エピソード9『家族旅行』”The Trip”
あらすじ
実の父親の存在を長年隠されていたことを知ったランダルは、母親への怒りが収まらない。そんな中、思い出があふれる別荘を母親が売ってしまう予定だと聞き、3人で別荘へ向かう。
ネタバレ感想
レベッカの裏切り行為に腑が煮え繰り返っているランダルですが、ここまで子供のようにしつこく口に出して嫌味を言い続けられるとむしろ潔い感じもします(笑)
子供時代が詰まった思い出の別荘を母親が売却してしまうと知ったケイトは兄と弟を誘って最後に別荘で過ごせる兄妹水入らずの時間を作ろうとするも浮かれ気味で空気の読めないケヴィンはオリヴィアを勝手に誘った上に、オリヴィアは作家と訳の分からない男を引き連れてやって来たのです。
しかもこの男〈アッシュ〉はオリヴィアの元カレらしく、怪しいスムージーにはマジックマッシュルームが入っていたそうで知らずに飲んだランダルがギョロギョロと座った目で聞こえるはずのない物音と見えるはずのない父の姿を見たのには笑いました。
ウィリアムの事をひた隠しにしてきたレベッカの気持ちも分からないでもないのですが、この件に対するジャックの主張がパーフェクト過ぎてレベッカの頑固な独りよがりさが浮き彫りになってしまいます。
レベッカがその親を知っているなんて思いもよらないジャックは、息子が実の親を探している様子を見てなんとかしてやりたいと感じ妻と話し合おうとするもレベッカは不機嫌になるばかり。
もちろんジャックもランダルを息子として愛し大切に思っている熱量にはレベッカと差がありませんが、だからこそ「自分たちが我慢して親を探せばあの子が感じる空白を埋められるかもしれない」とエゴのかけらもない姿勢が印象的です。
レベッカもランダルを息子として愛しているからこそ実の親に権利があり返せと言われる事を恐れて思い悩んでいるようですが、わざわざウィリアムを訪ねて「息子が実の父親に会いたがってるの」と話しぬか喜びさせた上で黙って部屋を飛び出すなんてそれも酷な話に感じました。どちらが悪いとかではないし、そもそも育てられずに気持ちはどうあれ赤ん坊を捨てたという事実は変わりませんし。それでも、なんだかやるせない気持ちになります。
オリヴィアの態度に大事な兄のケヴィンを守ろうと食ってかかるケイト。
連れて来られていた劇作家が思わずオリヴィアを大っ嫌いだと話したり、アッシュと目の前でいちゃつき始めたオリヴィアを見てとうとうケヴィンもブチ切れてくれました。確かに嫌な感じが過ぎます。これで終わりなのかなんだかんだと好感度を取り戻していくのか…オリヴィアはどうも好きになれそうにないので前者であって欲しい。
別れたトビーに電話するも突き放され、オリヴィアに手酷く言い返された事も図星でケイトは色んな不安が重なり切羽詰まっている状態。こんな時に寄り添うのはやはり特別な存在のケヴィンなんですね。
結局ケヴィンはあれだか折り合いが悪かった劇作家の〈スローン〉とデキたみたいでこっちの方がよほどほっこり出来ましたし、ケイトも安心したように見えました。
ランダルはトランス状態の中ジャックと話し、若き日のレベッカの幻覚に文句を垂れ流しますが、こちらもまた幻覚のジャックからの助言で目線を変えて見てみるとレベッカが三人の子供達を抱え、いかに焦りもがきながらも家族を守ってきたかという苦悩を知ります。
簡単には許し切れないものの、36年間秘密を抱えて孤独だったろう母親を理解しようと努めたランダルなのでクリスマスには必ず良い関係に戻れるでしょう。
レベッカからの息子に会わないでほしいという手紙を読み泣きながらそれをしまった冊子の表紙にはPOEMS FOR MY SONと書かれておりこれがまた胸に来ます。
10年近く顔も分からなかった息子を想って詩を書き続けていたウィリアムの愛も本物ですし、レベッカとジャックの愛も疑う余地なく本物で、なのにお互いが傷つき合うという…見れば見るほど複雑な思いが生まれるドラマです。
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