エピソード13『ゴーティマーたちと流れ星の夜』“Gortimer, Ranger and Mel vs. The Endless Night”
あらすじ
3人は山小屋に出かけ、それぞれの悩みを忘れて最高のひと時を過ごす。その時間がずっと続いてほしいと星に願うが、果たしてかなうのか。
ネタバレ感想
思わぬ感動と切なさがあったシーズン2もこれで最終エピソードとなりました。
メルとゴーティマーと何週間も遊んでいない事を気に病む息子レンジャーに、山小屋でのお泊まり会を提案したレンジャーママ。
ちょうど流星群もあるようでなんとか誘い出そうとメルの好きな天文学までわざわざ調べておくレンジャーの健気な姿が堪りませんな。
「パパを置いて行けないわ」と断るメルでしたが、話を聞いたパパが「どうして行かないんだ、行って日光を浴びてこいパパは大丈夫だ」と説得してくれました。
これまたアビゲイルにふられて傷心気味のゴーティマーにも必死のお誘いをかけ、「そんな気分じゃない」と断られれば、先に誘い出せたメルをダシに「みんなで行きたがってたけど仕方がないね」と言ってやれば一発です(笑)
伊達に三人で長らく親友やってる訳ではないのです。
ただし何とか連れ出せたはいいけれど二人とも浮かない顔で上の空のよう。まぁ、こればっかりはしょうがないですね。
山小屋について早々雨は降り出すし、メルとゴーティマーそれぞれにお互いが来て欲しがっていたと嘘をついて連れて来た事がバレてしまうわでイマイチ盛り上がらない空気のままかと思いきや、彼らには積み上げてきた過去と想い出があるのです。
レンジャーが見つけてきたコンテナの中には古いおもちゃやガラクタだらけですが、三人にとってはどれも思わず笑みが溢れてしまうような懐かしさで溢れています。
想い出話に花を咲かせゲームをしているうちに空も晴れて次から次へと星が流れていく流星群の美しい光景が頭上に広がりました。
三人ともが「ずっとこのままでいたい」と星に願いを込めて呟きます。
そしてこの純粋な願いがとんでもない形で叶ってしまう事に…。
焚き火でパクパクとマシュマロを食べ続けているはずのゴーティマーですが、マシュマロの数は減らないし、トイレに行ったはずのレンジャーはそのまま焚き火の前に戻ってきてしまいます。同じ流れ星が繰り返し流れ続け、この瞬間がずっと続いている事に気が付いた三人ですが、満場一致でこのままの時間を過ごしたいと感じ思う存分遊び続けました。
メルはこの奇妙な現状を、元の宇宙の中に小さな宇宙が生まれた『ポケット宇宙』だと推測。
何日もの日々を繰り返しさすがに色々と飽きが生じてくると共に、他の友達や家族がこの場に居ない事も気にかかってきます。
ゴーティマーが思わず言った「ママが恋しい」というセリフに「わたしも」と呟くメル。
何も考えずに言ってしまった言葉を謝るゴーティマーでしたが、本当は弱音を吐きたかったメルは本心から「ママが恋しいわ、パパもね」と話し、そろそろ元の日常に戻ろうと決心します。
そして自分たちが願いをかけた星と同じ物をまた見つけて「この夜が終りますように」と祈るも繰り返しは終わってくれません。
「最初の願いと違って本気じゃなかった事が問題かもしれない」と気付いたメル。
ママがいない毎日が本当の日常なのか分からないままで元に戻りたいだなんて本心から願えなかったのかも、とママの居ない現実を受け入れる事を恐れている気持ちを話します。
するとゴーティマーも、アビゲイルから「キャンプを楽しんでる」という手紙を貰い寂しかったのにそうじゃない振りをして、おまけに「彼女が出来た」と嘘の返事まで書いてしまったのにアビゲイルには喜ばれ、もう嘘は嫌だけど本当の事も言えず八方塞がりの現実に戻りたくなかった、と打ち明けました。
本心を曝け出してしまった事でもう心から願えると感じ、もう一度星に願いをかけるもやはり戻れません。
そこでようやくレンジャーが自分が原因だと重い口を開きました。
戻ってもつらいだけで、ここに居れば死や悲しみ、変化と向き合う必要がないからこのままでいいじゃないかと主張するレンジャー。
以前はいつも一緒だったのに今は二人をここに誘うのにも苦労した、と寂しい気持ちを漏らすレンジャーに、日常は移ろいゆくものだし人生は山あり谷ありだけど自分達の関係は変わらない、と語りかけたメルとゴーティマー。
こうして三人が現実と向き合う心の準備を済ませて星に日常を願い、ようやくこのループから抜け出す事が出来ました。
シーズン1以上に大人と子供の狭間で真剣に生きるゴーティマー達の成長と友情の絆が印象に残るシーズンでした。
特に11話〜13話の一連の流れは大人が見ても…というより大人が見たほうがくるものがあるような気がします。
毎回彼らはちょっとした教訓を学んでいくのですが、自分達の力だけではどうしたって変えることのできない悲劇的な運命や変化にも、彼らなりに折り合いをつけている様子がいじましくて、親のような気持ちで見守ってしまいました。
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▼次回、S2part2エピソード1