海外ドラマ≫≫ MR. ROBOT ミスター・ロボットシーズン2　4話ネタバレ感想

エピソード4『初期化』”eps2.2_init_1.asec”

あらすじ

エリオットがレイを友達に追加。これでミスター・ロボットを消去できる？ドムはデカい発見。ダーリーンは悩む。FBIとダーク・アーミー。どっちがヤバい？

ネタバレ感想

ダーリーンもパニック発作待ちらしく、精神的に不安定なのは昔からだったんですね。

二人の家庭で見せられていた『資産家階級の注意深き殺りく』というなかなか偏りながら風刺を効かせた映画に出てくる仮面がそのままf・ソサエティの象徴でもあるあの仮面に使われています。

かつてオールセーフとは別の？セキュリティ会社に勤めていたエリオットは、システムの脆弱性を探すため何度も侵入テストとしてハッキングを繰り返している最中に、サーバーがダウンできずサーバー室に自分を閉じ込めて数時間、いつの間にか眠ってしまっている間に全サーバーが壊れていたというのです。

その間の記憶がエリオットには全く無く、判事の命令で精神科医に通うことになったという経緯が明かされました。その後アンジェラに誘われてオールセーフに入社したようですね。

この頃はまだダーリーンの事も妹と認識していますし、今よりも遥かに自分の話をしているところを見るにやはり現在のエリオットはどんどん病状が悪化しているのだな、と再認識させられます。あとクリスタの元に自分から通うようなタイプではないのも不思議だったのでこの過去には納得しました。

妹とふざけ半分で父親のジャケットを羽織り仮面を被ったエリオットが「オールセーフで働くべきかも、トロイの木馬になれる連中を倒せるぞ」と呟いた瞬間からミスター・ロボットの世界改革計画が始まっていたんですね。

タイトルを出すとともにズギャーーーーーンと鳴り響くSEやめてくれ(笑)音量注意です。

時間軸が現在に戻ると、ダーリーンがエリオットに頼み事をするため寄り付かなかった実家に訪ねて来ます。娘が帰ってきても母親が空気かつ不穏な存在感だけはゴリゴリに放っている不自然さが妙にホラーです。

ギデオンまで殺されるという想定外の事態になっていてこれ以上関わるのは危険だしダメだと言ったところで、ダーリーンからすればそもそも事を始めたのもエリオットですし今更何言ってんだって話でしょうね。

「目の前のあんたは役立たずよ」とはねつけられますが、エリオットは初期の頃のようにダーリーンを注意深く観察し、何か隠し事をしていると見抜く程度にはしっかり意識を保てています。

ディピエッロさん主導でパーティー会場だったゲーセンの大捜索が始まります。おびただしい数の指紋が付着しているでしょうしどこから進めるんだ…と思いましたが、SNSに写真を上げている人物を取り調べるだけでなく、パーティー時にDJをしていたモーブリーが割れているという事で意外と早く辿り着いてしまうかもしれません。

どこにでもあるようなゲーセン跡地を徹底的な捜査に踏み込ませるからには何か裏付けがある訳で、それは野性の勘…ではなく、ゲーム機の後ろから出てきた薬莢が疑惑を確信に変えていたようです。

ドス黒い本性を隠したまま精神的に追い詰められたエリオットに寄り添うように語りかけるレイにまんまとハマっていきそうなエリオット。

自分自身を倒せるかもしれないぞ、とチェスを持ち帰り自分相手に一人でプレイする事を勧められ、その通り盤を広げると出て来たミスター・ロボットと珍しく落ち着いた会話を始めました。落ち着いているといっても妄想の自分と一人で喋っている時点でだいぶイカれてますが。

ミスター・ロボットから「俺たちの駆け引きもこれで最後だ勝者が全てを得る、お前が勝てば何だって好きに告白すればいいし俺も二度と戻らない、お前が負けた時は今後俺が全てをコントロールする」と決着を賭けたチェスでの勝負に誘われたエリオット。

エリオットが負ければ、全てがミスター・ロボットの支配下に…つまりハッキングの夜から意識を喪失した3日間のように永遠に時間を失い虚無の存在となるらしくかなりリスキーなお誘いです。

これをクリスタとのカウンセリングで話すと「そのゲームは危険過ぎるわ勝っても負けても自分の一部を破壊することになるしそれは簡単なことじゃない、幸か不幸か彼もあなたの一部なの」と言われるのですが、エリオットは心の中で「消すしか方法はない」と逆に決意を固めてしまっております。

『E・コープ幹部逮捕劇』の見出しで〈チャトニー上級副社長〉と〈ワインバーグ本部長〉が白昼堂々逮捕されたと報道がありましたが、結局アンジェラはプライスに貰ったあの証拠を使ったんですね。自分の望む物を出し、豪邸や仕事を与えるプライスは何か頼みがあって貸しを作りたいんだと話すアンジェラはまだまだ高飛車フルスロットルで嫌な女が爆発しています。

実際にプライスがアンジェラを使って何かをしようとしているのは確からしく、ホワイト・ローズと電話で話している様子ではとんでもなく大規模で穏やかではない計画を考案しているようでその何かにアンジェラを使おうとしている事が伺えます。『E・コインの計画』とは果たして…。

f・ソサエティの拠点捜査など、FBIの捜査状況まで把握できるホワイト・ローズは本当に何者で何が最終的な目標でプライスに留まらずエリオットという正反対の立場の人間と関わったのでしょうか。未だ謎だらけで時間に厳しい大物オカマとしか言いようがありません。あと秘書みたいな若い男にお熱なご様子。

同じく謎だらけの人物と言えばウェリック夫人です。未だ戻らない夫は置いといて、若い男を大金で雇って口裏を合わさせたり、資金繰りが厳しくなればノウルズの家を訪ね、夫の退職金を払うよう取引を持ち掛けたり、上手く行っているとは言い難い苦しい現状のようですがこの人は必ずどうにかさせそうなんですよね。

元彼シスコと接触のあったダーリーンは、彼から拠点のゲーセンがFBIに捜査された事を聞き、自分たちの状況は不安定どころじゃないから早くロメロが殺された事もエリオットに話せとキツく言われます。

更にロメロはFBIを調べていた事も話し、FBIが何かをつかんでいてロメロはそれに気づき、恐らく監視捜査である極秘作戦『ベレンスタイン作戦』の参加者の名簿を印刷していた、とも伝えます。

という事はつまりFBIの監視下にあるかもしれない訳でかなり危うい立場ですが、それを聞いたダーリーンが「街を出る」と言っても、シスコはそれじゃダーリーンがタレこんだと疑われてダーク・アーミーから命を狙われるから駄目だと自分を頼るよう言い聞かせました。シスコを頼ればどうにかなるような問題なのでしょうか…。

ドレッドヘアーのチャラさに似合わずレオンは地味に頭が良さそうです。あくまでも地味に。

「存在ってのは美しくも醜くもなり得るがすべてはお前次第さ、手に入れたい未来を見つけろその未来が気に入らねぇなら今消えた方がマシだ」とエリオットの視界が開けるような簡潔で妙に説得力のあるアドバイスをくれます。

その夜エリオットは自分の夢見る理想の未来を思い描きますが、そのどれもがTHE普通の幸せといったような人との関わり方で『孤独とは無縁の未来』は見れば見るほど現実との格差に泣きそうになってしまいます。

ただし、その未来の行き着く先には崩れ落ちる悪魔・コープとミスター・ロボットのために開けられた席も。つまり根深いところの願望では打倒悪魔・コープは変わらずミスター・ロボットの意志を継ぐというか共存というか、そんなところがあるように見えます。

自身の求めていた世界のためなら喜んで戦ってやると意気込んだエリオットはミスター・ロボットとのチェス勝負に応じるも、引き分けが続き「何度やったって袋小路に入るだけでお互いに倒せないんだ」と気が付きます。

ミスター・ロボットはそれを分かっていて「俺との戦いが無駄だと分からせるため」あえてチェス勝負を持ち掛けたのだとか。もう一人の自分の存在を認めさせるために。

「私たちはクラッシュしてる、力を貸してちょうだい前のあんたにもどって生死に関わる問題なのよ、皆マズい状況にいるの」とダーリーンからヘルプの電話がかかってきたエリオットは、どこかから情報が漏れているかもしれない現状を教えられます。

実家を訪ねて来た際に、役立たずのエリオットではなくミスター・ロボットを出して計画の話をさせろと言っていたダーリーンに対し、「あれは本気か？俺じゃなくヤツが必要なのか？」と確認するエリオット。この次の台詞で全てが変わるというドキドキ感があります。

「必要なのは、あんただけ」というダーリーンの言葉で目の色が変わったエリオットは「問題ない、任せろ」とついに覚醒を見せてくれました。

その足でレイの元に向かい「勝者はいない」と話しチェス盤を返すと「パソコンの件を俺に手伝わせてくれ」と言います。

「君は選ばれし者だ、聞こえてくる声は神のお告げかもしれないぞ」と話すレイ。

ヤバい仕事に手を付けてしまった感は否めませんが、とにもかくにもようやくの現場復帰です。

FBIの捜査およびベレンスタイン作戦なる監視プログラムの件とロメロが殺された事も聞き、「妹がヤバいんだ、他に選択肢はない」とFBIのハッキングを宣言するエリオットに痺れます。ただ、レイが付けた監視役の〈ローンスター〉も、サイト移転の仕事も早々にほっぽり出してええんかい(笑)と思ったり思わなかったり。

今度はFBIを相手に壮大な戦いが続きそうでこれまた楽しみです。

MR.ROBOT/ミスター・ロボットシーズン2