エピソード4『木の中の男』“The Man in the Tree”
あらすじ
ある日、絵を描こうとフェリシアが森を歩いていると、頭上からうめき声が聞こえ、見上げると負傷した男が下着姿で木に引っ掛かっていた。その頃、ブラウン神父とマッカーシー夫人は、ドイツからの訪問者フランク神父を駅で出迎えていた。
ネタバレ感想
とんでもない現場に遭遇したり、事件に関連する何かを見つけるのはレディ・フェリシア、というのが定番コースなのですね(笑)
平和のためのミサにあたり、ドイツから〈フランク神父〉が英国訪問にやって来るにあたって、ブラウン神父とマッカーシー夫人が駅でお出迎えしております。
同じ列車で英国に到着した、不機嫌顔の女性〈アニー〉の姿も。彼女は売春で捕まり、1ヶ月刑務所に居たのだとか。
フランク神父を案内している道中で、フェリシアが森で遭遇した下着姿で死にかけている男性を木から降ろしている現場に出くわしており、チラッと見ただけのブラウン神父は男性の頭にガラス片が残っていたのが気に掛かっている様子です。
警察の調べでは、この男性がアニーや神父が乗ってきた列車の1等車から落とされたというところまで分かったらしく、同じく同乗していたシドに聞き込みをして、アニーが1等車から出てくるのを見たという証言を得たバレンタイン警部補。男性は未だ身元不明のままで、病院で世話を焼いていたマッカーシー夫人は、便宜上彼に〈ビル〉と名付けてしまったようです。ペットか(笑)
ポーランド侵攻の遺恨が大きく残っているこの時代、ポーランド人のスージーにとって、ドイツ人の世話をするというのは仕事だろうと侮辱にも似た感情があるようで、フランク神父がドイツ人だと分かって顔色が変わっています。
同じく戦争の名残りでドイツとイギリスは不仲で、厳しい視線に晒されるフランク神父に手を差し伸べようと、親睦のためにビュッフェ付きの歓迎会を開いてやったレディ・フェリシア。
スコッチエッグはサンドイッチのごとく素手で掴んで食べていいものなんですね。
アニーは3等車から出ていない、というシドの目撃証言に反する証言が出た事で、今度はシドが警部補から疑われる羽目に。
ちょうど高価なモーターバイクを購入したことが重なり、窃盗目的の犯行と見られている今回の事件に結びつけやすかったのもタイミングが悪かったのです。
アニーのアリバイを確立したもう1人の証言者〈クリスティ〉は彼女と画策している様子がありましたし、列車ではずっと寝ていたと話していたはずが、警察では違う証言をしていた事で早くも彼の嘘に気付いているブラウン神父です。
マッカーシー夫人が見舞いにやってきたフェリシアと病室前で小競り合いしていると、中から突然大きな音が。
慌てて中は戻ると、開いた窓と、意識不明のままむせているビルの傍らには割れた花瓶と枕が落ちていました。
確実にアニーが1等車から出てきたのを見ているシドは、このままビルが亡くなってしまえば殺人罪を被せられると焦って、クリスティに本当のことを話すよう胸ぐらを掴んで詰め寄っている場面をタイミング悪く警部補に見つかってしまいました。あまりにも不利な状況過ぎます。
あんなコワモテなのにとことん無能な警部補は、ブラウン神父の捜査介入をよく思っていない気持ちも先走ったのか、シドを捕らえた後は神父にアニーやクリスティに近付くなと釘を刺しております。
シドの住むトレーラーには強制的な家宅捜査が入り、何も出ないどころか質屋の預かり書が見つかって、質屋から回収されたのはビルとシドの指紋がついた革財布でした。
いよいよまずいことになり、ゴミ箱から拾っただけだと言い訳するも、本格的に殺人未遂で起訴される事になってしまったシド。
ブラウン神父も警告を無視してクリスティに付き纏ったとして、これ以上何かすれば起訴するぞと脅されてしまいます。
シドが戻って来られないと聞いて、 素性は分からないけれどきっとアニーの恋人が犯人に違いないからアニーと話してみる、というスージーの言葉を聞いて、合点がいったブラウン神父。
マッカーシー夫人に協力してもらい、アニーとクリスティを同時に呼び出して、アリバイを証明したのは恋人だからか、と指摘。
シドが絞首刑にされてしまうと情に訴え、被害者であるビルの素性を話させました。
真実は、ビルに1等車へ連れ込まれたアニーは彼の顔を引っ掻いて逃げたそう。クリスティもそれを知ったのは列車を降りてからで、2人とも殺人未遂には関与していないものの、関係を隠そうとして、そして、相手の男の職業を考えた末に偽証していたようです。
村の教会でミサをしているフランク神父は偽物で、本物のフランク神父がアニーに対して暴行を働こうとした結果、今病院で危篤状態になっている通称ビルだった、と。
別人のなりすましという、既にエピソード2で使われたトリックがこんなに早いスパンでまた出るなんて思ってもおらず、想定外過ぎて笑いました。ネタが尽きるのが最速では?
偽神父の本名は〈ヴィルヘルム〉で、反ナチスを理由に投獄された医者だった。そして、その時に罰を与えるため名目で、本物のフランク神父に妻を虐殺された過去があったのです。
憎き敵が司祭になったと知り、ドイツから追ってきたヴィルヘルムは目的の男を見つけ、怪しまれぬよう賛同者を装って話していたところ、自分がいかに残忍かを自慢げに話し、妻の殺害の件を仄めかしてもただ笑うだけだった目の前の男を思わず殺してしまったのだとか。
そして、逃げるために服を奪って本人を列車から落とすも、まさか相手がまだ生きているとは思っていなかったそうです。いや、これもなんか聞いたような話です(笑)前回のエピソード3であった、生きていると思ったらもう死んでた!の逆パターンですね(笑)
この時に金が目的ではなかったため、ゴミ箱に捨てて処分した財布をシドが拾ったわけですか。
駅から降りて逃げるはずが、出迎えのブラウン神父とマッカーシー夫人に捕まり、逃げるに逃げられず神父のフリを通していたヴィルヘルムは、全てがバレてしまう事を恐れて息の根を止めるしかないと病室でフランク神父を襲おうとするも失敗。とことん不憫な気配の漂うヴィルヘルムは、ブラウン神父に嗜められて目の前で心臓発作を起こした妻の仇に応急処置をして命を助けてやりました。
ブラウン神父は時間稼ぎをしてヴィルヘルムを逃してやり、シドは無事に解放されます。
アニーとクリスティはお互いの関係を隠す事をやめ、一気に幸せそうな空気に。一件落着です。
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▼次回、エピソード5