第1話 クリスマススペシャル 前編
あらすじ
ポプラーはクリスマスムード一色。修道院長のマザー・イエズスの病気が思わしくなく、後任の選挙のためシスターたちは本部に呼び戻される。ノンナートゥス・ハウスには、養子縁組みプロジェクトに参加する子供たちがシスター・ミルドレッドに連れられ、香港からやってくる。
ネタバレ感想
手作りロケットのヴァイオレット号をソリに見立ててクリスマスを祝うフレッド(笑)
こんなおっさんが近所に居たらさぞかし楽しいでしょうなぁ。
コール・ザ・ミッドワイフは、大体シーズンラストあたりで問題が浮上したり様々な別れがあったりと悲しみの大きいエピソードになりがちですが、こうして新シーズンの始めはクリスマススペシャルで明るい気持ちに切り替えてくれるので負の余韻を引き摺らなくて済みます。
冬服の時期はとうに始まっておりますが、いよいよトリクシーもポプラーに舞い戻って来たようですし。
マザー・イエズスが脳腫瘍を患っておりもう長くないらしく、2ヶ月後の任期を待たずして修道院長の後任を決める事になったそう。
それに伴いノンナートゥス・ハウスのシスター達にも招集がかかり、新院長の選挙まで修道院本部に戻るようにとのお達しが。
香港から孤児を連れて来て、養親に引き渡されるまで修道院本部の養護施設に滞在するはずだった〈シスター・ミルドレッド〉ですが、天候状況のせいで4人の孤児〈ミン〉〈メイ〉〈スイ〉〈チー〉を連れて急遽ノンナートゥス・ハウスに滞在するためやって来ます。
香港では、中国からの難民で生後まもなく捨てられて道端やアパートの階段で見つかる子供達が多いそうです。
4人の子供達にくわえてよく喋りよく食べるシスター・ミルドレッドのお陰で一気に賑やかになったところに、皆が待ちわびていたトリクシーも帰って来て非日常な喜びに満ち溢れるハウス。
トリクシーが亡きバーバラのカーディガンを受け継ぐシーンが挟まれるのも、やはりコール・ザ・ミッドワイフは良いなぁ…と思わせられます。
久しぶりの診察に出るも、妊婦が続々と病院での出産を希望している状況に驚くトリクシー。
どうやら、病院側が医療施設で出産するメリットを触れ回っているとかで、女王のように扱ってくれる病院で至れり尽くせりの中出産したい、と自宅分娩が減っているのだそう。
これに限っては今や自宅分娩の方がごく稀ですし、産院と言えば良いところは一流ホテル並みの施設だったりするものですし、人生にそう何度もない出産を良い環境で迎えたいという気持ちは悪い事ではないように思います。現実にこの場に関わっていて、時代の移り変わりを目の当たりにする側にとってはやり切れないものがあるでしょうが。
修道院本部を『最期を迎える場所』と言って本部行きを拒むシスター・モニカ。
そんなモニカを置いて、ハウスに一泊したシスター・ミルドレッドと『香港プロジェクト』の子供達と共にシスター・ジュリエンヌとシスター・ウィニフレッドも本部へと向かいます。
シスター・ジュリエンヌはノンナートゥス会の中でも憧れの存在らしく、本人の希望はどうあれマザー・イエズスの後任にも推されている様子。
ポプラーで人に仕える事こそが自身の役目だと感じているシスター・ジュリエンヌが浮かない顔を続けていたわけです。
病床に伏せるマザー・イエズスからも「私の跡を継いでほしい、あなたにやってほしいの」と直々に頼まれてしまい、シスター・ジュリエンヌの人柄の為せる技ではあるものの、ノンナートゥス・ハウスにだって必要不可欠な存在なだけにハラハラします。
後任は推薦ではなく選挙の投票結果で決まるとは言え、シスター・ジュリエンヌの慕われようなら多くの票が投じられてしまいそうです。
珍しく怒りにすら近い感情を見せるシスター・ジュリエンヌは、これまた珍しく「一人じゃ無理」と弱音を吐いて休暇中のシーラにマザー・イエズスが手一杯になったまま放置されていた書類の山の整理を手伝って貰えないかと頼み本部へと呼び寄せました。
修道院長へ選ばれることに対する恐怖と、それがマザー・イエズスの望みでもあると打ち明けたジュリエンヌに対して、シーラが「それが正義のためとは限らない、あなたの望みは?」と恐怖心を否定する事なく言ってくれたのは救いでした。「私は敬虔なシスターよ、望むことなど許されない」というジュリエンヌらしい答えではありましたが。
養護施設には、里親待ちのリストにすら載せられていない、生まれつきの障害で自分で食べることの出来ない少年〈ニール〉や、家族を切に望んでいる様子の少女〈デニース〉が。
香港プロジェクトの子供達の元へ、既に引き取り手が決まっている里親達が顔を見にやって来るのですが、その光景を羨ましそうに眺める様子がなんとも居た堪れません。
それだけでなく、一人だけ乳児ではなく他の子より少し年が上だったメイの養親が顔合わせの場に姿を見せなかった事で、内気な少女がさらに落胆する姿は切なく映りました。
しかもメイの母親は難民で売春婦らしく、これまでにも3度施設から娘を引き取りに来たものの、数週間でまた預けに来る事を繰り返すという子供にとってはたまったもんじゃない行為を繰り返しているそうです。母親には娘への愛情があり、母親もまた助けを必要としている現状だというのが複雑なところ。
病院で女王のように扱ってもらうんだと豪語していた〈メイヴィス・ホリエ〉は、産気づいて病院へ向かうも、町の反対側の病院に行くよう言われて、夫と移動している道中にいよいよ動けなくなってしまいます。
公衆電話も壊れていて、慌ててノンナートゥス・ハウスに走る夫がトリクシー達を呼びに行ってくれたおかげで赤ん坊が出て来る前には間に合いましたが、このまま道端での出産になりそうです。
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