エピソード4 “The Chedworth Cyclone”
あらすじ
ブラウン神父は地元出身のボクサー、ジェブを支援しているが、タイトル戦の朝、同じボクシングジムの古参のボクサーが死体で発見される。タイトル戦を仕掛けたプロモーターは、ロンドンのナイトクラブを所有するギャングで、八百長試合を行った前歴があった。ボクサーの死に不信を抱いたブラウン神父は捜査に乗り出す…。
ネタバレ感想
一見、神父とボクシングに親和性を感じませんが、新進気鋭のボクサーは地元の元不良少年〈ジェブ・コーニッシュ〉で、更生の一環?でボクサーになった選手に資金援助しているブラウン神父。
アマチュア戦でトロフィーを勝ち獲ったジェブはすっかり時の人となり、プロモーターの〈デニス・ネルソン〉はこのチャンスを逃すまいと早速タイトル戦の話を持って来ています。
目下7連勝中のロンドン東部最強の男〈デボン・ホイル〉と戦えると聞いて喜ぶジェブ。
やり手ビジネスマン風で手段を選ばないタイプのネルソンは、チェルトナムの町民会館を試合会場にするため、美人局で脅迫して許可を下ろさせていました。それもそのはず、バンティによればネルソンはギャングだそうで、そんな男に支援しているアマチュア選手達が利用されないよう引き続き見守らなければとブラウン神父は使命感に燃えています。
選手を金儲けの駒程度にしか見ていないネルソンに対し、トレーナーの〈テディ〉は厳し過ぎるところがあるも、トレーニングに遅刻して来たジェブの話を聞いてやってくれとブラウン神父に頼むぐらいには面倒見の良い男です。
話を聞いてみると、運命の女性に出会ったとかで試合だけには集中できないジェブ。試合に勝ったらプロポーズするとまで言っていますが、これも美人局の香りがプンプンします。
酒浸りで試合にも出してもらえなくなり、ジェブへの嫉妬を微塵も隠そうとしないやさぐれ選手の〈ロイ〉は、スパーリングの相手に名乗り出て怪我をさせる気まんたんだったり、その時点でも酔っ払っていてとうとうテディから出入り禁止を言い渡されました。
タイトル戦当日の朝、ブラウン神父がジムへ行くとテディもちょうど来たところでジェブと連絡が取れないと嘆いています。
ジムの鍵は掛け忘れられていて、中では階段から転げ落ちて死んでいるロイの姿が。
頭の傷から見て後ろ向きに落ちていて角度が不自然な点と、ジムの床に乾いていない血痕があった事で、警察は事故ではなく他殺として捜査を始めます。
スパーリング中に揉めていた事を聞きつけて計量中だったジェブを連行してくるマロリー警部補。やんちゃ時代には暴行罪で少年院行きも経験しているジェブがいくら更生したと言っても、状況的には不利な空気です。
ネルソンの恋人〈リタ〉は、ネルソンが経営するカジノで働いていたそうで、ロイはその店でドアマンをやっていたから面識があるはず。
試合に出して欲しいと縋るロイをネルソンが突き放すのを見ていたブラウン神父は警察にこれを証言するも、彼のアリバイはリタが証明しているそうで、何らかの形でアリバイを崩さねばなりません。
リタのところへ行き、ジェブが木曜に会うと話していた女性がズバリ彼女のことだろうと軽量会の2人の雰囲気を見て察したブラウン神父は指摘し、ジェブと居たはずなのにネルソンを庇ってアリバイを証言していた裏が取れます。とは言え、ブラウン神父だけがそれを分かったところで彼女がギャングを敵に回してまで偽証を撤回するとも思えません。
ブラウン神父がリタのところへ来ていた事を知っているネルソンは、ジェブの保釈金を払って身元引受人にブラウン神父を指名。
テディはネルソンから多額の借金をしており、弱味を握っているネルソンは八百長を要求していました。
町中の人間が地元の選手であるジェブに賭けている中でジェブが負ければネルソンのところへ大金が入ってくるというわけです。
ロイが死んだ計量前日の夜、ジムに来たネルソンから借金を返せと迫られ、支払えないテディは八百長話に乗るしかありませんでした。
テディから負けてくれと言われて猛反発していたジェブのところへ、顔にアザを作ったリタをこれみよがしに連れたネルソンが『激励』にやってきます。
そこで、リタに手を出していたことがバレたと悟ったジェブ。これで八百長の話まで乗らなければ命を狙われかねません。
試合が始まりジェブがかなり劣勢な中で、思い直したテディはセカンドへ戻ってどんな代償を払ってでもこの試合に勝とうと伝えます。
葛藤が振り切れたジェブはあっという間にペースを取り戻して逆転KO勝ち。
試合の盛り上がりに乗じて、バンティとマッカーシー夫人がネルソンの邪魔をしている間にリタは逃げ出します。リタを庇うほど2人は親交ありましたっけ?(笑)
試合が終わって優勝賞金を手渡し、急いでジェブを逃がすテディ。その頃リタもネルソンが入れていた金庫の金を回収して持ち逃げしようとしていて、ブラウン神父からジェフが待っているという伝言を預かるも「私にはいい人過ぎるわ」との事。
代わりに取引の全てが記されたネルソンを有罪確定に出来るノートをブラウン神父に託して出て行くリタ。
今回ばかりはかなり良いタイミングで現れたマロリー警部補に絶妙なアシストを入れて手強いネルソンを逮捕。
ちなみに、ネルソンがジムに来ていた夜、私物を取りに来たロイはテディが金を受け取って八百長話に乗るのを覗き見てしまいます。
分け前をよこせと強請ってきたロイをこのまま帰すわけにはいかないと感じたテディは激情のままに鈍器でロイを殴りつけて殺し、階段から落として事故に見せかけていたのです。
行き場のない不良少年達を守るためだったと言い訳するテディはその後ちゃんと自白したのでしょうか?
何にせよ、ネルソンが捕まったので少し余裕が出たジェブはリタが自分に会いに来るのを待ち、思い直してジェブへの愛情に素直になる事にしたらしいリタも遅れて登場し、2人は幸せそうに駆け落ちしていきましたとさ。
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