エピソード16『ファミリー・ミーティング』“Family Meeting”
あらすじ
ネタバレ感想
重過ぎる話題の時にベスのように率直で無駄なく言いたい事を言ってしまうキャラはかなり重要です。
ミゲルが亡くなってから1週間、ついにそれぞれの日常へと戻る前に“母さんをどうするか”会議がビッグ・スリーで開かれる事に。
セラピー用の猫の人形を持っている人がその間話す権利を得るという争い回避法は間抜けで思いの外良いかもしれません。
長年この家族と連れ添って熟知しているベスとソフィーはそれぞれ自分の夫が家族会議でどう出るかも予測できていて、まだ付き合いの日が浅く「何か力になれる事があるかも」と考えるフィリップに自分達がいかにその場に入っていく事が不可能に近いかを実演します(笑)
現在の状況を予測して笑い合うベスとソフィーを見て「彼らの母親の命が消えかけてるのに君らはその介護の話し合いの悲惨な展開を予測してる、愉快だよ」と嫌味を飛ばしたフィリップに対し、ピアソン家に加わって30年以上が経つベスの言った「時折この家に加わったことが最大の重荷に思える、同時に人生で最大の恵みにも思える」という言葉に「同感よ」と返すソフィー。
長年この家族と接してきて、時には疎外感さえ味わいながら客観的に見てきたからこそのこの意見はかなりリアルです。
幼い頃から真逆の方面で秀でていた兄2人を間近に見ていたケイトには自分だけが兄妹の中で劣っているというコンプレックスを抱えたまま今に至っています。
トビーにも指摘された通り、レベッカが後見人に選んだのはケイトなのに、家族会議の主軸はランダルとケヴィンの言い合いにあり、どうしていいか困惑して黙ってしまうケイト。
ただ、母レベッカがかつて話していた通り遅咲きのケイトはもはや兄2人より頼れる存在になりつつあるのですね。
介護に関する主導権を握るにはケイトには荷が重くケヴィンではいいかげん過ぎるから自分が適任で、自分の家にレベッカを引き取りたいと考えるランダル。
その考えを聞いて「あなたはケイトを過小評価してる、彼女はずっと偉大な兄弟とそのエゴを相手にしてきた…それだって重荷よ。それにケヴィンだって昔のような無責任でダメな兄貴とは違う」と2人の成長をしっかり見るよう諭すベス。
一方、母親の希望通り理想の家を建てたという自負があるケヴィンは、母自身が望んだ今や馴染みのあるこの家から連れ出す事に反対。
「まずは母さんのことをしっかり見てよ」と、兄2人が見ようとしない『記憶の中の完璧な母親像』からかけ離れてしまった今のレベッカと向き合うべきだと諭します。
ランダルは老いてしまったレベッカを直視できず、ケヴィンは触れることが出来ないほどに母親の変化を受け入れられていなかったのです。
ケイトに言われるがままランダルはレベッカの髪をとき、ケヴィンは手にクリームを塗ってやるとレベッカは心地良さそうな表情を見せました。
翌朝、ケイトから集まった家族全員の前で今後についての決断が表明されます。
仕事を減らす事は母の望みではなくランダルの家での同居は却下、そしてこの家に一人で残すことも出来ないとケヴィンの案も却下。
住まいはどういう形になってもいいからLAに連れて行くと話しますが、それはなんとなく違うような…。
誰もがそう感じている中、ケヴィンが別案として「昨日母さんと向き合ってみてよく分かった、お前の意見は尊重するけどどうすべきか見えたんだ…ここに引っ越して母さんと暮らす」とソフィーと相談してLAから移住の覚悟がある事を話します。
ケヴィンが子供達と遠くなるのはNGだと却下しようとしたケイトに、マディソンがイライジャの仕事はリモートでできる上に家族はニュージャージーなので近くに住みたいと前から話していたのだと助け舟を出しました。
そしてニックとイーディもここに残ってケヴィン達を助けると。
これでダメだと言うならそれはもはや自分が一番関わりたいというエゴにしか聞こえません。
幸いにもケヴィンの本気を感じ取ったランダルもこの提案を受け入れケヴィンに任せると言ってくれて、ケイトも納得。
想像以上に賑やかになった家にはピアソン家らしく絶え間ない人の出入りがあり、寂しさとは無縁に見える余生を過ごせているレベッカ。
それでもやはりもう長くない事を覚悟しなければならない辛さはどうしても付き纏います。
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▼次回、エピソード17