エピソード1『3.33』“3.33”
あらすじ
ピーター・キャパルディ、ジェシカ・レイン主演、全6話の手に汗握るサイコスリラー。
毎日、午前3時33分ちょうどに目が覚めてしまうルーシーは、長い間、不可解な現象に苦しみながら日々を暮らしていた。そんな中 発生した残虐な連続殺人事件の先に待つ、疑問の答えとは。
ネタバレ感想
夫と別居して、息子〈アイザック〉と2人暮らしの〈ルーシー・スティーブンス〉。
夜中に起き出し、虚な目で宙を見つめながら自分の言葉をおうむ返しする息子を心配して、アイザックを連れたルーシーは、〈ルビー・ベネット先生〉の元へカウンセリングにやってきています。
「夢遊病ではない」と主張したルーシーの言う通り、アイザックは夜中に起きた事を覚えており、その理由を問われると「メレディスが泣いてた」と一言。
〈メレディス〉について、ルーシーはよくあるイマジナリーフレンドで引っ越し後に現れたと説明しますが、幼い子供にしては極端に静かな様子からしても、ルーシーの母親が患った統合失調症について言及したルビーでした。
児童相談所で働くルーシーは、同僚の〈ロブ〉と共に、保釈中の〈シェーン・フィッシャー〉と面談を行い、家族への接近を禁じられているにも関わらず、妻〈クロエ〉を暴行して娘〈ティリー〉の安全を脅かしたとして警告を発しています。
度々現れる不穏なフラッシュバックが目立つルーシー。彼女もまた、精神的に追い詰められているような危うい面があり、それでいて明らかに意味のありそうな事件性のあるフラッシュバックの内容がどうルーシーと関係しているのか気に入ってなります。
自宅の2階にある書斎で、刺されて亡くなっていた50代前半の〈ハロルド・スレイド〉が帰宅した妻に見つけられ、現場の確認をする刑事が2人。3回刺されていて凶器は未だ未発見。
いかにも神経質そうな若手警部補の〈ディロン〉と年配の相棒〈ニック〉は聞き込みの結果、近所でずっと停められていたという『赤い日産バネット』の存在に辿り着きました。
ルーシーを指名したらしい、容疑者との面会風景が冒頭から何度か差し込まれています。
毎夜3時33分にうなされて目を覚ますのは子供の頃からだそうで、このきっかり午前3時33分は別名“デビルズ・アワー(魔の時)”と呼ばれているそう。
別居中の〈マイク〉とは体の関係を持ちながらも、どこか情緒不安定な息子に関わりたくない気配をチラつかせる夫と元鞘に戻る気はないようで、旧姓のチェンバーズを名乗ると決めたルーシー。
情緒不安定と言えば、息子よりもルーシーの方が心配ですが、アイザックもアイザックで何を考えているか分からない不穏さが。
悪態をついてきたクラスメイトのバックパックに立ちション便をかける確信犯的な行動は、果たして悪意のある仕返しだったのか、アイザックの言う通りトイレの場所を間違えただけに過ぎないのか…。
アイザックには謎の男が見えており、これはルーシーのフラッシュバックとは今のところ関係無さそうですが、いずれ繋がってくるのでしょう。
ルーシーへの手紙を遺して、3時33分に自殺しようとしている女性の描写が、ルーシーの深夜の目覚めと関係があるのは明らかですが、直接ルーシーと関与している人物の影響というのは意外です。もっと遠かったり、はるか過去だったりの存在が何かしらの因縁を持っていて、現在のルーシーに影響を及ぼしているのかとフワッと考えていました。
今も息子を捜し続けている母親のブログを読んだというディロンは、失踪した〈ジョナ・テイラー〉の事件ファイルをチェックしています。
警察が積極的に関わりたくない事案のファイルを今更閲覧している事に軽口を叩いていたニックでしたが、ディロンがこの件を掘り返すのには、ハロルド・スレイドが刺殺された事件で目撃証言に上がっていた『赤の日産バネット』がこの失踪事件で記録されている監視カメラ映像にも映っていた事に気がついたからだったのです。
2つの事件が繋がりを見せ、再び赤いバネットを捜索すると、乗り捨てられた該当ナンバーの車を発見。
近くの安モーテルに聞き込みに行けば、現金で1年分前払いして、10年ほど部屋を借り続けてたまにしか姿を見せない男の存在に辿り着きます。
半ば脅す形でオーナーに男の部屋を開けさせると、中には壁一面にビッシリと張られた事件資料の数々が。
ディロンは、そこに今日の日付がメモ書きされた一軒の家の写真を見つけます。
そして、壁に大きく記された“ルーシー・チェンバーズはどこだ?”の文字。
時を同じくして、DV夫を家の中に入れないようアドバイスしていたクロエからの電話を受けたルーシー。
酔っ払ったシェーンがまたしても自宅に現れたらしく、今にも扉を開けてしまいそうな危うい状況のまま電話は切れてしまいます。
居ても立ってもいられなくなったルーシーは、自宅に訪ねてきていたマイクにアイザックを頼み、クロエ宅へと急ぐも、駆け付けた頃にはパトカーと人だかりが。
ルーシーが度々見ていたフラッシュバック映像がこの凄惨な事件に繋がってしまいます。デジャブだと思っていた記憶の断片は、未来の瞬間を切り取ったものだった、と。
そして、ショットガン自殺を謀るも不発に終わっていた女性。
あの時見えたルーシーへの手紙は、現在の彼女ではなく、幼いルーシーに遺そうとした手紙で、自殺に追い込まれていたのは、今や統合失調症の老婆と化した、まだ若き日のルーシーの母親だったのです。
まだ1話で謎だらけの状況ですが、1話から既にかなり面白いです。
オカルトホラー系にも見えますが、ジャンルとしてはサイコスリラーとの事。それにしてはルーシーの能力は明らかに超常的に見えますが…。
この先、過去も未来もひっくるめて複数の事件がどう絡み合ってくるのか、楽しみです。
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