、と警察に情報提供しす。
最初は取り合わなかったサリバン警部補も、仮釈放になった〈マッコーネル〉が観察官に連絡せず逃走したと聞いてすぐさま、館内の警備を堅める指示を出しました。
マッコーネルは爆発物ならお手のものという犯罪者らしく、フランボウと手を組まれては厄介です。
フェリシアさんは石油事業を生業とする美術品の収集家〈チャールズ・コイナー3世“チップ”〉に扮するフランボウと知り合いになり、あろう事か内覧会に一緒に行かないか、とお誘い。
そういえば怪盗フランボウの姿を見ているのはブラウン神父とシドだけでしたっけ?マッカーシー夫人やフェリシアさんは知らないんですね。
内覧会に来たら公務執行妨害で逮捕するぞと脅されていたブラウン神父ですが、結局別人の司教に成りすましてマッカーシー夫人とシドを連れてちゃっかり館内へ。
マッコーネルが仕掛けた爆発物を見つけたシドをサリバン警部補が見つけ、爆弾が観覧客の前に出てしまい館内はたちまちパニックに。
この騒ぎに乗じて絵画を盗み、外へ出たフランボウは未だ正体がバレていないフェリシアさんを守るフリで逃げ出します。
フランボウと宗教画も大事ですが、ブラウン神父は館長ビンキーの姿が見えない事も気になるようです。
サリバン警部補いわく、実はビンキーは偽の入札で絵画の値を釣り上げるという詐欺まがいのことをしていて警視庁の捜査対象となっていたそうですが。
ユダヤ人一族の所有する美術品の情報を親衛隊に密告する事で、自分も略奪品の分け前を貰っていたビンキー。
記者のレベッカも同じ被害に遭って強制収容所に入れられていた過去があり、その後長い時間をかけてビンキーへの復讐を企てておりました。
そしてこの女性、まさかのフランボウとかつて恋人同士だった関係があり、こんなところでまさかの再会になるとは。
フランボウがビンキーの絵を狙った理由もここにあると考えれば、再会も必然だったのでしょうか。
ビンキーを密室に閉じ込めてガスを撒き、同胞と同じ目に遭わせようとしていたレベッカ。しかし彼女を殺人犯にしたくないという点では、フランボウとブラウン神父の利害が一致します。
なんとかダイヤル式の扉を開けて、ビンキーは命だけは助かることに。
レベッカとフランボウをそれぞれ逃がしたブラウン神父でしたが、フランボウを逃がす直前には「雨が降ってくる」という彼にトレードマークの傘まで貸してやった神父。
いつ返ってくるかも分からんのに相変わらずだなぁ〜なんて思っていたら、ここに伏線が隠されておりました。
爆弾騒ぎで美術館から出る際に、警察の目を隠すために一旦ブラウン神父の傘へ盗んだ絵画を忍ばせていたフランボウ。
その後、フェリシアさんの家に神父が来る事までは読んでいたものの、ブラウン神父が美術館のクロークに傘を忘れてくるというのは誤算だったようです。
フランボウが傘について言及したあたりで気付いていたのか、貸し出した傘の中から既にあの絵を取り出していたブラウン神父。
今回、してやられたのはフランボウの方だったというわけです。
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▼次回、エピソード11