エピソード10『7週間』“The Last Seven Weeks”
あらすじ
市議会選に立候補中のランダルはついに投票当日を迎える。一方、ニックが戦死した記録のないことを知ったケヴィンとゾーイは、退役軍人省へ確認に向かう。
ネタバレ感想
投票日当日から7週間遡れば各方面で色んなドラマが巻き起こっているわけで、今回はどのカップルも幸せより問題を抱えている時期に見えました。
ドラマ内の時系列と同じように追っていきましょう。
【投票日の7週間前】
寝室を追い出されてもなお選挙を譲る気は無いランダルは、心のどこかでかつて父から「お前は偉大な人になる」と言われた事への期待に応えたい気持ちがあったのかもしれません。
ベトナムでニックが戦死していないという衝撃の事実を知ったケヴィンは長いフライトを終え家へ帰り着き、徐々に心を開いてきたゾーイに、フルハウスのジョン・ステイモスのキーホルダーがついた家の合鍵を差し出します。これを彼女も受け取ってくれ、ケヴィンの家が二人の家に。
【投票日の5週間前】
戸別訪問に忙しいランダルは泊まりの日々が続きますが、ベスは沈黙を貫いたまま。17歳の頃に「自分は集中し過ぎるから我が家のような家庭を築きたいのに大きな事をするのが怖いんだ」と心配した自己分析にそのままハマってしまっています。
子供部屋を作るにあたってトビーの私物を売りに出したケイトでしたが『DNS』と書かれた段ボールを“Donate”寄付の略だと思い込んで売ってしまいます。しかし“Do Not Sell”売るなの略だったそうで、トビーが我が子にも受け継がせるため大切にしてきたスターウォーズのフィギュアセットを失ってしまい目も当てられません。
ケヴィンはさっそくゾーイを連れて退役軍人省に出向き情報の開示を求めますが、自分がニックの甥だと証明できる書類がないため「軍関係者や歴史家、連邦議会議員といったしかるべき人に開示認可の手紙を貰う必要がある」と
帰されました。
そこでゾーイは自分の元カレの下院議員に頼めるかも、と提案しケヴィンは複雑です。
【投票日の3週間前】
ブラウン議員から家族が教会に顔を出さない事を遠回しに非難されたランダルは、苛々が募りベスにもキツく当たってしまって売り言葉に買い言葉で夫婦仲の亀裂がどんどん深まっていってしまっております。
ゾーイは元カレで議員の〈アンディ〉との席を設けてくれましたが、あからさまに二人の間…というよりアンディ側に未練が感じられ、記録の依頼は引き受けてくれたものの、今回彼女から「助けて欲しい」と呼び出されたのも何か期待があったようです。
あまりの態度にケヴィンがどんな経緯があったのか訪ねると、2年付き合ってNYに移り住もうという話まで出ていたのに一方的にメールで別れを告げたとの事。
あっけらかんと「昔のことよ」と話すゾーイですが、ケヴィンからすればいつ自分がアンディと同じ立場に立たされるか分かりません。
【投票日の2週間前】
大晦日、この日くらいは早めに帰ろうと急ぐランダルの元に、ジェウォンが探していたブラウン議員の決定的な弱みを見つけ出してきました。
6年前飲酒運転をしたにも関わらず、警察と新聞社を買収し不起訴になっていた証拠です。
『偉大な人』になりたい気持ちはあったけれど『良い人間』であり続けることの方が難しいかもしれないと考えた上で良い人間で居ようとするランダルは、公表すれば大逆転間違いなしのこのスクープを使うようなやり方はしたくない、何より父親が望んだ男になるための選択をしようとジェウォンから預かった資料を捨ててしまいます。
ベスの家の伝統であるブルーベリーパイを持ち帰って家族全員の前でここ数ヶ月の不在を素直に謝罪し、「この家族が俺を特別にしてくれる、この4人が俺を偉大にする」とここ最近伝え切れていなかった気持ちを告げました。
SNSを駆使してフィギュアを売ってしまった相手〈ゲイブ〉を特定したケイトは彼を訪ね、間違えて売ってしまった事、自分が妊娠している事や夫が40年間我が子にあげようと大切にしてきたものだったという事、自分の家は家事で燃えてしまい何もあげられるものがないという事を必死に告げるも相手も譲る気はないようです。
ニックの資料が届くも、いつまで経っても送られてきた大量の段ボールを荷解きしないゾーイに対して「俺も議員みたいにメールを待つべきか?」と不安から来る苛々をぶちまけたケヴィン。
自分の希望ではなく関係の進展を迫るケヴィンを喜ばせるための選択だと言ったゾーイに怒りは止まらずお互いに引く事も出来ずに「距離をおきたい」と言い残しゾーイは出て行ってしまいました。
【投票日の1週間前】
燃え尽き症候群かのように選挙活動にも行く気配がないランダルに対してベスは「あなたという人は気を使い過ぎるし頑張り過ぎる、ずっとそういう人 それこそ私が結婚した偉大な男よ、自分が偉大だってことあなたに忘れさせはしない 支えるべきだった、選挙をやり遂げて」と声をかけました。
やはり彼女こそがジャックが言っていた「お前のいいところを引き出してくれる相手」であり、ランダルを最強にさせてくれる『カギとなるピース』だったのでしょうね。
ベスに連れ出されて行った最後のプッシュに繋がる教会では、ランダルに最後のブルーベリーパイを譲ってくれたあの牧師が演説をしており、20年来の知り合いで15年間この地域に奉仕しているブラウン議員は地域の要だ、と断言する一方で、ランダルの事をとにかく真っ当で15年の歴史こそないが既に多くを成し遂げたと評価しました。
ケイトは取り返せなかったスターウォーズのフィギュアをネットでかき集めるも、トビーには一目で自分のとは別物だと分かります。
子供に宝物をあげられなくてもこれから親になる自分達がいるし、「宝物を渡す必要がない、あなたこそ息子の宝物になる」と話したケイトにトビーも納得してくれました。
【投票当日の夜】
ゲイブに説得しているうちに、亡き父親との思い出が詰まったスタジアムに並々ならぬ想いが溢れてしまったケイトを見ていたトビーは、子供部屋を仕上げると同時に、ジャックの作ったスタジアムの写真をケヴィンに捜してもらったらしく、特注でスタジアムを再現していました。中にはスターウォーズのフィギュアが並び、まさに懐かしくもあり新しくもある二人だけのものです。
このサプライズと共に「俺は息子にとって二番目の宝物で一番は君だ」と話すトビーのせいでケイトはうれし涙が止まらなかったんですね。
デリケートな時期での不幸なエピソードでなくて本当に良かったです。
ジョン・ステイモスのついた合鍵を突き返してきたゾーイですが、選挙結果を待つランダル陣営でスピーチが終わると同時に一人出て行ったケヴィンの後を追います。
父親から性的虐待を受けた過去を話したのはケヴィンだけで、誰かの侵入が怖いからでなく二度と安心する事が出来なくなったからシカゴの家には鍵が3つと窓に格子まで入れていると告白するゾーイ。
そして自分だけの安全な場所を失うのが何より怖いからそこを手放してまで他の誰かと住んだことがないと言います。
「それなら別々でいいよ」と折衷案を出したケヴィンにベスが返した答えは予想外でパンチのあるセリフでした。
「あなたは今まで会った中で一番押しの強い人だけどあなたの押してくるものが好きみたい あなたを愛してる、ジョン・ステイモスを返して」と。
そしてケヴィンとゾーイは『二人の家』へ帰り、ようやくの荷解きを済ませている途中にジャックの私物が入った箱から一通の手紙が出てきます。
父親が叔父の生存を知っていた証であり、何故それを隠し続けたのかという謎が深まる手紙にはペンシルベニアの住所が記載されていました。
そして、肝心の選挙結果に関して思わせぶりのまま引っ張るのではなく「勝ったよ」とキッチリ明かしてエンディングに入るところがディスイズアスらしいですね。圧倒的な脚本の面白さからくる余裕を感じました。
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