エピソード2『絶望』“Verzweifelt”
あらすじ
ヴィクトル・ラーレンツは得体のしれないアンナ・シュピーゲルのことをもっと知ろうとする。情緒不安定な女性の本当の狙いは何なのか?一方ロートは怪しい治療法を用いて、上司から目を付けられる。
ネタバレ感想
あの店のオーナー〈ベンイェ〉は隣のホテルまで管理しているらしく、他にも色々と多岐に渡って携わっている様子で、この島は彼女がライフラインそのものな感じ。
ホテルに行ってアンナが何者か知る必要があるから部屋の鍵を開けてくれと直談判するヴィクトル。職を失うから協力出来ないと断るベンイェを現金で買収し、彼女自らが同行するという条件付きでアンナの部屋を開けてもらいました。
ベンイェがアンナが持っていた精神医学誌を見て、別荘の話なんてどこにも載っていないと不審顔。大した収穫はなく、もし彼女が戻ったら大事な話があると伝えてくれと頼み、味を占めて現金を要求してきたベンイェのためにATMで金を引き出そうとするもカードは使用不可な上にATMにカードを吸い込まれてしまいました。
後ほど家に戻ってパソコンで口座を確認してみたところ、なんと残高は0の状態。イザベルに電話してみると、『この番号は現在使われておりません』のアナウンスが。そのままウォルフガングに連絡してまたメッセージを残しましたが、うーん……過去に繋がりがあった周りの人々と一度も連絡を取れていないのが気になりますね。
ヨーズィとの最後に繋がりそうな回想シーンは徐々に長く見られるようになってきて、血の気の引いた青白い顔で鼻血を出すヨーズィを後部座席に乗せたヴィクトルが慌てて病院かどこかへ行こうとしているのかと思えば、ブレーキも効かない状態で森の中を走り抜けていたり。ただの夢なのか、抑圧されて記憶にないけれど現実に起こった過去の出来事か。後者に一票。
ヴィクトルのところにはあれほど探し回ったアンナが自ら訪ねてきて部屋着を返すと、「あなたが助けてくれないなら他を当たらなきゃ」と引き止めるのも聞かずに帰ろうとするので、「診察させてくれ」と必死に説得。
ロート医師は、新しく自分が担当することになった患者に対してこれまでとは異なる強い作用の鎮静剤を投与するようメルゲントハイマーさんに指示を出しました。その結果、翌日に回診に行くと患者はベッドの上で拘束されており、聞けば新しい薬のせいで興奮して激しく取り乱したのだとか。それでいて新しい薬“セルヴァクス”は変えないの一点張りで、何やら裏がありそうなロート医師の意図が読めません。
〈ゲッスル院長〉に呼び出されてこの件を咎められるも、真っ向から噛みつき、自身の選択が正しいと信じている様子。
かつて、PTSDに苦しむ軍の兵士に対して違法薬物でもある“MDMA”を投与したことについて会議にかけられたロート医師。その際に裁く立場側にいたヴィクトルは「元は止血剤として開発されたMDMAを標準的な治療では効果のなかった大尉に厳重な管理の下で投与した」という言い分を聞いてただ1人ロート医師を庇い、周りも巻き込み場の流れを変えておりました。ヴィクトルの存在があったからこそ、ロート医師は医師免許剥奪を免れていたようなもの。
そんなマッドドクター寄りなロート医師は、貸し倉庫を頻繁に訪れて中で動物実験を行っていたところ、飼育していたラットが全滅する事態に。
ただ、ずっとベッドで寝たきりな上に鬱傾向だった患者は思い切った投薬が功を奏したのか、庭に出て晴れやかな顔でロート医師に感謝を伝えております。いやぁ……反動で突然死でもするんじゃないかというほどの変わりっぷり。これでは院長も黙らざるを得ません。
反抗期の娘のSNSを追って、必死にミラを繋ぎ止めようとするロート医師ですが、「親友が消えた時もいなかったくせに」と心を閉ざされております。親友というのはヨーズィのことか。となると、時系列が不明だったロート医師の新医長就任は現在進行形の話ということですね。
引き留めたアンナに、娘と2人で作ったお互いを呼び出す曲は家族3人しか知らないはずなのに何故君が知っているのかと尋ねるヴィクトル。
昨日その曲を演奏していたことを指摘するも、「私は弾いてない」との答え。更に、シンドバッドの姿が見えなくなりますが、アンナは「犬なんて一度も見ていない」と。
アンナが話した『家に悪魔がいるから帰りたくないと泣いている少女』の話を聞いて、娘をどこへやったと問いただすヴィクトルでしたが、飄々とした態度のアンナはそのまま帰っていってしまいました。
シンドバッドを探し回り、村長のところにも行って話を聞いてもらっている際の受け答えが伏線めいていて怪しいなぁ……そもそもアンナのことを「神経過敏で感情の起伏が激しく精神的に不安定なんだ」と言っているヴィクトル自身がその状態ですし。
アンナが娘の行方を知っていると聞いた村長は、小型の銃に弾を込めて「枕の下に置いておけ」とヴィクトルに渡そうとしましたが、受け取らず。
ミラと仲良くなって程なくして、よく鼻血を出すようになったヨーズィを色んな医者に診せて回ったヴィクトルとイザベル。原因も分からず、イザベルは怪しい民間療法を代替医療として取り込み始める始末。
ミラに影響されてどんどん年頃の反抗期らしくなっていくヨーズィは、ある日ミラと2人パトカーに乗せられて帰って来ます。どうやら飲酒して補導されたようです。ここまできても娘に対しては理解ある父親風で大した説教をするでもなく、ミラの父親のロート医師には「娘を巻き込むな」と半分八つ当たりするヴィクトルもなんだかなぁ。そもそもが娘を幼い頃のままだと思い過ぎてそういう風にしか扱っていない節も気になるところ。
相変わらずシンドバッドを探し回っていたヴィクトルは、落ちていたハンマーを見つけるのですが、その近くにはシンドバッドの死体が。うわぁ……。
何に使うつもりなのか、チンピラからスピードを買おうとして現金を見せたところ、人気のないところで渡すと連れて行かれ、殴り倒されるロート医師も。
まともな登場人物がゼロ過ぎて誰にも感情移入できません。
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