エピソード2『夜の少女と昼の少年』“The Night Girl Finds a Day Boy”
あらすじ
私はほとんど吸血鬼。朝8時か9時にベッドに入り、夕方4時か5時ごろ起き出す生活。最初のデートはたいてい夜だから大丈夫だけど、そのうち、いろいろな問題が出てくる。
ネタバレ感想
あらすじを見た感じで『タイヨウのうた』のヒロインがかかっていた紫外線によるDNA損傷が修復されない難病“XP”が脳裏にふっとよぎります。
タイトルに少女と少年の文字がありますが、若者の青春ラブストーリーな訳ではなさそう。
ダイナーで出会った〈ジョーダン〉とデートに行った〈ゾーイ〉は、XPとは違うものの、朝寝て夕方頃から活動を始める睡眠相後退症候群という概日リズム障害だと打ち明けます。
日中は活動できない彼女にジョーダンが歩み寄る形で二人の関係は発展していきますが、浮かれ気分は最初だけで生活リズムの違う人間がどちらかに合わせるというのはかなり酷なもの。
お互いの間でちょっとしたイライラが募っていたところに、ジョーダンの母親に紹介されるブランチの席も寝坊した事が決定打となって溝が深まり始めます。
将来を考えているからこそ現実的な問題が付き纏い、怒りをぶつけ合う二人。
「世界と関わりたくない人間には都合の良い病気だ」と、病気は甘えと感じ始めているジョーダンと、「これは現実の病気なの」とやや開き直りさえ見せるゾーイはしばらく距離を置くことに。
たとえ病気であったとしても、それを盾に横柄な態度を取っているようにも見えたゾーイにやや自己中心的だな、と感じましたが、彼女の居ない日々を過ごしてみてジョーダンは改めてゾーイの存在の大きさに気が付いたようです。
しばらくぶりに呼び出したのは空き家の一室。
『そばにいられればいい』というこれ以上ない理由から、将来を共にしたいと感じたゾーイに「寝てるか起きてるかは関係ない、重なった時間に会えるだけで十分だ」と語り掛けました。
ジョーダンばかりが我慢を強いられているようにも見えましたが、ゾーイもゾーイでおとぎ話のように夜の穏やかな時間を知る存在として、自分の時間にはしっかりジョーダンを守ろうとしていたんですよね。
生活リズムの逆転というのは人間関係を築くにあたって改めて大きな障害だと感じますが、それを乗り越えてきたジョーダンの懐の広さと愛情深さにほっこりさせられました。
▼Amazonプライム・ビデオで視聴できます。
月額500円でプライム会員になれば、会員特典対象の映画やドラマ、アニメ、Prime Original 作品が見放題。30日間のトライアル期間でお試しも可能。
▼次回、エピソード3