エピソード10『停止』”Stop”
あらすじ
止めたいと思った時、たどり着く先は…。
ネタバレ感想
国防総省へのプレゼンが大成功に終わるも、クレイグからハイディの奇行について報告を受けたコリン。
勝手な行動に激怒しますが、そもそも腹を括っていたハイディには痛くも痒くもありません。
自分が薬入りの食事を摂ってまでハイディがしたかった事の真意は、過剰摂取により一時無能にしてしまう事でウォルターの戦地復帰を阻止する事だったようです。
ハイディはそのまま施設を去り、「副作用が出れば家族の元へ帰す」という規則を逆手に取って、ウォルターをグロリアに引き取らせる事にも成功しました。
それにしても一度の重複摂取で立ち上がるのも困難な状態になり記憶も消えてしまうなんて少々疑問が残りますが、ハイディが盛り付けたあの量は本来添え物程度に出される副菜的位置付けだったのでしょうか。
ハイディとウォルターの退所に関する事項は、クレイグが操作したでっち上げだった訳です。
時が経ち、グロリアに会いに行ったハイディは施設で行われたプログラムの内情を全て語ります。しかし簡単に許されるはずもなく、やっと以前の状態に戻った息子にわざわざ記憶を戻させるような刺激は与えないでくれと突き放されるハイディ。
ハイディがとった行動は、過去にウォルターと会話に花を咲かせた車での旅を実行する事でした。
そして思わぬところで再会を果たします。
ハイディが旅の途中で立ち寄ったカフェに、常連のウォルターもコーヒーを買いに来たのです。
突然の懐かしい顔に固まるハイディと、記憶はないままに異様な表情を見せるハイディに話し掛けるウォルター。
かつて二人で見ていたカリフォルニアのマップをそっと机の下に隠したハイディ。これをウォルターの目に入れるか迷う素振りも見せていましたが、結局は見せずに終わりました。元気そうなウォルターを見て、たとえ自分の事を覚えていなくともこれでいいのだと感じたのかもしれません。
素性も明かさないまま穏やかに会話が終わり、一人出ていくウォルターを見守ったハイディですが、テーブルの上のカトラリーが歪んでいる事に気付きます。
これ、いつも全てを真っ直ぐに正す几帳面なハイディに対してウォルターがペンをくっつけたり会話の中でズラしたりしていた伏線がここで生きてきているという事ですよね…?
この終わり方が何とも秀逸でした。スッキリせずとも嫌な気持ちにもならずむしろ余韻の残る非常に良いラストに思えます。
甘酸っぱい二人の関係が一方通行になりながらも、思わぬ場面で運命的な再会を辿り、それでも決してエゴを出さず相手の平穏を思い遣る暖かな自己犠牲だけでも良かったのですが、更にそこへ歪んだカトラリーが映された事によって、記憶が無くてもそこに居たのは紛れもなくハイディが知るウォルターで、ウォルターの記憶のどこかに今もなおハイディが存在し続けているのかもしれない、という淡い希望を感じました。
暴かれた罪の追及やホームカミングの崩壊に焦点が当てられていくのかと思いきやのこの流れだったので、余計に小粋さがあります。
そして、エンドロール後にはコリンが責任を負わされる場面も。サインしていた書類は退職に同意するものですかね?彼の上司のロンも辞職したそうですし、何よりさんざん支配的に扱ってきた秘書に下剋上されているコリンは面白くもあります。
ただ、シーズン2もある事を考えるとこの秘書がまた食わせ者な感じでどうなっていくのだろうと不安な反面、期待が止まりません。
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▼次回、S2エピソード1