エピソード18『家族の中心』“Her”
あらすじ
積極的に赤ん坊の世話を手伝おうとするレベッカの様子に、ケイトはいらだちを覚えてしまう。なかなか解決策が見えてこないランダルとベス。娘たちは両親のケンカに気づく。
ネタバレ感想
今回のタイトルは『コーヒー』だったかな?と思わず確認してみたほどコーヒー一つでそれぞれのスタイルや置かれた状況が垣間見える冒頭です。
ランダルとベスの冷戦は続いており、子供の手前ぎこちなく会話はしても、幼いアニーはともかく、テスやデジャまでは騙せません。
多忙な夫婦に代わって留守番を頼まれたケヴィンとゾーイですが、二人の姪っ子と楽しそうに戯れる彼女を見ていると、子供の居ない人生を選んだはずのケヴィンは心中複雑な事でしょう。
今時の若者らしく同性愛をメールでケヴィンに告白していたテスは悩みがあるようですが、レッスンと夫婦喧嘩に忙しい母親に「迷惑はかけれない」と遠慮しているようです。ケヴィンが話を聞き出すと、カミングアウトして楽になるはずがますます自分が分からなくなり、何を着てどの本を読んでどの映画を見れば自分らしいのか、いつ友達に打ち明けられるのか、中々ヘビーでデリケートな悩みではありますが、ここで適当に返事をする事なく正直で真摯に向き合うのがこの叔父の最も良い所かもしれません。
自分の経験を話しながら、自分を作るかけがえのないピースを人生の中でゆっくり集めていけばいつか“これが自分だ”と思える日が来るという教えにテスも納得できたようです。
かつて自分を養子にしようとしたランダルがアパートまで連れて行って話す内容を事前に考えていた時のように、今度はデジャがランダルを連れて過去に引き取られた事のある夫婦の家の前に来ます。
その家庭ではロクな食べ物も与えられず孤児を引き取る給付金はスクラッチくじに消えていたと話すデジャ。
「あの家ではみんなハズレ、ほとんどの人は当たらないの
でもランダルは違う、2度も大当たりした
養子になった時とベスに出会った時
ベスとどうしたのか知らないけど乗り越えなきゃ
2度も当たりくじをくれた世の中に悪いよ」
デジャは色んな人生経験をしてるだけあってどこか大人びていて、それでもこましゃくれていない言葉選びだったり、ベスを諭した時にも思いましたが彼女の話は押し付けがましくないからか心にスッと入って来ました。
「子供はいらない」と思っていた自分の母親のように、いつかはゾーイも自分も気持ちが変わるかもしれない、とケヴィンが本人に話した事がきっかけとなり二人の関係は静かに終わりを迎える事となります。
いつかは父親になりたいと思っているケヴィンは父親になるべき人間だし、自分がいつか変わると思っているかもしれないけど絶対に変わる事はない、と絶望的に埋めようのない隔たりが現れてしまいました。
デジャの話が響いたランダルは何より大切な家族を優先するため辞職を決意しベスに話しますが、ダンス教室で本当に今の仕事が自分の夢そのものだったのか?と疑念を抱き始めたベスもまた『出口』を見つけてきていたのです。
辞職はせずに議員となって働くフィラデルフィアに家族で引越せば少なくとも通勤の負担は軽くなり、ベス自身も自分の夢を諦めないためにフィラデルフィアに「自分のダンススタジオを開いて本当にしたい事をする」と。
支出を減らすために想い出が詰まった今の家を手放すなら、もっともっと小さい家になるとランダルが忠告すると「あなたが見つけやすくなる、私たちは別々じゃだめ」と二人なら何でも上手くいくと説得したベス。
この夫婦の仲が破綻しなくて良かったと思うのと同時に、年老いたランダル達が出てくる未来の描写の思わせぶり感が気になります。
シーズンラストでようやく皆が集まったのが今や息子を持つケヴィンの家だということ、その家では寝たきりになったレベッカが居ること、そしてニックも家族の輪の中に居ることが分かりました。
小さなジャックも無事退院出来た後にしっかり育ってくれたようですし、シーズン4は過去との交錯よりもこれからの未来が多く描かれるのでしょうか。早く続きが見たい…。
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▼次回、S4エピソード1