エピソード21『囚人のジレンマ』“The Art of Reckoning”
あらすじ
死刑を間近に控えたギャングの殺し屋が、未解決事件に関する情報提供を申し出て、ドンは嫌な予感を覚える。死刑囚の出した交換条件とは?
ナンバーズ 天才数学者の事件ファイル シーズン3 <トク選BOX> [ ロブ・モロー ]
ネタバレ感想
シーズン3も終盤にきて、有名なゲーム理論『囚人のジレンマ』に触れられるのは満を辞して感があります。
そして、ラリーも意外と早いご帰還で嬉しい限り。
今回の事件
元ギャング専門の殺し屋で死刑囚の〈ポニー・フニェス〉が、執行まで6日に迫った状況で「殺人事件の解決に協力する」との申し出があったらしく、ドンは連邦検事補の〈アルビン・ブリックル〉と刑務所を訪ねます。
フニェスは自分の犯した殺人で遺体を埋めた場所を5人分教える代わりに、会ったことのない娘と塀の外で会わせろという要求をしてきます。
死刑囚との取引はしないと宣言していたドンですが、「未解決の殺人事件が5件解決できる」とブリックル検事補に食い下がられ、とりあえず1人目の話を聞いて判断することに。
フニェスが話した場所を掘り返してみると、中国系ギャング〈ペニー・ウォン〉の白骨が出てきて、フニェスの話の信憑性は一気に高くなります。
更に、フニェスはドンが食いつかざるを得ないような情報をちらつかせてきました。
10年前にマフィアが〈アマト議員〉を買収しようとするも拒絶され、息子を誘拐した事件があり、事件当時は殺人を立証できずに〈フィリップ・ベレリ〉を逃がしたそうなのですが、その息子の居場所を知っていると言うのです。
事件解決の方程式
死刑囚の居る特別房の脆弱性を分析し、フニェスは外部との連絡が取れない状態で脱獄の可能性が極めて低いと分かると、FBIオフィスへの大規模な護送が始まりました。
それでも相手の真意が分からずピリつくドンにチャーリーが提案したのは、囚人のジレンマ理論を使った“しっぺ返し”作戦で、相手が攻撃すればこちらも攻撃、逆に協力が得られればこちらも協力で返すやり方が最も効果的なのだとか。
フニェスの供述には半端な嘘が混じっていたりでドンは感情的になりっぱなしですが、今度はチャーリーから裏切られてもこちらは協力し続ける“逆しっぺ返し”を教わります。なんでもありだな。
嘘発見器よりも有用なfMRIで脳をスキャンし嘘を見抜くというとんでもない機械が大学の地下にあるらしく、2トンもあって動かせないという理由でフニェスを再移送する事に。
「議員の息子に月を見せている隙に首を折って苦しませずに殺した」という供述を続けるフニェスに対し、fMRIで見た脳の活動は嘘を示しておりません。しかし、事件があった日の月の満ち欠けを調べるとその日は新月でロスは雨だった事は確か。偽記憶を構築して信じ込んでいる状態なのです。
実際にあった真実の記憶と混ぜた偽の記憶を作り出しており、そこまでさせたのはやはり自分が手を下してはいないと言え、子供を殺めてその死体を隠蔽した事に対する罪悪感が大きかったのでしょうか。コルビーの言っていたように、悪人を専門とする殺し屋は子供を殺せない、という推理はあながち間違っていないのかもしれません。
事件解決にも繋がり、父親との最初で最後の面会を熱望していた娘と30分だけでも二人の時間を過ごさせてやれたのは素直に良かったなと思えました。何人も殺した死刑囚に同情してしまうラストでした。
そして、片腕を撃たれながらもブリックルを守りつつ応戦するデビッドの頼もしさよ。
いつコルビーが助けに来るかともワクワクしましたが、現場の二人だけで何とか乗り切りましたね。さすが。
ラリーのロケットが帰還したニュース以降、親友からの連絡を心待ちにして何度も留守電にメッセージを残し、ついにフラッと顔を見せたご本人に会うと大興奮ではしゃぎ倒すチャーリーですが、悟りでも開いたようなテンションで浮世離れした雰囲気がこれまで以上に強く出ているラリーはフワフワし過ぎていて心配です。
4ヶ月半の宇宙生活で、「自分が自分を超えるのを感じたんだ、再び小さな存在に戻りたくないんだ」と話す幽霊のようになったラリー。
修道院で隠遁生活に入るつもりらしく、物事にこだわらずに生きて行きたいというラリーですが、精神衛生上いいのか悪いのか…。
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▼次回、エピソード22