第3話
あらすじ
日々忙しく働くジェニーのもとへ、古くからの友人ジミーが訪ねてくる。彼の好意にうまく応えることができないジェニー。そんな時、戦争の古傷を両脚に持つ、元軍人ジョーの世話を担当することになる。
ネタバレ感想
イーストエンドに順応してきたジェニーは日々逞しくなっていっているようですが、それでもまだまだ繊細な部分が残っている中で一人の老人と出会う事になります。
人手不足で本来助産婦の仕事ではないものをシスターから任されたジェニーは退役近衛兵の〈ジョー・コレット〉の足の腫瘍を世話するために彼が住う安アパートへ往診に行く事に。
人との関わりに飢えた彼は人が良く話も弾むのですが、あまりに無頓着で不衛生な部屋を受け入れ切れないジェニー。
そうこうしているうちに、ジェニーと18年の付き合いだというハンサムボーイ〈ジミー〉が深夜に訪ねてきて「行くアテがないから泊めて欲しい」と懇願され仕方なく、朝までにコッソリ出ていく事を条件にボイラー室を貸し出します。
ボイラー室には副業に精を出す便利屋の〈フレッド〉が新たに仕入れていたウズラがひしめいており、彼にだけはジミーの存在がバレてしまいましたがおあいこという事で黙っていてくれるようです。
ジミーを数日泊めているうちに寝過ごしてしまい出て行きそびれた日がありシスターに見つかりそうになるも苦しい誤魔化しでなんとか事なきを得ます。
しかし、その流れで修道院の玄関先でジミーと話しているところをシスター・ジュリエンヌに見つかり古い友人だと紹介すると、なんとジミーをランチに招いたシスター・ジュリエンヌ。
いくつになってもやはり乙女なのか、普段は女だらけの職場に老人相手ばかりの日常に突然現れた刺激に心なしか皆表情がニヤニヤしております。ナースだけでなくシスター勢も若い男女の関係に興味津々なところが可愛らしい。
男女の仲と言えば、〈ノークス巡査〉とチャミーのロマンスもやはり始まりそうで、自転車でひいた相手と意識し合うだなんて、遅刻しそうになりパンを咥えたまま全力疾走していたら曲がり角でぶつかった相手とッ☆みたいな少女漫画展開そのものではないですか。
明らかに流れる雰囲気がホワホワしているのにお互い挨拶を交わすどまりで満足そうにしております。
その中学生かのような進展の見られなさに「まったくもう見てられない」とノークス巡査にチャミーを金曜の映画に誘うよう本人を目の前に頼むシスター・エヴァンジェリーナ。気は短くても面倒見は良いのですね(笑)
何かとジョーを気にかけていたジェニーですが、彼の住む安アパートが解体になり別の施設に移ると聞かされます。
次にアパートを訪ねると間抜けの殻で、家を奪われながらもジェニーの見舞いと中々吸わせて貰えなくなった煙草に付き合って貰えた事で「贅沢だ」と笑えるジョーの人の良さを通り越した精神が胸に痛い。
ジェニーには「愛に心を開く事の大切さ」を説いて、自宅と看護師による治療を取り上げられた結果、足は壊死となり切断を余儀なくされた挙句まともな看護も受けられず術後まもなくこの世を去ってしまったジョー。
国の功労者のはずが質素な葬儀で送られたジョーですが、それでも彼は「贅沢だ」と笑うんだろうなぁと切なくなってしまいます。
彼はジェニーに形見を残しており、ジョーとの関わりがジェニーをジミーと向き合わせるきっかけになった事は言うまでもありません。
今回は愛の中でも母親の愛情というより男女の愛、無償の愛がテーマとなっておりました。
今回の妊婦はまだまだ出産に男は関係の無かった時代でも妻の出産に大手を振って喜び心の底から幸せそうにしている夫を持つ41歳の女性です。
三人の子供を育てるため愛よりも現実を重視し再婚したという彼女にとっては想定外の妊娠でしたが、夫側は第一子の誕生に浮かれまくっております。
どうもそんな夫に対し感情が追い付かないどころか嫌悪感に近いものを醸し出す妻でしたが、その理由は陣痛が始まってから分かることとなります。
どうやら自分とも夫とも違う肌の色の子が産まれてくるかも、と怯えていたようで。
たった一晩の関係だったそうですが産まれてきた子供はガッツリその男の子で確定してしまいました。
一体どんな反応になるのか、と皆が固唾を飲んで見守る中、夫は「世界一の俺の息子だ」と赤ん坊を抱きかかえます。
何も聞く事なく、ただただ自分の子であるはずがない赤ん坊を自分の子として受け入れる『掛け値無しの愛情』は素直に尊敬してしまいました。
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