エピソード5『ゴーティマーとバイオリンの音色』“Gortimer and the Vengeful Violinist”
あらすじ
ゴーティマーは謎のバイオリンの音に悩まされ、勉強と睡眠を妨げられる。また、生物学の授業に興味が持てないことを、疫学者の父親に隠しきれなくなる。
ネタバレ感想
疫学者の父を失望させまいと嘘を重ねるゴーティマーですが、生物学の授業には全く身が入らず興味も持てないようです。
深夜、どこからともなく聞こえて来る不気味なバイオリンの音色で眠れなかったという話を聞き、不気味な現象にさっそく食い付いたメルは調査を始めることに。
あれだけ頭脳明晰で大人びているにも関わらず『不気味』というワードを聞いて心底楽しそうに向かっていくギャップがメルの良さでもあります。お高く止まっていないというか。本来メルの立ち位置ってすぐに無謀な事を始め出すゴーティマーとレンジャーを止めに入りながらも巻き込まれるというイメージじゃないですか?それが率先して突き進んでいくので、なんだか潔い子供心を感じます。
夜になりまたバイオリンの音色が鳴り響くも、メルとレンジャーには聞こえない様子。
メルが仕掛けておいてくれた録音装置にはしっかり音が入っており、街のレコード店?なのかとにかく音楽の専門家〈フィル〉に聞きに行くことに。
曲を聴いてすぐに「伝説のバイオリニスト〈ミロシュ・ドブラヴァ〉だ」と答えが返ってきます。演奏の中に誰にも真似出来ない彼の癖が入っていてすぐに分かるようです。
30年前突然姿を消したというドブラヴァは、案の定既に亡くなっており相手は幽霊と言うことに。
ゴーティマーの寝不足が及ぼす影響はどんどん深刻な感じになってきているはでメルとレンジャーも解決を急ぎます。
音の出所を突き止めた三人はその怪しげな屋敷に近づいて中を覗き見ると生物学の先生がバイオリンを奏でている様子がありました。
驚いて音を立てても反応せず、目を瞑って演奏する様子は無意識かのようで、メルが撮った写真を確認するとバイオリンに『コユゼック』の文字が。コユゼックはドブラヴァの最期の言葉でもあり、ますます繋がりが濃厚に。
フィルから連絡が入り、数枚しか出回っていない最後のアルバムの中にある曲が例の曲にそっくりで、どこか違うのは二重奏の伴奏だからではないかとのこと。
二つの音を一緒にしてあげないと、と真夜中先生の家を訪ねる三人。
先生は困惑しながらも、祖父であり育ての親であるミロシュ・ドブラヴァが自分につけてくれたあだ名が『コユゼック』だったと話すのです。
先生は、偉大なバイオリニストである祖父からバイオリンを贈られるも、バイオリンの稽古漬けの毎日が苦痛でしょうがなく、かと言って期待を裏切るような事を打ち明ける事もできずある日黙って家を出てしまった過去を後悔しているそう。
その後悔の念が夢遊病のような状況を作り出していたのでしょう。
『私を許して』というタイトルがつけられた例の二重奏のレコードをメル達が手渡すと、ようやく二つの伴奏が一つに重なり合いました。
大切な人だからこそ失望させたくない、という思いを待つ者同士波長があって、ゴーティマーだけにこの音色が聞こえていたんですね。
その夜ゴーティマーは父親に連絡し、「がっかりすると思うけど、医学はやりたくない」と打ち明けます。父は息子を全面的に応援していると伝え心底ホッとしたゴーティマー。
ようやく安眠できる日が来そうです。
愛する人を失望させるのは怖い
何が怖いのだろう?本当の自分を拒否されること?
でもその恐怖に打ち勝てば、愛する人の意外な反応と支援を得られるかもしれない
少なくとも不安を取り除けばよく眠れるのは確かだ
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▼次回、エピソード6