エピソード2『思春期』“The Pool: Part Two”
あらすじ
ベスとランダルはフィラデルフィアの生活に慣れていく。ジャックとレベッカはビッグ･スリーをプールに連れて行く。
ネタバレ感想
タイトルそのものなエピソード。
思い出の中のピアソン家では、幼い頃あれほどプールをせがんでいたビッグスリーも、両親が誘っても乗り気にならず親離れの時期を感じさせますし、現在のもう一つのピアソン家では、転校のストレスに晒された思春期の娘達はランダルの提案した家族での外出に全く喜びません。
プールに行ったら行ったで、レベッカはケヴィンから日焼け止めを塗ってやろうとしたのを嫌がられ、ジャックはプールサイドチェアを5つかき集めて来たのに子供たちは誰も気に留めずそれぞれ友達の元へと去って行ってしまい、両親は置いてけぼり。
子供の成長の早さを痛感しながら自身の同じ時期を思い起こすランダル。
デジャがバス通学を志望したのは、バスの路線上にマリクの働く修理工場があったからなんですかね。微笑ましい。
相変わらずの過保護ぶりを発揮しながら、最終的にはきちんと娘の意思を尊重するランダルはついに娘達にもお馴染みの『最悪のシナリオ』ゲームに参加させていました。あのゲーム好きだなぁ。
同性愛を告白したテスは、見た目にも変化が大きくなってきて、そんな娘に今までの面影が消えてしまう事を内心悲しんでいたベスですが、自分の価値観を押し付けて娘の個性を潰すまいと自省するところもさすが。良い夫婦です。
現在のケヴィンはアルコールの問題に向き合いながらも、保釈金を払ったままで音沙汰の無い叔父を心配したり、未熟児で生まれた甥っ子の視覚障害が発覚し、双子の妹にかける言葉も見当たらず悶々としたりで精神状態がかなり忙しそう。
新居に引っ越したケイトとトビーは、専門家の〈アンナ〉から盲目の子供を育てていくにあたってアドバイスを聞く場に家族とマディソンを呼びました。
マディソンがどんどん良いキャラになっていて笑ってしまいます。
ケイトは息子の診断を驚くほど冷静に受け止め、泣いたり狼狽えたりする事はありませんが、その冷静さを保つために過食に走っていることをトビーは見逃しません。
レベッカに「人生の中でこれほどまでに悩みを抱えた事はない」と話すトビーの中で、「でも俺のたくさんある悩みの中でトップはケイトだ」と言わしめるほどにいつ爆発するか分からないギリギリの状態であろうケイト。
専門家の話を聞くことで、さらに息子の視力が無いという現実を目の当たりにし、決壊しそうになるケイトは見ていて苦しくなるぐらいです。
ケイトとケヴィンはやはり双子なだけあって、お互いの問題に敏感で、お互いにとってのより良い道を示す存在でもあるというこの深い関係が相変わらず良い。
多くの医師から「出産は考えるな」と警告をされたにも関わらず、それでもリスクを考えた上で産んだ子が視力を失ったのは「全て自分のせい」だと自責の念に駆られるケイトを慰めるケヴィン。
甥っ子が生まれた日から禁酒を初めて187日目。オファーのあったシカゴでの映画に出て忙しくする事で禁酒に専念すべき、と分かっていながらケイトのために残って子育ての手伝いをすると決めたケヴィンに「私への愛情を自分にも向けてよ、映画に出て禁酒に専念して 一生この子の伯父なのよ？いい伯父さんでいて」と後押しして送り出すのはもちろんケイトです。
かつてケヴィンが、仲の悪かったランダルから
「友達の前で僕をバカにして笑ってた、僕の兄貴なのに」と言われた事を気にして父親に「僕は善人かな？」と相談した際「愛する人を持て、面倒を見る相手だ それがお前を立派にする」とアドバイスを貰っていましたが、これはケヴィンだけでなくケイトも共通して愛する人の面倒を見る事でそれを自分の支えにしている側面があります。
最後には、「息子には制限のない人生を」と暗さよりも希望のある家で息子を育てて行く決意を表明でき、精神的な負担もだいぶん軽くなったのでは？
その分、夜な夜なジムに出かけて行き溜まり切ったストレスを吐き出そうともがいているトビーが心配になってきました。
毎度毎度、どうしてたった50分ほどの1話の中でこんなに入り組んだ感動のさせ方が出来るのか…。
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